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第330号 「民主党政権下の情報通信政策はどのように変わるのか」

[2009.09.21号]

 9月の半ば。いつもの飲み屋。建設関係の仕事をしている社長さんが隣にいた。みんなは、「社長、社長」と呼んでいるが、肩書きで呼ぶのは好きではない筆者は、「Iさん」と名前で呼んでいる。若い頃にボクシングをやっていたということで、鼻の骨が、真ん中辺で愛らしく曲がっている。割と小さな目がクリリとして、女性にも人気がある。だれかれとなく面倒見がいいので、人気者で、みんなから親しまれている。酒はそれほど飲まない。どちらかというと、飲ませ上手である。
 自分では、焼酎の水割りをちびりちびりとやっている。息子も酒はあんまり強くないそうで、「たまにもらってくるビールがいつまでもなくならない」というような他愛のない話をしていた。
「そういえば、酒税の見直しで第3のビールの税率を上げようという話が出てきているんだぞ。知ってたか?まったくやってらんないよな」
「えっ。本当ですか?メーカーが努力して、安いものを作って庶民の市場を作ってきたのに、それが売れ筋になると、今度はそこの税率を上げるんですか?」
「なんでも、ビールの税率を下げて、発泡酒を含めて見直しをするんだそうだ」
「うちでは、発泡酒の『クリアアサヒ』は、もうすっかりビールとして認識してますけどね」
「たしかに。本当のビールを飲ませると、苦くて飲めない、というヤツもいるっていうからな」
「へ~。わかるような気がします」
 ここで、Iさん、急に話題が飛んだ。
「まいっちゃったよナア。民主党になると、みんな公共工事が止まっちゃうよ」
代表的な八ツ場ダムを始めとする、今後の公共工事に関することをいっているのだろう。すべての公共工事がなくなるというわけではなく、必要な工事と、必要でない工事を精査するということだと思うが、財布の紐が固くなることは間違いないであろう。バブルの崩壊後、もうこれまでに、何度となく「景気の話」は振ってきているので、もういまさら景気の話はしないことにしている。
 ちょうど、その日、海岸までスロージョギング(「アシモウォーク」といった方がぴったり感があるが)をしに行った帰りに、中学校の校門の脇で、休憩を取っている作業員10名ほどがいた。道路工事かな、と思ったら、どうやら中学校の体育館の改修工事をしているようだった。
 Iさんに、その話をして、「体育館の改修工事も公共事業の一環でしょうから、学校の耐震補強工事とか、けっこう物件はありそうですけどね」というと、「人の命の価値は、地球より重いというからな。そういう何か緊急の場合に避難所になるようなところというのは、耐震補強をした方がいい。確かにそうなんだが、そういった施設もけっこう昔に作られているから、多少の耐震補強をするよりは、思い切って、建て直した方がいい施設がいっぱいある。地震がきたら、倒壊しそうな建物ってのは意外とあるからね。まあ、解体と新築工事が一体となって動いてくれるのが、土建業、建設業にとっては、関係するみんなに仕事がまわるんで、ありがたいんだけどね。分かりやすい話、そのお金が、地元の飲み屋とかに回って、酒問屋の注文が増えて、みんなが景気が良くなった、と感じるわけさ。まあ、そういう時代はもうこないだろうけどなあ」
「そういう時代って、バブルの頃、ということですか」
「そう。千葉市も市長が、民主党になっちゃっただろう。モノレールの延伸を止めるっていってるじゃない。オレにいわせれば、あれ、中途半端だから利用しづらいんであって、ループ上に整備してしまえば、けっこう使い勝ってがあると思うんだけどな。環境とか、いろいろいわれているし、バスの渋滞解消にもなると思うんだけどね」
 千葉都市モノレール株式会社は、1979年3月に設立された第3セクターで、現在91.4%を千葉市が保有している。計画が持ち上がった頃は、千葉市の交通の要としての期待をされたのであろうが、思ったほどの利用客がおらず、厳しい経営を余儀なくされてきた。3年前に会社再建を行い、現在も運行を続けており、延伸計画もあるが、今年6月の選挙で当選した千葉市長は、これ以上の延伸はしない、ということだ。現状の状態で運行を続け、これまでの投資の回収を行っていく、という選択をして、千葉市の財政が厳しい中、延伸に掛る投資は行わない。
「千葉のモノレールはまだそれなりに動いているけど、あのダムは、どうするつもりなのかね。あのまま工事の途中の状態で、残すということになるのかね。取り壊すにもお金はかかるからな。でも、山の中に、工事途中でほったらかしにされた橋梁がこのあともずっと残るってのもどうかと思うよな」
「Iさん、詳しいですね」
「インターネットに書いてあった」
「ヘっ?インターネット?」〈Iさんが、インターネットで、ニュースを読むというイメージをまったく持っていなかったので、正直たまげた〉
「そっ。暇だから、インターネットでニュース読んでんの」
「そ、そうなんですか。動画も見たりするんですか?」
「そこまではしないよ。新聞のニュースがあるだろ。あれが一番早いから、仕事の合間に、ちょこちょこっと。本当に暇なんだよ」
 日本の景気の回復は、どこから始まるんだろう。公共工事はある意味、社会の底辺部のお金を回転させる。必要な公共工事はすみやかに行って欲しいものだ。
「千葉からたくさん選出された民主党議員が、国からどれくらい予算を引っ張れるか、そこにかかっている」と、Iさんは、ひとりつぶやいた。(い)


【目次】

◆1.〈民主党 鈴木寛 参議院議員に聞く〉
    特別研究会「民主党連立政権下の情報通信政策」抄録

    【主な政策論点】
     ○インターネット選挙運動解禁 
     ○電子投票制度
     ○郵政事業の抜本的見直し
     ○マニフェストとは何なのか
     ○NHKの改革
     ○通信・放送委員会(日本版FCC)の設置
     ○電波の有効利用
     ○通信・放送行政の改革(オークションの導入など)
     ○情報格差の解消/地上デジタル放送への円滑な移行

◆2.アースキャスト、震度・地震波到達時間演算緊急地震速報シミュレーションサービス開始
    ―震源・規模想定による日本国内任意地点での「P波到達時間」/「S波到達時間」
    /「予測震度」/「予測猶予時間」

◆3.ラッキータウンテレビ(三重県)がデータ放送サービス開始
    ―毎日役立つコンテンツサービスを提供

◆4.イッツ・コミュニケーションズと株式会社横浜都市みらいがCATV 事業に関する業務提携

◆5.長野県高山村、女子美術大学、須高ケーブルテレビの産学官連携事業
    「女子美大生による足踏みワインづくり」を実施

◆6.NHK放送研修センター研修案内
    新たな地域文化の創造に向けて~ケーブルテレビと新聞社の連携~

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