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第231号 「進展するケイ・オプティコムとクラビットのコンテンツ繋がり」

[2005.06.14号]

 6月13日(正確には、日付が変わって14日)深夜2時半。原稿を書き終えて、(夜中なのであまり音を立てないように)風呂に入り、3時前にテーブルの前に座る。台所から持ち出した2リットルパックの白鹿「旨口鹿」を湯呑み茶碗に8分目ほど注ぎ、一口飲る。お酒が咽喉を通って、胃に辿りつく。<そういえば8時頃に、茶漬けをかき込んだだけだったな>と気がつく。冷蔵庫を開けて、何かツマミになるものは、と物色する。しゃけ詰を発見。プシュっと開けて、逆さにして平皿に移す。しょうゆをタラリと垂らす。便利になったものだ。昔、よくオヤジもしゃけ缶をツマミにお酒を飲んでいた。いくつの頃だろうか、脇にいると、たまに缶詰の蓋を開けさせられた。「缶詰の蓋くらい、ちゃんと開けられるようじゃなくちゃいけないからな」といっていた。缶切りを缶詰の縁に挟んで、ギコギコやって蓋を開ける。これがけっこう子供には難儀な仕事なのだ。缶切り自体もあまり切れなかったのかもしれない。最初に、切り出し穴(というのだろうか)を開けるのが、なかなかたいへん。縁から缶切りが外れてしまったりする。そういう時は、穴を開けてもらって、それからギコギコ缶切りを手前に引き回す。1周したあたりで、蓋をパカッと開けて、皿に移す。しょうゆは、わりとたっぷりめにかけていたような気がする。旨そうに酒を口に含みながら、チビリチビリとつまんでいた。
 今は、ちょっと固いが、プシュっとプルトップを引き上げれば、蓋が簡単に本体から外れる。テレビのスイッチを入れた。Jスポーツはサッカーをやっていなかった。原稿を書いた後、ボーっとサッカーを見ながら、お酒を口に運んでいると、だんだんに頭がほぐれる。<少しまわってきたかな>というあたりでフトンに潜り込むのが、翌朝も調子がいいのだが、たいてい<もうちょっと>と欲心が動いて、1、2杯余計に飲んでしまう。しかし、この「鹿」はわりと抜けがいいので、それほどの影響は残らない。<抜けがいいから大丈夫>と思って、テレビにはまって、3、4杯余計に飲ってしまうと、午前中はちょっとお休み状態だ。そんなテレビ番組も夜中にある。
 1チャンネル(NHK総合)に回すと、「MUSIC BOX」と画面の右下にテロップが表示され、1960年代の映像とともに、同時代の歌謡曲が流れてきた。<「みんなの歌」の回顧バージョンかな>と思ったが、5分たっても終わらない。懐かしいメロディーのバックには、昔の映像が流れる。映像に写っているのは、一般の人々。庶民の生活を撮ったものだ。パーマ屋さんでパーマをかけてもらっている女性たち。タバコをくわえて、ペディキュアをしてもらっている女性。銀座のクラブの開店前の朝礼。入ってくる恰幅のいい男性とお客さんらしい男性。ポンチョのようなユニフォームを着たホステスさんがビールを運んできて、恰幅のいい男性に注ぐ。連れの男性にもビールが注がれる。恰幅のいい男性は、連れの男性のグラスが満たされるのを待つでもなく、ビールを口に運ぶ。ビールの銘柄がわからないように、ラベルの方が、カメラの反対側にくるように撮られているのが、昔も今もNHKという感じで笑えた。「世界の機上食が食べられるレストラン」もあった。スチュワーデスの格好をしたウェイトレスが、飛行機の客席のように並べられた椅子に座った客のテーブルに食事を運んできて、ワインやビールも注いでくれる。<このお店の食事代、当時の平均の給料、このきれいなスチュワーデス(の格好をしたウェイトレス)の時給がいくらくらいだったんだろう。もうひとついえば、この頃、国の借金というものはいくらくらいあったのだろう>なんて思ってしまう。とにかく、次から次へと、庶民とその生活の場である街の息吹を撮った映像が流れ、当時の流行歌がそれにかぶさる。それが飽きない。
 改めて、映像というものは貴重な情報資源だと思った。当時の生活文化の日常が写されている。浴衣を着て、花火に興じる家族。消えてしまった花火を惜しむようにみる子供の眼。マンションのベランダのビニールプールで水遊びに興じる兄妹。妹は、人形の頭を洗ってあげている。自分がいつもそうされているからだろう。それを見守る父親。母親は買い物にでも出かけているのだろう。ツイストに興じる若者たち。海水浴場のスイカ割。水着美女の写真撮影会。映像は、すべてモノクロだが、人々の表情を伝える。
 <誰が、何のために撮ったのだろう>と思った。そして、<誰が、映像を保管し、それを誰が見つけ、誰が編集したのだろう>と思った。おそらく撮ったのは、無名のNHKカメラマン。でも実は、それは誰でもいいのかも知れない。人々の息吹を、日常を、後世に伝えようという思いが、重要なのである。無名のケーブルテレビのカメラマン。でも、思いのこもったその映像が、人々に何かを伝えることは、NHKであろうとケーブルテレビであろうと同じだ。証左として、これまでもケーブルテレビは地域をテーマに、人々の胸を打つ番組を輩出してきている。これからも生まれるだろう。そういった作品をいつでも見られるような「ケーブル・アーカイブ」の誕生を期待したい。(い)


【目次】

◆1.大阪府全域でケーブルテレビ整備が完了――三重県、富山県に次ぎ、全国で3番目
◆2.近畿総合通信局 有線放送課長 飯倉主税氏 インタビュー抄録
   <どれだけのお客様を持っているかということが勝負の分かれ目>
◆3.光ケーブルTVサービス「K-CAT eo光テレビ」がサービス提供エリア拡大
◆4.ケイ・オプティコム、世界初!テレビ向けゲーム・オン・デマンドサービスを開始
◆5.フレッツユーザー向け映像配信サービス「オンデマンドTV」で多チャンネル放送サービスを
    開始
◆6.スカパー!が「グリッド・コンピューティング」を応用し多チャンネルIP映像配信
◆7.スカパー!がプライバシーマークの認定取得
◆8.スカパー!が株式会社インデックスと資本提携
◆8.ゲオ・ビービーが「ゲオ@チャンネル」のサービス開始
◆9.第1回「社団法人日本ケーブルテレビ連盟ケーブルテレビ事業功労賞」発表

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