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第332号 「多チャンネル×オンデマンドサービスがいよいよ本格化」
[2009.10.31号]
義理の姪の大学生になる次男が、この9月から米国西海岸のオレゴン州の大学に留学した。詳しいことは聞いていないが、ポートランドの大学だろう。24、5になる兄は高校からカナダのバンクーバーに留学し、その後、やはりオレゴン州の大学で学んで日本に帰ってきている。次男は、3月に日本の高校を卒業すると、バイトをしながら、英語のブラッシュアップをして、9月からの新学期を待っていた。そして、9月の半ば渡米し、手続きをすませて、異国での新しい学生生活が始まった。大学や寮の雰囲気を見るということもあって、両親と22歳になる姉も現地まで出掛けた。姉は、現在、(本人曰く)「世界最強の理学療法士」を目指して勉学にいそしんでいる。
次男が米国で生活を始めてしばらくすると、心配性だと自分でも認める姪から、家人に電話やメールが頻繁に来るようになった。内容を聞いてみると、オレゴン州に置いて来た次男から、毎晩(米国時間)のように電話があり、「英語が分からなくて、とてもではないが単位が取れそうにない」と、涙ながらの訴えなのだそうである。それはそうだろう。いくらこちらで英語の力をつけたとはいえ、生身の人間が現地語として話す英語は、そう簡単にはわからない。まあ、〈そのうち英語にも慣れてわかるようになるだろう〉とのんびり構えればいいのだろうが、そうはのんびりできない理由(ワケ)がある。
外資系の証券・金融機関で毎日のように切った張ったを繰り返してきた経験を持つ50を回ったばかりの父親がかなり強権で、次男は、「単位を落として父親に叱られる」ことを気にしていたのだという。そこは、父親の「最初から分かるわけはないんだから、少しくらい単位は、落としたってしょうがない」という発言で、次男も少し落ち着きを取り戻したという。
筆者が、心配したのは電話代だった。〈向こうから掛けた方が安いんだろうが、それでも毎晩のことともなれば、それはそれなりに電話代も嵩むだろう〉と心配したのである。
ある日、姪を心配した家人が姪の家を訪ねた。そして、見たものは、小型カメラを装着したパソコンの画面に映る次男の顔だった。Skype(スカイプ)である。スカイプは、無料の音声通話、ビデオ通話、インスタントメッセージをインターネット経由で提供する。加えて、世界中の固定電話と携帯電話にも格安で通話が行える。
家人が、「電話代もバカにならないだろうと思っていたのよ」と話すと、姪は、「ううん、スカイプだから、タダ」とあっけらかんとした返事が返ってきたという。パソコンの画面に映った次男は、それほど心配するほどの表情ではなかったという。
〈こういう時代が当たり前なんだろうな。電話代を心配するなんて時代遅れもはなはだしい。でも電話屋さんのマーケットは確実に縮小する。それも時代か。〉
この家は、どうもネット系家族のような感じである。テレビに冷たい。
三郷市の江戸川の河川敷の近くに大きな2階建ての家を建てて住んでいる。1階には、ダイニングとリビングを兼ねた大きなスペースをとっている。しかし、その広いスペースの片隅に置かれたテレビは、6畳一間に住む学生が床の上に転がしておくような大きさだ。何年か前に行った時に、子供たちが3人でテレビの前に膝を抱えて座り込むと、テレビが見えなくなった。後ろから覗き込むと、映りも悪いし、色も悪い。40インチでも小さいくらいなバランスの部屋なのに、その5分の1くらいの古いテレビがかろうじて映像を映し出している。「大きなテレビを買ったら……」というと、稼ぎ頭の「まだ見える」という返事。「BSは見てないの?」と尋ねると、「お父さんが見せてくれない」と姪が答えた。
ドラマは別にしても、〈テレビのニュースやスポーツニュースなど、見ないのかな〉と思ったが、それ以上突っ込むのはやめた。
光かどうかはわからないが、ネット環境はあるので、おそらく子供たちは、動画配信が始まった頃からちょこちょことパソコンで動画を楽しんでいたことだろう。今度、行った時に詳しく聞いてみよう。
15日夜から、21日夜まで、長旅に出た。岡山、名古屋、倉敷、丸亀、坂出、鳴門と回った。(旅に出る前に、ニュースを仕上げなければと思っていながら、まとめきれず大幅に遅れてしまいました。たいへん申し訳ありません)
15日深夜、日付が変わって岡山入り。16日、17日と岡山理科大の大学院で、朝から夕方までの集中講義である。今年は、男子2名、女子2名の計4名。年は、院生なので、みんな24才。「社会情報特別講義Ⅱ」という科目で、80年~今日までのメディアの変遷を話す。聞いてみると、85年のNTTの民営化が、生まれた年だという。手始めに、「朝起きてから、1番目、2番目、3番目に接触するメディア」を聞いてみた。みんなケータイが最初で、あとはテレビかパソコンが前後する。一人の女の子は、絶対パソコン。聞いてみると、「Livetube」( http://livetube.cc/ )というものをやっているのだそうである。神田敏晶氏の「Bartube」( http://ameblo.jp/snbar/ )は、知っていたが、これは知らなかった。世の中には、いろいろな「tube」があるんだろう。
彼女は、テレビも見るが、勉学を離れても、やはりパソコンの画面を見ている時間の方が長いという。他の3人は、どちらともいえないという感じだった。親元を離れていることもあるが、みんな新聞は取っていなかった。
若い世代には、「テレビは家庭の王様」といっても、もうピンと来ないのかもしれない。(い)
【目次】
◆1.観たい番組、おうちで買える。その場で観られる。
『iTSCOM オンデマンド』 11 月10 日サービス開始
◆2.イッツ・コミュニケーションズが川崎市防災気象情報の提供開始
◆3.「日本酒の祭典:2009酒まつり」全国生中継を実施
-衛星中継・IP伝送(H.264)・広島メイプルネット-
◆4.飯田ケーブルテレビへRF常時監視サービスの提供を開始
~高岡ケーブルネットワーク、大分ケーブルテレコム、鳥取テレトピアに続き本サービスの
採用は4局に~
◆5.伊万里ケーブルテレビジョンへRF常時監視サービスの提供を開始
~デジタル放送サービスの運用をサポートする本サービスの採用が5局に~
◆6.日本ケーブルテレビ連盟、韓国ケーブルTV放送協会(KCTA)と基本合意
◆7.ファーウェイ・ジャパン、国内最軽量の3G対応モバイルWiFiルーター
「Pocket WiFi (D25HW)」をイー・モバイル向けに提供
◆8.FOXが、 VIDEXと提携し3Mbpsの高画質動画配信による見逃し視聴サービスの
商用実験を期間限定開始!
◆9.ゲストに女優・穂のかさん登場!
FOXムービーがSPA!アワーで10,000人に生放送!
◆10.「第3回:ナショジオBEST30」
ナショジオ協会本部やスミソニアン博物館で有名な「ワシントンD.C.」への旅が当たる!
ナショジオ博士クイズ実施!
◆11.NHK放送研修センター「研修案内」
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