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第242号 [コンテンツは、有料か無料か、放送かVOD か、の時代]
[2005.12.27号]
GyaO が遂に500万加入を達成した。次なる目標は、1000万登録である。それをめざして、様々な連携が進んでいる。新しいコンテンツを生み出す「素材」の発掘のためのファンドも作られた。
「GyaO「はうまくいかないよ。ネットワークの費用やコンテンツの調達費用にコストがかかりすぎるから」という意見もたまに聞く。が、そうだろうか。うまくいくと思うのだが。
テレビの双方向は、なかなか現実のものにならないが、パソコンを利用したインターネットでは、もともと双方向が基本であるから、利用者の多くは、それに慣れてしまっている。そういうライフスタイルというか、習慣付けが出来ている。
そこにきて、パソコンで、無料や有料の映像コンテンツを楽しめる、という流れが出て来てしまった以上、この流れは止まらないだろう。ブロードバンド環境を享受している世帯は、わが国で2000万世帯を超えており、利用している人は、少なくとも5000万人はいるだろう。そして、少なくとも無料だったら、何回かはアクセスするだろう。
9月に、GEOBBに取材に行った時に、対応してくれた秋庭隆司さんと、「素人やアマチュアの作った10分くらいの映像をサーバーにいれておいて、視聴者に良し悪しを判断してもらう。いい作品を何度も作る人の作品は、10分シリーズを5本とか6本とかまとめて、CDにして販売したら売れるだろう」というような話をしたが、どうも孫さんのところもそういうことをやるようだ。
昔、子供の頃、クレヨンや絵の具で、絵を描いた。それしか、絵の表現手段が無かったからだ。今は、コンピューターで、画像を作ったりするのは、あたりまえだ。現実には絶対に撮影できない
場面を作れるから、映画ではあたりまえの技術になっている。
デジタルビデオカメラも価格が安くなって、多くの人が、映像を撮影するようになっている。そのほとんどは、記念撮影であろうが、中には作品を作りたいという願いを持っている人がいる。
市民チャンネルを放送している愛知県のキャッチネットワークの話を聞いても、市民チャンネルに参加している人、あるいは市民チャンネルで番組を放送して欲しいと相談に来る人の中には、映画が作ってみたい、という人がいるという。
これは、何も愛知県のキャッチネットワークのエリアに限ったことではあるまい。チャレンジしてみたい、という人は全国にいるはずだ。
ただ、作っても、流れるところがない。自分で、「インターネット放送局」を立ち上げて、「エヘン」と胸を張っても、視聴者がアクセスしてくれなかったら、面白くない。その点、ある一定の枠組みに応募すれば、めちゃくちゃいわれるかもしれないが、それはそれで刺激であるし、成長のためのワンステップである。万が一にも専門家の目にとまり、映画監督への道が開けないとも限らない。
そうした「ウィンドウ」があることは、は、GEOBB であろうと、TV バンクであろうと、ケーブルテレビの枠組みであろうと、存在することが望ましい。表現の場があることは、良いことなのだ。
と書いたところで、FAX がピーと鳴り、スタッフがペーパーを持ってきた。見ると、スカパー!の緊急記者会見。「スカパー!、オプティキャスト、NTT東西で、映像配信サービスの販売専門会社の立ち上げを準備をしていたが、いよいよ立ち上げます」という記者会見だ。
22日夜、あるところで会ったNTT 東の方が、今、スカパー!さんと販売会社の立ち上げを行なっているといっていた。その時もう大勢が出来上がっていたのかもしれない。あるいは、連休返上で、まとめを急いだのかもしれない。
GyaO に続き、TVバンクが無料に参入してくるわけだから、NTT・スカパー!連合だって、光のインフラに、スカパー!多チャンネル、地上デジタル放送再送信、そしてブロードバンド多チャンネル(アイキャスト)、VOD(オンデマンドTV)を載せて、営業を展開しないと、先にお客さんを取られてしまう。
それにしても、チャンネルという概念が崩れて、コンテンツが一人歩きするようになって、そのコンテンツが、無料か有料か、放送で流れるのか、VODでみられるのか、といった売り方のセグメンテーションが、重要になってこよう。(い)
【目次】
◆1. 第18回「ケーブルマン・オブ・ザ・イヤー2005」授賞式開催
◆2. 「次世代IP ネットワーク推進フォーラム」設立
◆3. 「デジタル放送推進のための第6次行動計画のポイント」
◆4. BSデジタル委託放送業務及び委託国内放送業務の認定
◆5. 完全無料ブロードバンド放送「GyaO」の視聴登録者数が500万人を突破
―年内目標数を達成!早期に1000 万人獲得を目指す
◆6. 「GyaO」にて新年特別番組
―日本武道館で開催の藤井フミヤのカウントダウンライブ完全独占“生放送”
◆7. USEN が投資ファンド設立
◆8. ソフトバンクとヤフーが合弁事業を開始、動画コンテンツサービス事業を強化
―「Yahoo!動画」が、無料を中心とした10万本の動画コンテンツのポータルへ
◆9. 「オンデマンドTV」チャンネルサービス拡充!!
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