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第235号 「市場でゆっくり芽を出すHDD内臓DVDレコーダー」
[2005.08.27号]
昨日は、男二人で、有楽町のガード下の「金陵」で飲んでいた。コンテンツ業界の彼に、コンテンツの側から見て、従来からのケーブルテレビやスカパー!、それに新しく加わってきたIP放送などのプラットフォームをどのように評価しているのか、というような話を聞かせてもらった。いろいろこちらの知らない視点からの意見があって、なるほどと思うことが多かった。飲んで忘れてしまうのがもったいないので、賑やかな場所ではあったが、テープを回すことにした。「生おかわり」という声も入っている。
「金陵」という店に初めて行ったのは、もう28年くらい前になる。高田馬場に住んでいる学生の頃、バイトの休みの日に、たまに銀座というところにでも出掛けてみるか、とやってきて、手持ちの金をみると、どうみても焼き鳥やにしか入れない、しかし、道端にイスとテーブルを並べた焼き鳥やはちょっと居心地が悪い、というので、入ったのが金陵だった。それから、自分で勝手に馴染みの店にして、若い頃は、よく行った。
ある時、カウンターでひとり飲んでいると、アメリカ人が隣に座った。しばらくして、話をしてみると、ウェスティングハウスの会計監査人であった。「世界を飛び回って不正がないかを調べて歩くのが仕事。商売柄、一緒に飲もうなんてヤツはいないのさ」とちょっとニヒルさをかもしながら言っていた。その彼は、借金の出来ない方法を教えてくれた。「Live within your income」と。おっしゃる通り。しかし、それを実行するのはなかなか難しい。
ここしばらくは(5~6年)、この一帯には足を踏み入れていなかったが、最近何度か行くようになった。シードプランニングという調査会社の鈴木紀夫さんの水彩画展の帰りにも足を運んだ。その時は、女性3人を引き連れて金陵の近くの「ねのひ」に入った。大串でたいへんおいしく、女性陣にも好評だった。驚いたのは、この日の「ねのひ」には老若男女が次々と訪れては消え、訪れては消えしたことだった。日曜日の夕方だったが、回転がいいのだ。しかも、若い女性も多い。近頃の若い女性は焼き鳥やなんて足を向けないのだろうと思っていたので、新鮮な感覚で目に映った。まるで、映画のワンシーンを見ているようだった。昨日も、夕暮れ時のガード下に若い女性の姿がチラホラする。焼き鳥文化は、根強く生きているな、なんて安心した。
ビールを飲みながら、いろいろと話を聞いた。いくつかを紹介すると、「ケーブルテレビ業界もプロパー社員で長い人はもう20年くらいになる。現場から叩き上げたプロパーの役員がもっと増えないと業界が成長しないのではないか」
「ケーブルテレビの社長職が、親会社の天下り先になっているところもある。いきなり他業種から来て、社長をやるといっても、そう簡単にこなせるほどケーブルテレビ業界も甘くはない。そうなると、まわりの様子をみてから、判断しようということになって、結局、『現状維持』で、何も新しいことには挑戦せずに去って行く。しかし、その間、他の競合事業者は、着々と歩を進めているわけで、その遅れは、取り戻せない。アナログの時代は、半年遅れはなんとか、挽回できたが、デジタルの時代になって、半年遅れは、もう絶対に追いつけない。先手先手でいかなければ、個々の事業者も、ひいては業界全体もジリ貧になってしまうのではないか」
「日本の多チャンネル市場は、そうそう増えない。ケーブルテレビが生き残るとすると、今、加入しているお客さんを確実に逃がさないことだ。設備投資と回収はお客さんが長く加入してくれることを前提にしている。長く入っていてくれるお客さんを大切にしないと。」
「ケーブルテレビとコンテンツは車の両輪といわれてやってきているが、きちんとコンテンツに対価を払ってくれる事業者はそうそう多くない。基本的に、いつも叩かれる。結果としてサプライヤーもよいコンテンツが買えない。あるいは制作にお金がかけられない。しかも、ケーブル事業者は、安いものだけを買い揃える傾向がある。特に、自分のいる時は赤字にしたくない社長さんがいる場合は顕著。したがって、長い間に、お客さんの不満がたまって、何かの機会にやめていく。競合にとっては、そういうお客さんの不満はチャンス。将来的に、コンテンツを提供する側だって、リーズナブルな料金を払ってくれるプラットフォームによいコンテンツを提供するようになるだろう」等々。
そして、例によって、最終電車まで飲んでしまいました。(い)
【目次】
◆1. 巻頭言 「全ての地上波デジタル中継局整備のロードマップ策定作業が始まった」
◆2.キャッチネットワークで、碧海・西尾幡豆市民放送局「チャンネルDaichi」がスタート
~「出る人」も、「撮る人」も、「作る人」もみ~んな市民!!~
(1) 「市民チャンネル」をスタートする条件が揃っていた (2) 経営者の覚悟、ケーブル局内の情熱を持ったスタッフ、その局の情熱を理解してくれる市民側の代表者の3つがまず成立の条件 (3)市民が伝えたいことを伝えたいだけ放送する「チャンネルDaichi」 (4)改めて感じる「口コミ」の強さ (5)放送内容は、市民放送局の趣意書を鏡に自主判断 (6)市民チャンネルは、ケーブルテレビの「新しいサービス」としての位置づけ (7)地域の人達はソフトを自分達で作ることができることを経験する (8)ハイビジョンの地域アーカイブスも夢ではない (9)市民放送局に地域情報が自ずと集まるようになる (10)市民放送局は、「地域深堀り体験」
◆3.【2005.7.28】ジュピターテレコム2005年度中間期決算説明会<質疑応答>
◆4.【2005.7.28】スカパー! 社長定例会見<質疑応答>
◆5.ケーブルメディア四国が、ビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスの実証実験を開始
◆6.(株)STNet、JS-HITS利用でデジタルサービス開始
◆7.徳島市における『ピカラ光てれび』の提供開始について
◆8.MediaCatインターネットサービス 低価格帯の新メニュー「ジャスト」提供開始
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