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第325号 「静かに進行するケーブルテレビのコンテンツ流通連携」

[2009.06.30号]

 6月2日は、午前10時から12時までの2時間、砧にあるNHK研修センターで、新入社員を対象にした研修の最初の導入部の講義を行った。新入社員が対象だけに、「これからのケーブルテレビの明るい未来像を想像させる」ような内容という注文だった。「約束された明るい未来というものはないが、明るい未来を創造していくためには、みなさん方のような若い力が必要ですから、頑張ってください」ということで、講義を締めくくった。
 午後は、13時から17時まで、ある会議の記録をする仕事が渋谷であったので、急いでタクシーで駅に向かい、小田急線に乗り、下北沢で井の頭線に乗り換えて、渋谷に向かった。
 17時少し前に、渋谷の仕事が終わり、砧の研修センターに舞い戻り、18時からの懇親会に出席した。会はすでに始まっており、もうかなり賑やかになっていた。

 朝、教壇に立った時に、昨年までとは違う印象を持った。40人ほどの参加者で6割くらいが女性というのは例年変わらないのだが、すでにもう打ち解けた雰囲気を持っていた。まるで、昨日、すでに懇親パーティーがあり、「仲良くなっちゃったもんネ」という明るい雰囲気で、硬い雰囲気は、若干の男性の顔に浮かんでいるだけであった。元女子高に、男子が混じったような……。

 懇親会も、その流れが強かったが、さすがに1日教室で時間を共にし、緊張感も緩んだのか、男性陣もにこやかに会場を回り、女性とも男性とも名刺を交換していた。午後、中座していた筆者は、こわばった顔で、女性陣の輪に顔を出し、名刺を交換しては、男性のグループにも顔を出し、同姓ならではの雰囲気の中で、緊張感を解きほぐしていた。
 
 勇気を出して女性に話を聞いてみると、入社してまだ3ヶ月目という方がけっこう多いのだが、もうすでに3年選手ではないのだろうか、という雰囲気を持った女性がほとんどだった。精神的なたくましさを感じた。男性が弱くなったのかもしれないが……。
 
 山口県東部のあるケーブルテレビ局の女性は、デジタルでは、福岡のフジ系列(テレビ西日本)を区域外再送信しているが、加入者からは、アナログと同じように広島のフジ系列(テレビ新広島)が見たい、という電話がよく掛ってくる、といっていた。
 電波は、実際に出してみないと(何が起こるか)よく分からないと、いわれるが、地域によっては、地デジ化により、これまでの視聴スタイルからの変化を余儀なくされて、視聴者に混乱が起きているようだ。

 翌3日は、九州に飛んだ。今回は、博多から入り、武雄、熊本、延岡、大分のケーブルテレビ局を回って、博多に戻るという、九州一周の取材旅行を計画した。列車に乗り、車窓の風景を眺めている時間がけっこう好きなので、時間は掛かるが、決して苦ではない。
 
 ケーブルテレビのある地域では、アンテナがどれくらい残っているのかをチェックするのも楽しみの一つである。車窓からとはいえ、電柱とケーブルをよく見ていると、アンプがあったり、タップから引込み線が家々に延びているのがわかる。町全体に、「人の手の入った山とそうでない山」との違いみたいなものが感じられる。九州新幹線にも乗ってみたかった。
 
 博多の駅で窓口の若い女性に、九州を一周したい旨を話すと、博多から武雄温泉まで、と武雄温泉から熊本、鹿児島中央を通って、延岡、大分、博多までの通し切符を作ってくれた。
 切符が出来るのを待っていると、作業する女性の後ろに、別な若い女性が立ち、何か書類を確認していたが、そのうち右の方を向いて、プライベートな笑顔を見せ始めた。その視線の先には、(お客さんがいないので)窓口業務の合間に、後ろを振り返り、彼女と視線を合わせて、笑顔を見せる26、7の男性がいた。今夜あたり、飲みに行くのかもしれない。いや、夕べ、飲みに行ったのかもしれない。

 翌4日、武雄での仕事を済ませて、午後、熊本に向かう。鳥栖まで戻り、そこで乗り換えて熊本だ。遠くのホームで、女子高生が二人、駅そばをすすっていた。それが妙に様になっている。日頃から、空腹を満たしているのだろう。

 その夜は、ある方に、馬刺しや新鮮な魚をご馳走になりながら、積もる話に、お酒が進んだ。
 翌朝は、東急イン前から、熊本駅まで市電に乗った。市電に乗るのも好きで、各地の市電には機会があるごとに乗っているが、今回は、駅前までの短い乗車で我慢をした。

 駅前の区画整理の進む熊本駅の構内に入ると、よく通る声の年配の女性が、宝くじを売っていた。何か当たりそうな気がして、思わず買ってしまった。

 列車の時間まで、何か珍しいお土産はないかと探していると、遠くの方から、視線を感じた。目をやると、若葉マークを胸につけた若い女性が黄色い声で、商品の宣伝文句を少し照れ臭そうに繰り返していた。足を寄せてみると、丸いきんつばを売っていた。
 
 爪楊枝を刺して出された小片を口にしてみると、おいしい。しかし、1個100円で、おいしいが、それなりに値段もはる。ちょっと腰が引けた。寄っていった手前、何も買わないのもなんなので、おいしそうな赤飯のおにぎりの2個セットを買った。
〈おにぎりだけで申し訳ない〉と、彼女の視線を振り切るようにして売場を離れ、他の店先を覗いたが、結局、特段に目を引くものがなく、彼女の元に戻り、丸いきんつばを買い求めた。
 
 熊本駅は、新幹線ホームの工事が進んでいた。滑り込んできたJR特急リレーつばめに乗り込み、車窓の様子に目をやりながら、車内のワゴン販売のお姉さんが通り過ぎていって、また戻ってきたな、と思っているうちに、新八代に着くというアナウンスが流れてきた。通路の反対側に座ったおじいさんが、「ここで乗り換えるんですか?」と尋ねてきたので、「そうだと思います」と答えた。
 この「JR特急リレーつばめ」は、新幹線「つばめ」に繋がる特急で、新八代駅で、一度列車を降りて、ホームの反対側の新幹線車両に乗り換える、ということなのだが、熊本駅を出たあたりで、車内アナウンスではっきり「乗り換え」を繰り返して指示してもらわないと、初めての旅のものには、どうもピンとこない。
 アナウンスは、流れたのだが、「新幹線つばめが反対側に待っている」というようなところまでは聞こえたが、そのあとがはっきりしない。「乗り換えるんだろうな」と想像を喚起するに止まっている。走っているうちに、「乗り換える」というようないいようだったよな、と不安な気持ちになってくる。
 まあ、そうはいっても、ホームに着けば、みんなぞろぞろと反対側のつばめに乗り込むから、新幹線に乗る人は、みんなのあとをついていって、間違いはないのだろうが。
 日本全国をグーグルアース的に俯瞰すれば、アナログからデジタルへの乗換えが、多少の混乱を伴いながらも進んでいるんだろうな、と思った。(い)


【目次】

◆1.石見銀山テレビ、7月19日開局
   -世界遺産の町、島根県大田市に、遂に念願のケーブルテレビが誕生

◆2.“セグウェイ”&“WiMAX”が創る次世代シティコミューターへの軌跡~
    “モバイル&モビリティ”ビジネスコンソーシアム始動!

◆3.CATVグリーン電力普及支援ソリューションいよいよスタート!
    WiMAX&ケーブルテレビがバックアップする未来のグリーンエネルギー社会

◆4.世田谷区初のケーブルテレビレギュラー番組
    世田谷区が発信する世田谷区情報番組 『魅せます!せたがや』を
    イッツコムとジェイコム関東が共同で放送開始

◆5.月額サポートサービス「イッツコムあんしんサポート」の新設
    ~イッツコムライフを安心・お得にサポート~

◆6.ケーブルテレビ事業者モバイルサイト構築・運用受託サービス
    “CableGate” 実証実験開始

◆7.北広島町(きたひろネット)番組制作業務委託審査結果

◆8.三沢市がJC-dataを利用したデータ放送サービス開始!

◆9.デジタルコミュニティチャンネル(ケーブルテレビ自主放送)用
    「OMNEON MediaDeckサーバーシステム」の導入決定
     ~飯田ケーブルテレビに8月導入~

◆10.ローカルコンテンツ流通・連携プラットフォーム共同研究の成果報告
    ~地域コンテンツを高度利活用するための技術検証実験~

◆11.株式会社ビック東海が提供する固定光電話サービス「ひかりdeトーク(S)」にて
    「ホワイトコール24」を提供開始

◆12.ファーウェイ・テクノロジーズとテリアソネア、
    世界初の商用LTEネットワーク上のモバイル・ブロードバンド接続に成功

◆13.ファーウェイ・ジャパン、スライド式USBスティック型
    データカードの最新モデル「D31HW」をイー・モバイル向けに提供
    国内初※、HSPA+に対応し、下り最大21.6 Mbpsを実現

◆14.「ケーブルテレビショー2009」
    ケーブルテレビ業界の優れた活動・作品に贈る
    ケーブルテレビショー恒例の各賞大賞が決定!
    第21回「ケーブルテレビ功労者表彰」/テーマ賞/
    第35回「日本ケーブルテレビ大賞」番組コンクール/
    第2回「プロモーション大賞」/第2回「ベストプラクティス大賞」

◆15.NHK放送研修センター「ケーブルテレビ研修」

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