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第378号 「東京ケーブルネットワーク、新サービスの実証実験をスタート」
[2011.08.30号]
ここ3年ぐらい「ケーブルコンテンツパーク(仮称)」というようなものが欲しいと、言ってきている。「なぜ、ケーブルコンテンツパークか」というと、ケーブル業界は、これまで「インターネット接続サービス」を売ってきたが、そろそろネットコンテンツをかなり充実させた方がよいのではないか、と考えるからである。
だいぶ操作が慣れてきたauのスマートフォンで、北から南へ各ケーブル局のサイトを訪ねてみると、やはり各局が提供している放送サービスやインターネット、電話などの通信サービスの内容の紹介などが中心になっている。もちろん、それは当然必要なことであるが、せっかく加入してくれたネット利用者が、楽しめるようなコーナーを増やせば、より多く各局のサイトを訪ねてきてくれるのではないだろうか。
11年3月末で、ケーブル業界全体のインターネット加入者は、567万件で、テレビ加入世帯と比較してみるとまだまだ「のびしろ」がある。
8月24日のある会合の後の懇親会でも、「エリア内には、まだまだADSLを利用している世帯があるから、それをうちにひっくり返さなければならない。」とある経営トップがいていた。
そのためにも、サイトに行って楽しめるような「コンテンツパーク」は必要になってくるだろう。滞留時間が長くなれば、広告媒体としての価値もアップするだろう。
しかし、筆者があったらいいなと思う『ケーブルコンテンツパーク』は、そうした各局のパークを連携させた全国のケーブル局のコンテンツが集まったパークがネット上にできないだろうか、ということを思っている。
例えば、今回紙面で紹介している須高ケーブルテレビの須坂市動物園の「みんなのデジタルアニマルパーク」のアイコンも、関西の天王寺動物園の「ZOO ZAQ」のアイコンも、『ケーブルコンテンツパーク』にあって、「今日はどっちにしようか?」とサイトを訪れたユーザーがちょっと考える、というようなイメージを持っている。
これは、「動物園」という切り口だが、「ケーブル局社員のブログ」というような切り口もあるだろう。全国の局には、ブログを上げている局がけっこうあるので、『ケーブルコンテンツパーク』のブログのアイコンから、各地に飛べる、というようなこともできるだろう。
要は、ケーブル局のネットコンテンツを「局」という単位で括るのではなく、『食』『祭り』『歴史的人物』『方言』等々の「コンテンツジャンル」で括り、そのジャンルを増やし、かつ内容を充実させていくことで、来訪者を増やすことができるのではないだろうか、と思うのである。
昔、東京の八重洲口には、全国の主だった地方紙が立ち読みできるコーナーがあった。東京の新聞が扱っている記事を、地方の新聞がどのように扱っているか、など比較ができた。
いま、筆者がいっている『ケーブルコンテンツパーク』は、何かを比較するものではないが、ただコンテンツが集まってくると、人が集まってくるだろう、ということである。
ツイッターは、パーソナルな「今、何してる」をつぶやくものであるが、ケーブルのネットコンテンツは、『地域が、今、何してる』をつぶやくことができるだろう。
日本ケーブルテレビ連盟のホームページを開くと、東日本大震災後、連盟東北支部の「twitter」と宮城ケーブルテレビの「マリネットブログ」のアイコンがある。
ツイッターは、震災前の少し前から掲載されており、震災直後から5月の東北支部の総会まで会議情報のやりとりに利用された。
『コミュニティチャンネルぶろぐマリネット』は、現在も1週間に一度くらいのペースで、更新され、書き手の視点で見た現地の今を写真とテキストで伝えている。
各局のホームページを見てみると、局のアナウンサーが書いているブログなどはあったりするので、それをまとめただけでも結構な量になり、貴重なコンテンツになると思う。
東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドのホームページとディズニーランドのホームページは別々に存在する。
今のところ、連盟のホームページは、業務用というか会員向けの内容と、一般ユーザー向けの内容がいっしょになっている。
これを別にして、「局」ではなく「コンテンツジャンル」で分類した『ケーブルコンテンツパーク』を立ち上げ、そこから全国の各局につながる仕組みを作ったら、現状の各局のネットコンテンツを集めただけでも結構おもしろいホームページができるだろうと思う。
例えば、芭蕉は、全国を回って俳句を詠んでいるが、その句碑の現在の様子を伝える写真とコメントが集まっただけでも、ケーブル業界の「全国連携」という規模感をアピールすることができるのではないだろうか。
将来的には、動画みたいな話になるのかもしれないが、とりあえず、写真とテキストならば、それほどお金もかからないだろう。
肝心なことを言い忘れることであった。
ネットコンテンツの担当者には、放送担当者の使い回しをしないことである。入ったばかりの新人くらいの方がいい。放送の頭、感覚をなかなか切り替えられないからだそうだ。これは、筆者がいっているのではない。米国で、OTT(オーバーザトップ)を展開する急先鋒Huluの経営者がいっているのである。(い)
【目次】
◆1.ケーブルテレビ初、ひろしまケーブルテレビがコミュニティチャンネルで地震速報を
文字スーパーで瞬時に配信
~気象庁の緊急地震速報発報から1秒以内にテレビ画面に表示
~データ放送と連携させ地域密着の詳細情報を提供
◆2.経済産業省 平成23年度医療・介護等関連分野における規制改革・産業創出実証事業
(IT等を活用した医療・介護周辺サービス産業創出調査事業)
~信州須高エリア「地域医療連携」コンソーシアム~
◆3.24時間ライブ映像配信 大人も楽しめる動物園コンテンツ
『みんなのデジタルアニマルパーク』がオープン
◆4.JCN主催 JCNプレミアコンサート2011ゲーデ弦楽四重奏団コンサートを開催
~JCNサービスご利用者 1000組2000名様を無料ご招待~
◆5.「旅チャンネル」と韓国大手メディアCJグループ傘下「CJ HelloVision」
旅情報番組 「HOT SPOT KOREA」を共同制作
~日・韓バイリンガルMCによる新シリーズ、日韓同時放送開始
◆6.BSデジタル放送、10月1日、8事業者 12チャンネルが新たに本放送開始
◆7.BNMUX、DOCSIS3.0に準拠した無線LAN対応ケーブルモデム 販売開始
◆8.世界のマーケット動向
(1) 家電デバイスによるコンテンツ消費:米国、フランス、ドイツ、英国、中国、
インド、韓国の消費者調査
(2)モバイルディスプレイとタッチスクリーン:タッチコントローラ、接触技術、
高度触覚技術、次世代ディスプレイ
(3)モバイル広告:
モバイルディスプレイ、検索、メッセージング、アプリ内広告の採用
(4)モバイルブロードバンドのポリシー制御:ポリシーと課金ルール機能、
サービス品質保証、新たな収益機会
(5)企業のスマートフォンとメディアタブレット用のモバイルアプリケーション:
B2BとB2Cアプリケーションの予測とサプライチェーン分析
(6)モバイルオペレータのビジネスモデル:2016年までの課題、将来性、適応戦略
(7) ストリーミングメディアプレイヤー市場調査:市場概要、ベンダ、将来予測
(8)世界の3G/4G接続対応ポータブル機器とコンピュータ機器市場調査
◆9.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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