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第306号 「地デジ普及は、STBかアンテナかネットTVか。巻き入る秋」

[2008.09.01号]

 父の初盆が終わると、翌週は、マンションの改修工事であった。
 このあたり、千葉海浜ニュータウン検見川地区では、千葉県の外郭団体である京葉都市サービス(株)が、集合住宅やマンション等の熱供給事業(冷暖房・給湯用熱の販売・供給)を行なってきた。ネットで調べると、資料には、昭和47年11月24日の設立とあるから、ちょうどこの辺りが埋め立てられ、4階から5階くらいの集合住宅が相次いで建設される際に、熱供給事業に乗り出したことになる。その後、ここ15年ほどの間には、この辺りにも中・高層のマンションも建設されるようになった。そういった新興のマンションにも京葉都市サービスが給湯を行なっているのか、あるいは東京ガスが入っているのか、詳しいことは知らない。建設される土地の権利関係によって、京葉都市サービスを使うことが条件の場合もあるのかもしれない。
 当時、東京オリンピックが終わり、高度経済成長の中で、首都圏に集中する人口を吸収するために、千葉の埋立地に建設された集合住宅や戸建て住宅には、熱給湯システムは、なくてはならないものであった。台所や風呂の給湯は必ず使うものであった。マストであったのである。
 しかし、冷暖房は、それほどでもなかった。他に選択肢があった。夏は、扇風機を使えばいいし、そのうちクーラーが出て来た。冬は、石油ストーブがあったし、電気ストーブだってある。そのうち冷暖房機器が各戸の概ね各部屋に設置されるようになった。
 この賃貸マンションに引っ越してきて、早10年になるが、京葉都市サービスの冷暖房機器を使用しているというお宅の話を聞いたことがない。聞くのは、「みんな使っていない」という話ばかりだった。理由は簡単で、料金が高いからである。供給している地域が限られているから、規模のメリットがだせないという、事業構造そのものの欠点は、いかんともしがたい。通常の台所や風呂の熱給湯は、使わなければならないので使ってきたが、高いという不満は、どの世帯にもくすぶっていたようだ。台所や風呂だけでも高いのに冷暖房まで使ったら生活ができなくなるから、使ってこなかった。しかし、台所や風呂の熱給湯も、京葉都市サービスにさよならする時がきたようだ。某金融筋情報によれば、京葉都市サービスの事業が立ち行かなくなり、つぶれる(県が事業をやめるということだろう)という話は、昨年の春先からあったようだ。
 熱給湯システムがなくなってしまっては困るので、このマンションも熱給湯システムの大幅改修をし、東京ガスを中心としたシステムを導入することになった。今年の春先から半年をかけて4棟約400世帯の各戸の熱給湯システムを改修するという大工事である。一戸あたり4日間かかり、我が家は、8月20日から23日まで。
 それまでに、床をひっぺがす部屋の片付けをしなければならない。近くにもう一部屋借りていた事務所をたたんで、SOHOにしてから早6年。捨てられない資料は、あちこちに積まれている。つくりの柔い本棚は、真中が本の重さでしなってきてしまっている。
 米国や欧州の衛星・ケーブルイベント、米国のAFCI(アソシエーション・オブ・フィルム・コミッション・インターナショナル:米国に本拠地を置くフィルム・コミッションの世界組織)のイベント資料に始まり、日本の20数年前の「ニューメディア時代」からの資料が捨てられずに段ボール箱に入って積まれている。
 しかし、いいかげんスペースがなくなってきていることも確かである。このままだと資料の詰まった段ボール箱の間に眠るようである。「この際……」と思って、捨てられるものは捨てる決心をしたものの、取捨選択をしていては、工事日までに間に合わない、ということに作業を始めて気がついた。しかたないので、とりあえず、まだ少し空間のあった部屋に、片っ端からほうりこんだ。
 そして、20日。工事が始まる。部屋の中の工事であるので、立ち会うことも条件の一つである。テレビやパソコンに始まり、様々な電気製品が、コンセントに繋がっているから、コンセントを抜くにしてもいちいち確認をしてくる。まあ、あたりまえでしょうが。
 工事は、朝の9時から午後4時過ぎまで。昼は、1時間。工事の最中は、ずっと歯医者のイスに座って、歯を削られているようであった。
 喩えていえば、セガのカプセル型のアミューズメントマシーンに乗り込んで、その中で1日中、歯を削られている、という感じだ。だから、工事が終わっても、頭の中ももちろんだが、体全体に歯が削られている振動が残っていて、夕方から机に向かって、原稿を書こうという気持にはなれない。テレビをつけて、ビールを飲みながら、オリンピックの女子ソフトボールの豪州との3位決定戦の熱闘を見ているうちに振動は収まってきた。
 翌21日も、激しい工事が行なわれたが、夜、ビールを飲みながら米国との女子ソフトボール決勝を見ているうちに振動は収まってきた。
 22日は、韓国との決勝を工事の騒音の中、見ていたが、見事に負けてしまった。23日も、先行したが、なんとなく嫌な予感がして、解説者が「タマが走っていない。気をつけた方がいい」といった次の瞬間、4番に同点ホームランを打たれてしまった。あとは、競り負けた。
 工事が終わって、大きく変わったのは、お風呂の「追い炊き」ができるようになったことだ。これまでは、冷たくなった風呂の水をだいぶ流して、給湯が冷たい水からお湯になるのを待って、それで、風呂にお湯を足していた。無駄な水量を使っていたことになる。追い炊きすることによって、だいぶ使う水の量は減るかもしれない。
 それにしても、よく降る雨である。このままノアの箱舟のようになるのではないか、と心配になる。
 振り返れば、まだ片付かない段ボールの山。今年の夏のお土産になりそうだ。(い)


【目次】

◆1.地域密着のケーブルテレビならではのネットコンテンツの開発を
◆2.IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース発足
◆3.『ビエラリンク』機能を搭載のリニューアルモデル「ビエラリンク対応CATVデジタルセットトップ
    ボックス」4モデル※1を10月発売。ビエラのリモコン一つで簡単操作
◆4.地上デジタル放送完全移行に向けた新エントリーモデル「CATVデジタルセットトップ
    ボックスTZ-DCH821」を発売。新型リモコンとビエラリンク機能※1で操作もカンタン
◆5.姫路ケーブルテレビ、KDDIとの提携により固定電話サービス開始
◆6.「株式会社ジェイコム福岡」が誕生
◆7.「チャンネル銀河」秋の改編。ドラマ、時代劇などの国内ドラマを強化
◆8.コンテンツ学会設立総会・シンポジウム開催
◆9.キッズ映像制作プロジェクト「ガキネマ」『アニマルムービーワークショップ』開催
    ~こどもたちが動物園の映像素材でオリジナル作品を制作~
◆10.『日本インターネット報道協会』設立
◆11.「スカパー!光」埼玉エリアにおけるエリア拡大および
    「スカパー!光ホームタイプワイド」郡山エリアでのサービス開始
◆12.「Ameba(アメブロ)」の月間アクセス数50億PV突破、会員数は350万人に
◆13.「Ameba(アメブロ)」のブログ製本サービス「アメブロde本」をリニューアル
◆14.9月19日、NPO法人<日本メタデータ協議会>主催のイベント開催
◆15.ビデオサーバー市場の収益は2013年に15億ドルへ
◆16.MPEGビデオ向け半導体市場はモバイル機器が接続型製品を上回る
◆17.リビングルームに進出するオンラインビデオ:ユーザーインターフェースはウェブ技術へ移行
◆18.デジタルテレビサービスが増加し、セットトップボックスの出荷数が急上昇
◆19.「平成20年度ケーブルテレビ研修」『秋一人3役~企画、撮影から編集、原稿まで~』

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