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第366・367合併号「All CableとKDDIの連携で、NTT対抗軸の確立へ」
[2011.03.21号]
このたびの「東北地方太平洋沖地震」により被害に遭われた皆様、そのご家族・ご関係者の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
3月11日は、午前11時から、JCN千葉(株式会社ケーブルネットワーク千葉)の平成22年度放送番組審議会が、京葉線千葉みなと駅前のホテルポートプラザちばで行われた。検見川浜駅からは、蘇我方面に向かって2つ目で、電車に乗れば、ホテルまで15分もかからない。朝のメールチェックを済ませて、10時半過ぎの電車に乗り込んだ。
年に一回の会合なのと、2名の委員が交代したので、千葉市千葉寺にある医療法人グリーンエミネンスの理事長で、本審議会の会長を務める中村周二氏の挨拶に始まり、それぞれ簡単な挨拶を行った。
筆者は、昨年から委員をさせていただいているが、昨年は、審議会開催の模様がコミュニティ放送で放送されると、家人が、近くのスーパーで知り合いに、「あんたのダンナ、テレビに出てたわね」と声を掛けられたこと、その後、再び放送されると今度は別の知り合いに、「ご主人、何のお仕事しているの?この間、千葉テレビに出てたわよね」といわれたことを報告し、「ケーブルテレビのコミュニティ放送を見ていてはくれているものの、『千葉テレビ』と勘違いしているのは、何といっていいものか。まあ、一般の方は、そんなものかもしれませんね(笑い)」と挨拶に代えた。
審議会開催前に、2010年度のJCNプラスチャンネルの番組を収録したDVDが送られてきて、例によって夜中にそれをみた。街角紹介番組「駅からマップ」(30分番組)はいつもVODで見ているので、他の9本の番組をみた。全部を見ると、2時間を超えるが、審議会の日も近づいてきているので、一挙に見てしまおうと覚悟を決めた。
行政番組は、千葉市広報番組「いきいきメール千葉」(10分)、ニュース番組は、地域密着情報番組「デイリー千葉」(20分)、エリア共通番組として、お店紹介番組「ハッピーフード・ハッピーライフ はっぴる千葉」(15分)、地元球団応援番組「ロッテレビ マリーンズフリークス」(15分)、伝統工芸師紹介番組「職人魂」(15分)、自然環境番組「ネイチャー・アイ」(15分)、企業応援番組「目指せ!元気一番星」(15分)、それにJCN本部番組として、加入者参加型バラエティ番組「ハッピー・ラボ」(30分)、シニアライフ応援番組「大人の学校」(15分)の2本。
基本的には、それぞれの番組が、それぞれに質の高い番組で、筆者的には、夜中のVOD視聴に適した番組である。これまでは、「駅からマップ」に終始していたが、少し幅広く地域番組のVOD視聴にチャレンジしてみようと思った。
自然環境番組「ネイチャー・アイ」などは、地域の自然を題材にしたものだが、全国のケーブルテレビ各局がヨコヨコで連携すると、(概ね)日本全国の「地域のさりげない自然の変化」をテーマにした番組の山(ボリューム)が出来上がり、それを毎年追い続けると、巨大でかつ貴重なアーカイブが出来上がる。
こうした映像の集積をベースにすると、国内のNPOや学術団体にととどまらず、海外のNPOや学術団体ともさまざまな交流が生まれて来る可能性が出てくるだろう、と思った。そこから先、どうなるかはわからないが、良い方向へと進んでいくような気がする。
伝統工芸師紹介番組「職人魂」も驚きの匠の技を紹介しており、こうした番組は、日本全国はもとより、海外にもぜひ紹介してもらいたいものだ。それが切っ掛けで、海外から注文があるかもしれないし、需要があるならば、JCN本体で、海外販売の窓口をしてもいいのではないか、と思う。
こうした匠の工房を訪ねてみたいという外国人も出てこよう。海外からの観光客誘致は政府の大きな目標の一つでもある。そうした外国人も視野に入れて、匠の職人のみなさんご本人の意思を確認の上、ご協力を得て、例えば、子供たちが夏休みの間に、伝統工芸の職人のみなさんが、まとまって、技の紹介を行うイベントを幕張メッセで行うなど、何か新しい流れを作れるのではなかろうか、と思う。
地元球団応援番組「ロッテレビ マリーンズフリークス」も、けっこう全国にファンがいるだろうから、そうしたファンにとっては、ネットで流せば、少しお金を出しても見たい番組なのではないか、と思った。
他にも、いろいろあるが、ここでは余所の局や海外を視野に流してもいいような番組をピックアップして紹介してみた。
いずれにしろ、こうした番組が、JCNグループ局の全体で、(コミュニティ放送やVODで)視聴できるとしたら、それを少しずつ拡大してほしいものだ。「拡大」といっても、「どこかを買収しろ!」というのではなく、ヨコヨコのコンテンツ流通の流れに乗せて、全国のより多くのケーブルテレビ加入者が、コミュニティ放送でみられる、あるいはテレビのVODでみられる、さらには有料だが、PCをベースにみられる、というようなことが考えられるだろう。
これは、JCNグループに限ったことではない。J:COMグループでもそうだし、CNCiグループの東海ケーブルチャンネルにも、もちろん全国の独立系の他のケーブルテレビ局にもいえることである。
多くのケーブルテレビ局が、これまでは、エリア内のコミュニティ放送を中心に展開してきている。今後は、自社コンテンツを業界内で相互に流通させて、相互にコミュニティ放送の充実を図る、さらには、インターネット配信バージョンを再編集して、エリア内では、PCやモバイル向けに本編のコミュニティ放送に加入者を誘導する番組宣伝として活用し(ネットでまるまる流してしまうと、ネットでタダで見られるからといって、テレビ契約をやめる場合がある。有料で、まるまるPCやモバイル向けに流せればそれはそれでOK)、エリア外には、有料でふるさと会員を募り、『区域外配信』するサービスが新しい収入源になるのではなかろうか。
筆者は、最近、地域の映像情報の発信は、「観光誘致」につながる、と主張しているが、マスメディアに乗った観光誘致ではなく、ケーブルテレビだからできる、「こだわりの観光誘致」というものがあるだろう、と思う。視聴者は、その地域の何かが気にいっての「こだわり」の訪問だから、リピートも期待できるだろう。一人、二人が、だんだん増えてくれば、それはそれで、いい方向に向かっている、といえる。地域の映像情報を発信した結果の成果が見えて来た、ということになるだろう。そのためには、まず、地域の映像情報の発信である。
JCN千葉の番組審議会を13時に終えて、東京へ。14時半から、京橋に引っ越した日本ケーブルテレビ連盟で、打ち合わせが入っていた。八丁堀で降りて、タクシーでワンメーター、と思っていたが、眠ってしまい、気がつくと東京駅。東京駅から、タクシーに乗って、昭和通りに出て左折、《あれっ、たしかこの辺のはずだが》と思っているうちに、日本橋が見えてきて、「来すぎた」ことに気がつき、タクシーを下車。いそいで、京橋方面に戻り、YSビルを見つけた。頑丈そうなビルであった。
三々五々、メンバーが集まり、14時半、定刻通り、打ち合わせが始まった。
そして、2時46分。遠いところから揺れてきて、《あっ地震だ!》とみんなが気づき、それがしばらく続いて、《終わるかな》と思ったとたん違う揺れ方に変わって、それが長く続き、立ってはいられない状態で、壁際に身を寄せたり、机の下に体を隠したりしていた。
頑丈なビルのはずだが、ギシギシ音がしたので、《天井が落ちるかもしれない》と思って、壁際を伝い、窓際の太い柱のところに体を移動させた。命の危険を感じた。
それが、第一波。揺れが収まった段階で、みんなポケットからケータイを出して、社に連絡したが、もうすでに、通話が出来ない人もいた。筆者のケータイもつながらなかった。
窓から、昭和通りを見下ろすと、車は、走行をやめ、人々は、不安そうに、立ち止まっていた。
一応、揺れが収まったようなので、会議を続けることにした。しかし、会議を始めようとすると、揺れがやってくる。その後も、地震が断続的に続いたが、中断しながらも、項目にそって議事を進めていた。大きい地震であったことは、わかっても、被害の状況などは、まだわかっていない。
4時半くらいに、筆者のケータイの呼び出し音が鳴った。佐賀のケーブルワンの大野裕志社長からであった。心配して電話を掛けてきてくれたのであるが、三陸地方に、防波堤を乗り越えて、津波が押し寄せ、車や家が流され、仙台空港も水に浸かったという。
会議どころではない。テレビには、深刻な状況が映し出され、これはたいへんなことが起こったということになった。その後、18時半、連盟内に、災害対策本部が立ち上がった。
窓の外を見ると、車は、身動きがとれない状況になっていた。鉄道は、止まっている。タクシーが簡単につかまるはずもない。千葉まで、橋をいくつも渡って、歩いて帰る体力はない。途中で、何かあったら、その方が危険である。連盟に一泊することにした。その後、政府も、無理に帰宅せず、会社等で待機するようにと、指示を出していた。
翌朝、京葉線が動いていないので、東京駅からお茶の水に出て、総武線の各駅停車で、新検見川に戻った。バスで、検見川浜の駅に着くと、駅前には、多くの亀裂が入り、液状化現象があちこちに見られた。総武線の新検見川のあたりは、昔からの土地なので、駅前に目立った変化はなかったのである。しかし、検見川浜の周辺は、埋め立て地で、地盤が弱い。
家に戻ると、タンスが倒れ、揺れの大きさを物語っていた。(い)
【目次】
◆1.KDDI、「ケーブルプラス電話 感謝の集い」開催
◆2.KDDIとスペースシャワーネットワークが資本・業務提携
◆3.「東急電鉄 住まいと暮らしのコンシェルジュ」&「iTSCOM スポット」
<二子玉川ライズ・ショッピングセンター内に初の共同出店!>
◆4.iTSCOM のコミュニティFM“FM サルース”と世田谷区のコミュニティFM“エフエム世田谷”
「iTSCOM スタジオ 二子玉川」における共同の取り組みを開始
◆5.J:COM オン デマンドで先行試写会、劇場公開前の映画を自宅で視聴!
◆6.未知なる宇宙をお届けする 公式GREEアプリ
[ ナショジオ チャンネル for GREE ]
◆7.電通と米国FacebookR社、日本での広告主向け「Facebook」活用マーケティング・サポートで
業務提携
◆8.CS放送・携帯・スマートフォンにも対応。ケーブルテレビ事業者向け遠隔録画予約サービス
「ディモーラ(DiMORA)」受注推進開始
◆9.業界初*1、CATVユニバーサルポータル(CUP)のホスティングサービス提供開始
設備投資が不要、低予算でグラフィカルなテレビポータルを構築
◆10.映像配信サービス「ひかりTV」が地上デジタル放送IP再送信の提供エリア拡大
◆11.デジタルサイネージコンソーシアム(DSC)が「第二回デジタルサイネージアワード」を実施
◆12.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修案内》
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