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第288号 「あれもこれも、みんな上がる。へこむ財布に、減る貯金。」
[2007.11.27号]
パナソニックのHDD内蔵STBが家にやってきたのが、8月17日。しばらくは、デジタルに慣れなかったが、9月、10月、11月と3ヵ月も経つと、すっかりデジタルで、HDD内蔵STBで、簡単予約して、タイムシフトで夜中にテレビを見る、というのが当たり前になってきた。9月くらいには、ミステリチャンネルや朝の連続テレビ小説「どんと晴れ」の最終週などを録画した。そのうち、HDDが満杯になって、そうか、ここから先は、パナソニックの録画機器を購入して、残しておきたいものは、そちらに移さなければいけないのか、と新しいデジタル家電の購入の算段を目論んでいるうちに、何かと忙しくなり、そのうち頭の中から消えてしまっていた。それほど猛烈に録画して、撮っておきたい、という欲望まではないのだろう。それでも、夜中にBSやCSを見ていて、これ撮っとこう、と思って録画キーを押すと、「いっぱいです」と表示が出ると、古いものを消して、録画することもあった。ただ、古いものを消すキー操作を忘れてしまっていて、あちこちボタンを押して、何回かトライしているうちに、ようやく正しい操作に巡り合ったという感じで消去して、新しいものを録画した。しかし、次の時は、また忘れている、という調子で、これはけっこうたいへんだなあ、と思った。
一番困ったのは、長時間デジタル放送を見た翌日、東京などにいって、向こうから幅広の顔の人が歩いて来ると、自動的に、顔の横幅を圧縮して見るというような、視覚の動きが出てきたことだ。たいてい玉子型の顔の人が多いから、そういう人たちは大丈夫なのだが、そういう人たちの中に混じって、いわばスターウォーズのヨーダ顔の人が現れたりすると、本物の顔の上に、横幅を圧縮した顔がダブって見えたりする。
これは、早めにデジタルTVを購入しなければいけないかな、とは思うが、先立つものはもちろんだが、壊れていないテレビを買い替えるというのも、何かもったいない。
そういえば、外資系の証券会社出身で、今は不動産関係の仕事をしている一つ下の親戚の男性がいる。かなりの稼ぎがあるようで、体も大きいが、家もでかい。昨年の暮れに飲みに行った時に、長男(アメリカ留学中で帰国していた)、長女(大学一年生)、次男(高校一年生)が、食事を終えて、テレビの前で、アニメ番組に見入っていた。大きなリビングの片隅にあった小さなテレビは、相当の年代もので、画面の写りも色も、これで見てたら、目を悪くするだろう、というような代物だった。
「テレビ、買い替えたら」といったが、「まだ見られる」という返事が返ってきた。何かポリシーを持って買い替えないのかもしれないから、それ以上は突っ込まなかったが、奥さんは、もっといって欲しそうだった。
その奥さんが、最近実家に行って、父が捨てようとしていた古いテレビを「今度来る時もらって帰るから捨てないでおいて」といったというから、昨年のテレビは、まだリビングの片隅で光を発しているのだろう。色がほとんど出ない、ということだから、どんな具合になっているのか。完全にブラックアウトになるまで、買い替えないかもしれない。まあ、そこまでこだわりはしないまでも、壊れるまでは買い替えない家庭も根強く多い。買い替えられない家庭も増えるだろう。
このところのガソリン価格の上昇、食料品やビールなどの値上げは家計を圧迫するから、この年末の家電商戦は、思ったほど伸びないかもしれない。もちろん、買える世帯も多いから、それなりに伸びるであろうが、それほど裕福でない高齢者の世帯では、わざわざデジタルTVに買い替える余裕はないだろう。
あるマンションの自治会の副会長を務めるNさんの話では、若い時にマンションを買った高齢者が年金生活をする中で、マンションの組合費が払えずたまってしまって、ルール通りでいえば家を処分して出て行ってもらうようなことに直面しているという。しかもそれが一軒だけではないという。強硬派と温情派の間に挟まってたいへんなようだ。Nさんは、明日は我が身かと思うという。
そう思うから、「そんなきついこといわんでもいいやろ~」と会合でいうと、「副会長のあんたがそんなんでどうする!」と詰め寄られるという。
「どうするんだ!といわれてもなあ~。オレだってわからんでヨ~。どうしたらいいんだ!イザワくん」おっとこっちに来たか。私に聞かれても、と思うが、予見しない政策というか、予見が当たらない政策というか、小さなことには目をつぶる政策というか。
これで、消費税が上がったらたまったものではないが、多くの国民は、ちまたでグチをこぼしながら、政府に向かっては声をあらげたりはしないんだろうな。声が聞こえなければ、「民意を得られた」ということになる。
高速道路の長距離料金が上がると、宅急便も値上げしなければやっていけないのではないだろうか。ああ、値上げの2008年が近づいてくる。
「ワーキング・プア」の時代の波はヒタヒタと押し寄せる。WPC(ワーキング・プア・カントリー)なんて略語が出てきたらいやだな。(い)
【目次】
◆1.<倉敷ケーブルテレビ・坂本万明社長>ロングインタビュー
ケーブルテレビは町を構成していくメカニズムのひとつ
――“人・物・金”をコミュニティ放送に集中し、突破型で生き残る
■ J:COM、JCN、CCJ、4番目は新聞系列の垂直統合
■ STBの値段がケーブル生き残りのポイント
■ ケーブルテレビは、町づくりの合意を形成するための道具
■ 小学生が、KCT情報センターで番組制作体験
■ “光ハイブリッド”効果を実感
■ 生き残っていくすべての要素をコミュニティ放送が背負っている
■ 2001年より、IDC事業を展開
■ 3年前の岡山IT国体で、県下のケーブルテレビ局が協力して全国にもネット配信
■ 『FM緊急告知ラジオ』を開発
■ 国産ジーンズ発祥の地で行われた「全員ジーンズの倉敷市議会」
■ 地域とともに生き残っていく
■ 100年ぶりに復活した倉敷の“屏風祭り”
◆2.Hit net TV!、ソフトバンクテレコムの固定電話サービス「ケーブルライン」を採用
~岐阜県高山市にて光インターネット・CATV・電話のトリプルプレイを実現~
◆3.NTT Comグループにおける映像配信事業運営に関する覚書締結について
◆4.高速広帯域光ネットワークで複数拠点へのコンテンツライブ配信を実現する
ODS(オンライン・デジタル・ソース)共同トライアルの実施
―「宝塚歌劇 花組公演 東京宝塚劇場千秋楽」を全国7ヶ所の映画館へ
光ネットワークで高画質ライブ配信
◆5.NTTコム、廣済堂、新しいWebマガジン配信モデルの提供でコンソーシアム設立
◆6.ソフトバンクとディズニー、協業による新たな携帯電話サービス
「ディズニー・モバイル」を日本で開始
◆7.NTTドコモ、緊急速報「エリアメール」を提供開始
―携帯電話で「緊急地震速報」が受信可能に
◆8.自己紹介文作成サービス「自己紹介工場」が170万PV/日を突破
◆9.サイバー・ネット・コミュニケーションズ、ケーブルテレビISP向け公衆無線LAN接続サービス
「ワイヤレスゲート」開始
◆10.第20回「ケーブルマン・オブ・ザ・イヤー2007」受賞者決定
贈呈式並びに記念講演会は、平成19年12月18日に日比谷のプレスセンターで
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