1. クリエイティブ・ビジネス・エージェンシーTOP > 
  2. cbaニュース > 
  3. 第308号 「次世代のネット社会のインフラとして、注目を集めるP2P」

cbaニュース

第308号 「次世代のネット社会のインフラとして、注目を集めるP2P」

[2008.09.27号]

 飲んだビールの空き缶は、近くの関西系大型スーパーイズミヤに行き、地下1階にある回収ボックスに入れてくる。その数、1回に6~10。2、3日サボると、15~20になる。回収ボックスの中に、落とすとパカンパカンと軽い音がする。
 アサヒのドライをやめて、アサヒの極旨に替えたのは、今年に入ってからだ。アサヒのドライの500ミリリットル6本パックは、1500円ほどする。極旨は、1000円で、少しお釣りが来る。極旨は、発泡酒だが、筆者の感覚では、もう「ビール」に格上げになっている。
 回収ボックスの中を覗くと、およそ「ビール」と呼ばれる類の空き缶は、入っていない。ほとんど、発泡酒である。この夏、中元で贈られてきたアサヒのドライを持っていって、回収ボックスに放り込もうとした時は、ある特定の集団の中に異端児を投げ入れるような感覚になった。
 みんな発泡酒を飲んでいるのだ。若い人は、基本的にそれほどお酒を飲まないようだ。(もちろん、例外はいるが)飲んでも、カクテル系のものを飲んだりする。たまに、その系統の空き缶が混じっていたりするが、それは、まあ、花である。
 「みんな発泡酒を飲んでいる」ということは、春くらいから感じていたが、9月25日朝4時過ぎの「視点論点」で、武蔵大学の橋本健二先生が、「酔眼ながめて格差しる」というテーマで、1974年と2004年の国民の飲酒の傾向を分析して、格差の広がりを指摘していた。収入の多寡に応じて、5段階の階層にわけ、その5つの階層が1974年当時、そして2004年の段階で、どのようなお酒を飲んでいるか、という調査・分析である。
 1974年当時は、収入の多寡にかかわらず、中心になって飲まれているのは、ビール、日本酒。収入の多い第5階層では、ウイスキーも飲まれている。国民の多くが中流といわれた時代だ。そして、会社の同僚に、前夜、ウイスキーを飲んだなどというと、「贅沢をした」という感じが漂い、「何か副収入でもあったのか」と探られた時代である。
 30年後の2004年では、収入の多い第5階層では、ウイスキーも飲まれているが、収入が少ない階層になると、ウイスキーなどのお酒はほとんど飲まれない。
 横軸に収入の多寡による5つの階層を入れ込み、(飲みながらみていたので縦軸の基準がはっきりしないがいずれにしろ)縦軸には、どんなお酒を毎月どれくらい飲むか(お酒の量か、その金額だったか)という指標をとり、グラフ化すると、ウイスキー、ビール、日本酒、発泡酒、焼酎などの各階層による摂取の状況が浮かび上がる。5つの階層により、摂取するお酒の種類や量に違いが表れ、その格差が見事に表現されるのだ。30年前のビール、日本酒が中心で、国民のほとんどが中流だった時代とは、あきらかに違う結果となっている。
 もちろん、お酒を飲む人における格差ということになるだろうが、お酒に限らず、同様の格差が現実のものとなっていると橋本先生は指摘する。
 やはり、収入の少ない層になると、発泡酒や焼酎などが中心となっている。イズミヤの空き缶の回収ボックスは、それを如実に物語っていることになる。
 でも、収入が少ないというより、収入が上がらない、あるいは、ある時下がった時から以降、収入が上がらない、それに加えて、年金や健康保険の金額が勝手に上がっていく、というようなことが、「収入の少ない層」を作り出しているというのが事実ではなかろうか。
 そう考えて、イズミヤの空き缶回収ボックスを利用している、この周辺で暮らし、発泡酒を飲み、明日の活力を得ている人たちが、「収入が低い層」に当たらないと(自分も含め)思い込もうとしている。
 しばらくテレビを見ていると、「その第5階層でも、毎月お酒に消費する金額は、1万円を割り込んできている」と橋本先生。(それでいくと、ウチは、飲みすぎだ。お酒の消費量だけ、収入の伴わないアッパー6だ。)
「収入の低い層では、お酒を飲まなくなっている」とも。というより、飲めなくなっているわけだ。
「ささやかな庶民の楽しみが奪われるような格差社会は是正しなければ」という主張は、「私の趣味は「お酒」です。」と、自身のブログに書き込む先生ならではのまとめ方で、「そうだ!そうだ!」と、さわやかな朝の眠りにつけた。
 今、原稿を書きながら、先生の分析の考え方を利用して、収入の多寡を横軸に、どんなメディアにどれくらいの支出をしているか、を縦軸にとったら、どんな分布図ができあがるのだろう、と思った。(い)
*巨人が頑張っているのは、いいのですが、巨人が優勝すると、関西系スーパーイズミヤの「阪神優勝セール」がなくなるのでは、ないかと心配です。まあ、とりあえず、「応援ありがとうセール」があるか。


【目次】

◆1.NPO法人ブロードバンドアソシエーションP2P関連問題研究会が、「P2P基本提言」を発表
◆2.地域再生への取り組み。地方自治体とCATV・ISPがオリジナルコンテンツをモバイルに配信。
    動物園ライブカメラサイト「動物なにしてる?須坂市動物園てれび」スタート!!
◆3.LCVがワンセグ放送の技術実験
◆4.LCVが、ケーブルプラス電話を開始
◆5.J:COM オン デマンド 「NHK オンデマンド」配信番組決定!
    ~12 月 1 日、配信開始(予定)~
◆6.J:COM 独占!韓流エンタテインメント体感プレミアムイベント
    「J:COM PREMIUM KOREA FESTA 2008!」開催決定
◆7.日本ケーブルラボ 、韓国ケーブルラボと連携
◆8.光ブロードバンドサービス「フレッツ光」が1,000万契約を突破
◆9.携帯電話向けの高画質映像拡大技術を開発
    ―従来の端末拡大表示に比べノイズを抑えた高精細で綺麗な映像拡大が可能に
◆10.日産自動車、NTTドコモ、シャープ、世界初の「インテリジェントキー搭載ケータイ」を開発
◆11.「Ameba(アメブロ)」が日テレとコラボレーション
    ブログトークバラエティ新番組「アメカフェ♪」が10月7日から放送開始
◆12.「プーペガール」にて友人招待サービスを開始
◆13.「Ameba(アメブロ)」の仮想通貨「アメゴールド」モバイル版を開始。
     NTTドコモで「アメゴールド」の決済が可能に
◆14.モバイルインフラ市場:上昇するHuaweiと下降気味のAlcatel-Lucent
◆15.ブルーレイは勝利したものの、さほど順調ではない

cbaニュース一覧

有限会社
クリエイティブ・ビジネス・エージェンシー

〒261-0012
千葉県千葉市美浜区磯辺5-12-2-303


cbaニュースのご購読の申し込みは、電話かFAX、メールにてお願いいたします。 (担当:伊澤)

TOPcbaニュース視察ツアーセミナー・研究会出版物のご案内事業実績会社概要PHOTOSお知らせお問い合わせサイトマップ

Copyright (C) Creative Business Agency
PAGE TOP