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第249・250合併号 「桜前線北上中。ワンセグ人気上昇中」
[2006.03.30号]
今、ファミリーマートの「おつまみシリーズかんぱい屋」というブランドの「ピリッと焼きするめ」(128円税込)にはまっている。この商品を初めて手にしたのは、昨年の9月29日の深夜、唐津第一ホテル近くのファミリーマートだった。翌日は、唐津ケーブルテレビジョンの取材があるので、早めに休もうと思ったが、どうにも寝付かれない。しかたなく、もう一度着替えて、寝酒を調達に出かけた。そこで、手にしたのが「ピリッと焼きするめ」であった。部屋に戻り、するめを引きちぎりながら、缶チューハイをグビグビやって寝てしまった。
朝起きて、カーテンを開けると、確かに、ケーブルテレビが100%近く普及した唐津市内の家々の屋根の上には、きれいにアンテナがなかった。その向こうに青い空が広がっていた。
以来、ファミリーマートを見つけると、この「ピリッと焼きするめ」を2つ3つと買い込むようになった。夜中、スポーツチャンネルを見ながら、ビールやお酒を飲むのにちょうどいいつまみなのだ。
家の近くは、デイリーヤマザキの勢力が強く、ファミリーマートの店舗は見当たらない。切れてしまった時に、しかたなく、ヤマザキで調達したのだが、100円くらいで安いが、少し大きめのするめが1枚しか入っていない。これでは、物足りないのだ。なくなってしまって、何か物寂しい。
その時、<ああ、今度、「ピリッと焼きするめ」に出会ったら、できるだけ多く買い占めておこう>と心に深く思ったのであった。これが、2月の頭くらい。
それから、隣の稲毛海岸の駅前にファミリーマートがあるので、銀行に行くついでに、5袋くらい買って来ていた。しかし、3月に入ると、異変が起きてきた。
稲毛海岸のファミリーマートに行っても、この「ピリッと焼きするめ」のストックが少なくなってきたのだ。いつもは、10袋くらい、「買ってくれヨ~」ってな感じで、ぶら下がっていたのに、3袋しか残っていない。
「売れる、というのはこういうことか!」と思うくらい、何か、神々しい輝きさえ帯びてきている。すかさず、残っていた3袋を手にレジに急いだ。
3月20日。いつものように、銀行に行った帰りに、ファミリーマートにより、いつものように、おつまみシリーズかんぱい屋の各種商品がぶらさがっているコーナーにいくと、ない!ないのである!
この間から、うすうす感じていたことは、やっぱり、正しかったんだ。そう、みんな、この「ピリッと焼きするめ」が、旨いことに気が付いてしまったのだ。それが、証拠に、他の商品は、ずらりとならんで、「こっちも旨いんだヨ~。お願いだから、買ってくれヨ~」という感じで、ぶらさがっている。
しかし、「ゴメン。ピリッと焼きするめの味を知ってしまった以上、ピリッと焼きするめじゃなきゃ、ダメなんだ」と足早に店を出る。
その日午後、五反田の日本ケーブルテレビ連盟で記者発表があって出かけた。駅から連盟まで、道すがら、ファミリーマートを目が探している。
<ローソンじゃあ、ダメなんだ。ファミリーマートじゃないと>
記者会見が終わって、来た道と、違う道を帰る。カラオケスナック「愛」の路地の手前に、こぶりのファミリーマートを見つけた。小躍りするように勢いよく店に入り、おつまみコーナーに走る。しかし、ない!ないのだ!「ピリッと焼きするめ」だけ、ないのだ。
だんだんこうなると、禁断症状になってくる。頭の中では、<五反田の近くで、どこにファミリーマートがあったろう。家に帰る途中で、どこかにファミリーマートがないだろうか>と考え出す。
<確か、電波新聞の側に、あったような>と思ったが、頭の中では、<五反田から、山手線に乗り、品川で乗り換えて、総武快速で、稲毛に行こう。あそこにあったと思う>と腹をくくって、東京方面のホームに立つと、正面にファミリーマートが見えた。
<やっぱりあった。行ってみればよかった>と思うが、さすがに今さら駅を出るのも面倒。
<今度、ここに寄ろう>と滑り込んできた電車に乗り込んだ。
稲毛の駅で降りて、駅前をみたが、ファミリーマートのネオンサインは見当たらない。
<おかしいな~>と思いながら、<しかたない、今日はあきらめて帰ろう>とバスを待つ列に並ぶと、ネオンサインが見えた。
<やっぱり、あった>と急いで、駆け込んで、おつまみコーナーへ。3袋残っていた。全部手にして、レジに行き、帰りのバスに乗り込んだ。
<今度、ファミリーマートがあって、ピリッと焼きするめがあったら、全部買い占めよう>と決意して。
桜の季節なのだ。お花見の季節なのだ。
コンビニでお酒を扱うようになって、コンビニ各社が、「お酒を売るためには、おつまみも充実させなければ、売れない」ということで、おつまみの商品開発に力を入れたのだ。その結果、どのコンビニに行っても、おつまみコーナーが充実している。
おつまみを買って、振り返れば、お酒コーナー。お酒を買って、振り返れば、おつまみコーナーなのだ。そして、よそのコンビニはしらないが、このファミリーマートのピリッと焼きするめは、今や、ヒット商品なのだ。
おととい、銀行の帰りにいつものファミリーマートで5袋全部買い占めてきた。まだ3袋残っている。ああ、ファミリーマートの戦略にしっかりはまって、今夜もピリッと焼きするめ。
そういう人が、筆者以外にも、たくさんいるのだろう。
ああ、なとりさん(メーカー)、ファミリーマートさん、品切れにならないように、量産してください。何しろ、花見の季節なのだ。みつけたら、全部買い占めないと、なくなってしまうのだ。(い)
【目次】
◆1. いよいよ始まるワンセグサービスは地デジ普及と理解の牽引役
■ 2006年は、地上デジタル放送の普及促進の正念場
■ 各局独自の展開を図るワンセグサービス
■ 第7回総会で決議された重点活動項目
◆2. 覆面放談会:携帯電話が迎えた新しい発展ステージ「ワンセグ」サービス
■ 1年で市場の半分はワンセグ端末に替わるだろう
■ 「カメラ付き携帯」を凌ぐ普及スピード
■ ユーザーは便利。メーカー、キャリアの儲けは少ない
■ ギャップフィラーの「(ベストエフォットの)あまねく」設置が課題
■ やっぱり、どうするデジタル放送の録画問題
■ VOD感覚の視聴スタイルのニーズは大きい
■ モバイル端末も携帯も高画質化が今後のトレンド
■ ワンセグとデジタルTVは別物
■ 世界の潮流は、IP放送
■ 厳しい日本メーカーの先行き
◆3. クアルコムとVerizon Wireless、全米でのMediaFLOによるモバイル・リアルタイムTV配信サービス計画を発表―MediaFLOにより携帯電話に高品質のビデオコンテンツを配信
◆4. ジュピターテレコムのグランドスラムサービスの展開
―加藤徹 取締役商品戦略本部長に聞く
■ ハイビジョンがデジタル加入の切り口
■ VOD利用層の裾野をさらに広げるのが課題
■ 地域コンテンツへのアクセスはけっこう多い
■ VODサービスでシナジー効果を創出
■ ARPUの向上に寄与するバンドル率の高さ
■ 2台目、3台目の携帯電話市場に期待
■ ホームネットワーキングに注目
■ 実効速度の速いc.LINK
■ 今のところテレビがIPになっても新規のサービスは見当たらない
◆5. J:COM TV デジタル「インタラクTV」を全局で提供開始
― テレビ画面で生活に役立つ情報が得られる双方向サービス
◆6. J:COM TV デジタルの新サービス「HDR」を全エリアで展開
― ハイビジョン録画対応のHDD 内蔵型STB が初登場
◆7. J:COM NET でSNS を活用した番組別オフィシャルコミュニティサービスを展開
◆8. J:COM NET ハートフルパック提供開始
― 福祉支援を目的としたインターネット割引サービスを導入
◆9. ジュピターテレコムとイオン、メディア・販売分野における包括業務提携で合意
― J:COM の双方向メディアとイオンの販売・顧客基盤を相互活用
◆10. テレビ向け高品質ブロードバンド映像配信サービス「ASAHI ネットTV」の提供開始
◆11. 宇都宮ケーブルテレビが「オンデマンドTV」の取次業務を開始
◆12. ミステリチャンネル、イメージキャラクターにタレント「竹内海南江」を起用
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