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第379号 「9月27日・28日東京ドームホテルで「ケーブルショー2011」開催」
[2011.09.22号]
何を書こうかと思案しながら、メールの一括受信を回してみる。あいかわらず、迷惑メールが多い。出会い系から競馬情報、融資情報まで、内容は様々。
できるだけ「迷惑メール」のボックスにそのまま入るようにしているが、アドレスを微妙に変えながら、同じ内容のメールを送りつけてくる。
タイトルもけっこう面白いものがあったりして、その努力と知恵には、たいしたものだと感心したりする。
無差別ともいえる迷惑メールの送信も、ある一定の割合で、反応があるのだろう。
たまに、「私です。○○こ」というタイトルがあって、実際にそういう名前の知り合いがいるので、あけてみると、出会い系であった。
その後、しばらくして「私です。○子」とあって、《また出会い系か》と思って削除しようとしたが、○のところが漢字になっているので、あけてみると、知り合いの○子だった。
本当かどうかはわからないが、「迷惑メールも退職すると来ない」という話もあるから、現役の証明かもしれない。それはそれで、《迷惑メールには、困ったものだ》といっているうちが花なのかもしれない。
楽天市場もよく来る。登録しているから、これはこれでいいのだが、やたらと、健康食品やサプリメントの案内が来る。タイトルには、「シルバー世代の皆様へ」なんてあったりする。本人は、そうかなとは思いつつも、そういう自覚はあまりないのだが、《世間では、50を過ぎれば、シルバー世代なのだ》と気がつかされる。
8月31日、長野県の須坂市に行った。須高ケーブルテレビの「みんなのデジタルアニマルパーク」のオープニングイベントの取材だ。取材後には、帰りに、長野駅前にある居酒屋「とくべい」に寄ろうと決めていた。3月末に長野に取材に行った際にも顔を出したが、あいにく臨時休業であった。
こちらも、歳だが、中で働いている板さんやママもそれなりに歳を取って行くから、何かあったのではないか、などと気になる。
須高ケーブルテレビが入る須坂市駅前のシルキーホールで取材を終えて、スタッフのNさんに、同社が小布施町で計画している無線サービスのエリアを案内してもらうことにした。道路脇には、収穫間近のぶどうの房がたわわに実っていた。
道々Nさんと、いろいろ話しているうちに、「帰りには、長野駅前のとくべいに顔を出す」というと、Nさんは、怪訝そうな顔をする。「とくべいって、あの駅前のとくべいですか?」と聞き直すので、「そうだよ」と答えると、「ボクもあそこは馴染みなんです」という。中学を出て、地元を離れて、バレーボールの有名校岡谷工業に進学。大学は東京に行き、そのまま東京の会社に勤め、しばらく経ってから長野に転勤になり、その後、生まれ故郷の地元に戻りたいので転職を決意、須高ケーブルテレビにお世話になるようになったとか。
「とくべい」には、長野時代に通い、今でもたまに、ちょっと足を延ばして顔を出すという。今度、ぜひご一緒しましょうということになった。
小布施町を案内していただいて、須坂市動物園のある臥竜公園まで乗せていただいて、そこで別れた。
200円を払って動物園に入る。荷物が重いので、事務所で預かってもらうことにした。事務所では、ちょうど電話が掛かってきており、男性が、「…はい。双方向の機能ということで、twitterとか、そういうものを用意したとは聞いていますが、詳しいことについては、こちらではわかりかねます」と答えていた。
「みんなのデジタルアニマルパーク」のオープニングの記者発表は、つい先ほど終わったばかりなので、一般の人からの問い合わせというのは考えにくい。同業の記者からの問い合わせだろうと思った。
平日の水曜日、しかももう16時を回っているので、園内に人はいなかった。向こうからやってきた乳母車を押し、3歳くらいの女の子を連れた若いママさんが、正面口までやってくると反転して、戻っていった。南口から入ったのだろう。うさぎ小屋のところで、子供は、またうさぎにつかまっていた。
閉園は、16時45分。正面口に戻り、竜ヶ池に沿って右回りに歩く。ボート乗り場のところに、草間売店がある。遠くから見ると、店の親父さんが、縁台に腰をおろして、ぼんやり池の方を眺めていた。
胸の中に去来するものは何なのか。想像しても及びもつかないが、遠く歩いてきた日々を思い出しているようでもある。味のある親父さんなのである。
初夏の頃は、蜂が良く飛んでくる。いつの年だったか、動物園を出て、草間売店に向かうとちょうど店先に飛んできた蜂を追い払おうとハエ叩きで格闘している親父さんがいた。
カメラを構えて、親父さんが、ハエ叩きで蜂を打ち落とした瞬間を写真に撮ったことがある。
名物の黒いおでんは、6串で480円。遠くを見ていた親父さんに、「すみません。おでん下さい」と声を掛けると、はっと現実の世界に戻ってきたようだった。
声を聞いて奥からおばあさんが出てきて、親父さんに渡した500円玉を受け取ると奥に消え、しばらくして戻って来て、おつりの20円を手渡してくれた。
お金回りは、おばあさんの仕切りらしい。
池を背にして、お店の方を見ながら、おでんを口に運んでいると、目新しいUのアンテナが目立った。
町中に住居を構えて、毎日お店に通ってくる売店もあるが、この二人は、ここに住んでいるのかもしれない。
昼間の疲れもあり、縁台に座って、ぼんやりしていると、親父さんとあばあさんが、縁台を片付け始めた。いくつもの縁台があり、けっこうな仕事である。
少なくとも、基本的なこの作業を毎日毎日、この二人は、繰り返してきたのである。
店を閉めた後、この二人は、どんな会話を交わすのだろう、などとも思った。「今日は、人が少なかった」とか、そういう基本的なことを一言二言話すと、もう夜の帳が降りてくるのかもしれない。
無性に、親父さんに話し掛けてみたい衝動に駆られたが、また今度、平日のもうちょっと早い時間の昼過ぎに訪ねて、おでんを三皿くらいたいらげながら、世間話をしてみたいと思った。もう5時半になろうとしていた。ごちそうさまといって、縁台を立った。
池を渡った駐車場のところで、タクシーを呼び、待っていると、動物園の職員の人たちが、三々五々家路についていた。
須坂駅に戻り、須高ケーブルテレビが入るシルキービルの全景を写真に収め、長野行きの電車に乗った。須坂駅には、いろいろ昔の電車が止まっていて、博物館のようでもある。おそらく、鉄チャン鉄子で、休日には、賑わうのだろう。
長野までは、各停で20分ほど。途中、一瞬、くらっと眠りこけたが、ほどなく長野についた。西澤のおやきを土産に買い込んで、ちょっと怪しげな灯りがつき始めている繁華街へ。
とくべいは、千石劇場手前の千石センタービルの一階にある。
7時過ぎ、扉を開けて、中に入ると、カウンターの右奥が2つ空いていた。他のテーブル席や座敷はすでにいっぱいであった。その後、すぐに2人連れがやってきて、カウンターの一番左の席に移ることになったが、席があればそれでいい。その後、5組くらい二人連れがやってきたが、もうどこにも席はない。残念そうに帰って行く。
モツの煮込みを頼んで、ビールを流し込み、冷や奴を頼んで、日本酒の冷酒にかえ、やたら漬けを頼んで2本目の冷酒を頼んで、ここぞとばかり、「やたら漬け」を土産に持って帰りたい、とママにお願いした。たいへんおいしいからである。
板さんに聞いてみるといって、ママは板場に消えたが、戻ってきたママは申し訳なさそうに、「あたしはいいんだけどさ、板さんが良くないって。ごめんね。何かあったら困るからさ」とゆでたてのとうもろこしをくれた。
飲み始めて、酒が回り出すと時間を忘れるのは、世の常である。
1時間で切り上げようと思っていたが、だんだん最終は21時40分だから、と気持ちが緩くなってくる。そのうち気がつくと、21時になっていた。もう一回みると、21時15分。これ以上座っていると、本当に帰れなくなる、と意を決して席を立ち、勘定をすませて駅に急いだ。
新幹線の切符を買って、自由席に座り、荷物を下ろすと、店から持ってきた飲みかけの冷酒の瓶を取り出して、またちびり。
翌朝、テーブルの上には、手つかずの横川のおぎのやの釜飯があった。覚えていないが、車内販売で買ったのだろう。(い)
【目次】
◆1. 24時間ライブ映像配信 大人も楽しめる動物園コンテンツ
『みんなのデジタルアニマルパーク』がオープン
◆2. 東京ケーブルネットワーク、加入者向け新サービスの実証実験をスタート
◆3.JCN、連結子会社の合併に関するお知らせ
◆4. イッツコム、FM 世田谷、SHIBUYA-FM、FM サルースが、8月31 日(水)『エフエム防災ネット
ワーク協定』を締結
“防災”をテーマに合同特別番組「つながろう日本!考えよう防災!」放送!
◆5. アニメ総合チャンネル・キッズステーション専用ルームがカラオケ曲数世界一(ギネス申請中)を
誇るパセラに登場!!
第1弾は、大人気アニメ「WORKING!!」特集
◆6. 東日本大震災『被災ケーブルテレビ局が捉えた魂の記録映像』DVDムック 9月7日発売!
~未曾有の大惨事から約150日 被災当事者が取材した秘蔵映像集~
◆7. ケーブルショー2011開催
◆8.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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