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第339号「「デジアナ変換」にケーブルテレビ各社各様の方向性」
[2010.02.08号]
2月6日、土曜日。その日は、真面目に原稿を書こうと思っていたのである。しかし、しかしである。ウチのパソコンやネットワーク回りの一切をお願いしているオフィスコーヒー屋さんが来て、その後の事務所の展開は、大きく変わった。
(ちなみに、ホームページは、岡山県倉敷市にある株式会社チロロネットにお願いしている。社長の安藤究真さんは、筆者が、2001年に初めて岡山理科大の大学院で講義をさせていただいた時の学生さんで、「学生起業家」だった。授業を始めようとすると、「先生、KCT(倉敷ケーブルテレビ)のデータセンターは、どう思いますか?」と質問する。ちょうど、前の日にKCTの取材に行っていて、出来上がったばかりで、まだ一つのラックも入っていないデータセンターを見せていただいていた。構造もしっかりしているので、「いいと思うよ。今、行ったら、一番乗りかもしれないよ」と答えると、彼は、すぐに行動を起こした。その後、彼の律儀で人なつっこい性格もあり、レンタルサーバーの顧客は、増え続け、ということは、KCTのデータセンターに借りているスペースも増えるわけで、運営をよりスムーズに行うために、岡山市にあった本社を倉敷市のKCTのすぐ脇に移して、もう何年も経つ。すごい才能だなあ、とつくづく感心する。感心しても、真似はできないので、たまに会うと、飲みながら話を聞いて、また感心するのである。http://www.chiroro.co.jp/)
そもそも、事務所に3台あるパソコンの内、2台のパソコンにウィルス対策ソフト「McAfee(マカフィー)」の期限切れ表示が出たのが切っ掛けだった。スタッフのWさんが、「期限切れだって表示が出てますけど、どうしますか」というので、「ああ、じゃあ、福田さんにメールを打っておくよ」と答えたのが、2月の2日。福田さんは、ウチのパソコン関係を面倒みてくれている人で、本業は、大阪に本社を置く、福田珈琲株式会社の創業者筋の方で、千葉で事務所を開いて、焙煎した珈琲をいろいろな会社に販売している。その昔、サラリーマンをしている頃、パソコンって面白いな、と思ったことから、パソコンにのめりこんでいったというような話を以前聞いたことがある。http://www2.odn.ne.jp/~cbu40940/
もちまえの人の良さも手伝って、珈琲豆を売りながら、パソコンで困っているオフィスの方々に、「もし良かったら、見てみましょうか?」と声を掛けてきた。最初は半信半疑だった、オフィスの方々も、見てもらうと動くものだから(困っていたことがすぐに解決されて、あるいはすぐに解決できなくても、上司が納得する「ソリューション」の方向性が聞けるので)、その内、珈琲の注文より先に、「パソコンが動かなくて、近くにいたら来てほしいんだけど、急には無理だよね……」と、切実な声で掛ってくる電話の本数が増えてきた。まあ、どこら辺から、ビジネスにしたかは、もうおそらく、聞いても本人も覚えていないだろうが、いろいろな会社のパソコンの面倒を見ているうちに、やがてどこかの会社の総務部の少し年配だけど、きれいな筋の通ったオネエサンが、「珈琲豆は、珈琲豆。パソコンの修理や保守は、また別の勘定」とけじめをつけ、「これは、珈琲豆とは別」と領収書を切らしてくれたのだろう、と想像する。
パソコンを購入したメーカーの保守メンテに電話しても、そうそうすぐに来てくれるということはない。同じような不具合は、いろいろな会社で起きているから、保守メンテのメーカー系の社員だって、猫の手も借りたいくらいの忙しさだ。「蕎麦屋の出前」なんて日常茶飯事だろう。朝の電話で、日が暮れる頃、ようやく保守の人が申しわけなさそうにやってきたなんて経験をされた方も多いはずだ。
もはや、パソコンとネットワークが動かなければ、オフィスの仕事は進まない。そういうところへ、飄々とあらわれ、「ちょっと、やってみましょうか」といって、キーボードを叩く。少しして、福田さんが、ボソッと、「あれ、おかしいな」といった瞬間には、回りで見守る社員の心中には、《やっぱり、ダメか。メンテを待つしかないのか》、《え~、福田さんでもダメなの~》、《だから、ダメだって、いってるのに。もう、このパソコン替えるしかなんだよ》等々、様々な心模様が展開する。
そのうち、福田さんが、イスから立ち上がると、《何?どうしたの?ここで帰るんじゃないでしょうね。そんなの許さないわよ》という視線が集中する。そこで、福田さんは、ボソッと、不思議そうにつぶやくのだ。「動きましたね~」と。
みんなの顔は、一様にほころぶ。そりゃあ~そうだ。それで、前に進めるんだから。
というようなことを福田さんは、何度も経験してきているのだろう。
福田さんが、ウチに来るのは久しぶりだ。今は、大阪にも顔を出しているから忙しい。しかし、スタッフWさんのパソコンに続いて、すぐ筆者のパソコンにも期限切れ表示が出たので、その日の夜にメールを打った。そして、「土曜日夕方なら伺えます」という返事が返ってきて、来てもらうことにした。
セキュリティソフトは、McAfeeから、マイクロソフトのものに変わった。その作業はすぐに終わった。久しぶりに会うものだから、福田珈琲のコーヒーを飲みながら、世間話をしているうちに、福田さんが、「『Craiving Explorer(クレイビング・エクスプローラー)』って知ってます?入れときましょうか?」という。まあ、お薦めなので入れてもらったが、これが、何と、YouTubeで映像付の楽曲をいろいろ見せてくれるのだ。
《著作権って、どうなのかな?》とは思いながらも、試しに、「月月火水木金金」や「ラバウル小唄」、「踊子」など古いタイトルを入れても、ちゃんと応えて来る。オフィスは、年代を遡り、そして、カラオケ事務所に一変した。
最近、夜中に、JCNのVODで、「駅からマップ」を好んで見ていた。YouTubeのインターネット落語会は、月に3回見ている(同じものが10日間流れる)。『U字工事』や『流れ星』、『東京03』などの漫才もYouTubeで見ていた。しかし、これからは、夜中に、YouTubeの映像を見ながら歌いだしそうだ。まわりの迷惑に気をつけなければ。(い)
【目次】
◆1.そろそろ「ケーブルテレビのデジアナ変換」の導入検討を始める時期
◆2.ケーブルテレビ富山、KDDIとの提携により固定電話サービス開始
◆3.苫小牧ケーブルテレビ、KDDIとの提携により固定電話サービス開始
◆4.「auフェムトセル」の導入に向けたトライアルを実施
~従来の「auレピータ」に加え、ユーザー宅内でのエリア改善に活用
◆5.NTTグループがデジタルサイネージのソリューションブランド
「ひかりサイネージ」を導入しソリューションパッケージもラインナップ化
~情報流通のための新たな社会インフラの構築に向けて~
◆6.ローソンとADK、ドコモによるデジタルサイネージを用いた広告配信事業を行う合弁会社
を設立
◆7.「ひかりTV」で、「TBSチャンネル」「TBSニュースバード」を3月より放送開始!
~民放キー局チャンネル、IP放送で初提供~
◆8.映像配信サービス「ひかりTV」における、
地上デジタル放送IP再送信の提供エリア拡大について
◆9.世界のICT関連市場動向
(データリソース社報道資料よりhttp://www.dri.co.jp/)
◆10.(財)NHK放送研修センター主催、(社)日本ケーブルテレビ連盟後援
「ケーブルテレビ研修」-2010年3月18日、19日
◎編成、制作の指導者向け「いまさら聞けない・教え方のコツ(春)」
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