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第362号 「視聴者参加型コンテンツとケーブルテレビの相合傘」
[2011.01.11号]
前号は、NHKの『ドキュメント20min.「なれるかな?にんきもの」』という番組で、ゆるキャラ®に焦点をあてた番組があったので、その話をしようと思っていたが、つい『吉田類の酒場放浪記』に話が飛んでしまった。*ゆるキャラ®という文字は、みうらじゅん氏の著作物であるとともに扶桑社、及びみうらじゅん氏の所有する商標。
なぜ、ゆるキャラ®に興味を持ったかというと、「ケーブルテレビ各局にも、マスコットキャクターがあり、主要なケーブルテレビ局では、そのマスコットの着ぐるみ人形を作り、地域のイベントなどに登場させて、会場を賑わせている。あれも(広義には)ゆるキャラ®のひとつに入るんだろうな」と思ったからである。
まあ、その前提として、ケーブルテレビ業界に『ケーブルコンテンツパーク』と呼ばれるようなホームページがあり、そこにアクセスすると、各局のマスコットキャラクターが、その地域の情報をいろいろ教えてくれる、というようなシステムがあったら、より多くの人に有用ではないだろうか、と思っているからである。
番組は、なかなか人気の出ない聖徳太子ゆかりの地の大阪府太子町のゆるキャラ®「たいしくん」が、にんきものになるために努力する様子を描いている。この「たいしくん」に、貴重なアドバイスを与えるのが、番組の途中で登場する、いまや、ゆるキャラ®界のスーパースターともなったゆるキャラ®『ひこにゃん』の仕掛人・荒川深冊氏である。(キャラクターは、2006年に彦根市が誕生させた)
(参考)http://ameblo.jp/koukoku3594/entry-10468825788.html
本稿を書こうと、ネットを検索していると、いろいろなサイトがあるもので、「テレビでた蔵」というサイトがあった。テレビの番組の内容などを紹介しているサイトである。トップ画面とゆるキャラ®番組を紹介した画面は、下記URL。 http://datazoo.jp/tvdatazoo
http://datazoo.jp/tv/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88+20min%EF%BC%8E/453230
当初、たいしくんが一人で演技を行い、それを傍らのマネージャー(町役場の職員)が、じっと見守るというスタイルであったが、荒川氏が、キャラクターのたいしくんとマネージャーの掛け合いの指導などを行い、練習を重ねていくうちに、次第に、二人の掛け合いにリズムが出てくるようになった。たいしくんは努力の甲斐あって、それまでできなかったフラフープもできるようになり、町の幼稚園で、マネージャーとの掛け合いやフラフープを回してみせ、努力の成果を披露すると、多くの園児が歓喜の表情を見せていた。
それを見て、今からもう30年ほど前のことを思い出した。東京の高田馬場から中野方面に少し行ったところに小滝橋というところがある(神田川の合流地点で、夏の雷雨や秋の台風でよく洪水になるところ)。その近くの居酒屋のカウンターで、その夜は一人で酒を飲んでいた。体が温まってきて、同じように一人で酒を飲んでいる隣に座っていたお客さんに話し掛けてみた。ちょっと小柄なその男性の職業は、着ぐるみ俳優だった。最初は、「顔の見えない俳優だ」といって正体を明かさなかったが、しつこく質問すると、そう教えてくれた。その時、「着ぐるみでも、感情を表現できるのですか?」と今から思えばたいへん失礼な質問をしたが、彼は、怒ることはなく、自信を持った表情で、「できる」と言い切った。そのことを思い出したのである。
たいしくんとマネージャーのコンビは、すっかり、観客とのコミュニケーションの「肝」を会得したようだった。今後も、地域起こしの大役に挑戦し続けることだろう。*下記URLは、NHKのディレクターの裏話のサイト
http://www.nhk.or.jp/20min/urabanashi/index.html
しかし、このゆるキャラ®、いまや全国で、1000体とも2000体ともいわれているようだ。昨年、10月23日、24日、彦根中心市街地商店街一帯で開催された日本最大のゆるキャラ®の祭典、第3回「ゆるキャラ®まつりin彦根~キグるミさみっと2010~」には、約170体のゆるキャラ®が登場し、2日間で7万人を超える人たちが集まったという。*さみっとに参加したゆるキャラ®を紹介しているURL http://fes2010.yuru-chara.jp/chara.html
一般社団法人ゆるキャラさみっと協会もあり、それぞれの地域のネットワーク化も推進されているので、あらためて、ゆるキャラ®パワーに驚かされた。 http://kigurumisummit.org/
キャラクターグッズの需要も多いからそれに対応するために、「ひこらぼ」というサイトもある。
http://hikolabo.ocnk.net/
販売のシステムには、おちゃのこネット(株)のシステムが採用されている。 http://www.ocnk.net/
う~ん。ケーブルテレビ局のキャラもみんなで何かできないかなあ、と思う。
1月6日、ニュースでは、国内外からのひこにゃん宛の年賀状が1万通を超え、最終的には、2万通に達する見込みと伝えていた。(い)
【目次】
◆1.「ケーブルマン・オブ・ザ・イヤー2010」贈呈式開催
◆2.株式会社ジュピターテレコム 代表取締役社長 森泉知行
2011年 社長年頭所感(要旨)
◆3.募金 オン デマンドで国連WFP協会への募金受付を開始
◆4.視聴者が撮影した映像を紹介するJ:COMチャンネル番組「モチコミ!」が作品を募集
~ 採用された作品は首都圏200万世帯に向けて放送~
◆5.関西マルチメディアサービス、「あなたのジモトの魅力をCMで全国に広めよう!
LOVE LOCAL地元CMコンテスト2010」最終審査発表
◆6.イッツコム、3年連続、ブロードバンドアワード2010「最優秀回線事業者」受賞
―品質と信頼性で選ぶならイッツコム!
◆7.エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ、 iPhone・iPad向け電子書店「地球書店」を開設
◆8.世界の市場動向(データリソース社ニュースリリースより)
http://www.dri.co.jp/
(1)米国と日本が先導する高速モバイルブロードバンド、2015年に世界で
2000億ドルを上回るLTEの収益
(2)ビデオエンターテインメント産業は、新しいOTTサービスとビジネスモデルによる収益で、
従来の収益減の相殺を図る
(3)世界のセットトップボックス市場:CATV、DBS、通信会社のTV放送(IPTV)、
地上波デジタル放送とHD、PVR、MPEG-4、H-264
(4)ケーブル事業者のトリプルプレイの世界市場は中国とラテンアメリカが促進
(5)アメリカのモバイルビデオ市場 – スマートフォンとタブレットのインパクト
(6)世界の有料テレビのエンコーダとトランスコーダ市場:
ライブストリーミングとTV Everywhere、Nスクリーン、
分配、放送のためのマルチフォーマットエンコーダトランスコーダ
(7)2012年までに3倍に増大するモバイル医療アプリケーション
◆9.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修案内》
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