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第382号 「スマホ市場の拡大を背景に「スマホストレスラボ」も誕生」
[2011.11.08号]
知り合いの奥さんが、先日、こんなことをいっていた。「うちの子供たちって、いつもパソコンでテレビ見ているのよね。何でかしら? あっ、考えてみたら、テレビは、ゲーム機につなぎっぱなしだ」
その先、質問をしようとしても、質問をするチャンスさえくれないほど、早口で話す奥さんで、何度かチャンスをうかがっているうちに話の中心は、テレビから遙かかなたの話題に飛んでいて、質問をするのはあきらめた。
高層マンションの上層階に住んでおり、何かの用で、こわごわとエレベーターに乗って、何度か、お宅にお邪魔したことがある。リビングにJVCの大画面のテレビがあるのはよく覚えているが、子供たちの部屋にも、それぞれテレビがあるとは知らなかった。子供たちといっても上の息子さんは、もう社会人で、下の娘さんも女子大に通っており、就活に忙しい日々を送っているようだ。
ある会社の人事の方が、「今、新入社員を採用する際に、『ゲームをやったことがない』という人の方があぶなくて採れない」といっていたが、息子さんは、仕事から疲れて帰って、あるいは休日に、娘さんは就活の合間のストレス解消にゲームを楽しむのかも知れない。
いつでもできるように、テレビには、ゲーム機をつなぎっぱなしで、その結果なのかどうかはわからないが、テレビはパソコンで見ていると。それが、20代の普通のスタイルかどうかはわからないが、ある一定の割合で、同じようなメディアとの接触スタイルをしている人はいるだろう。
9月6日のSSKと共同企画で開催したケーブルセミナーで講演をお願いした米沢のケーブルテレビ「ニューメディア」の中川宏生・米沢センター長が、「お客さんのご家庭には、ケーブルのSTB以外にも、ゲーム機などテレビに接続する端末や、パソコン、プリンターなど、それこそいろいろな端末がある。特に今は、Wi-Fiをつんでいる端末が増えてきているので、そうした端末をネットワークで使えるように設定してあげると、非常に喜ばれる。」と話をされていたが、そういったニーズは、今後ますます増えるのだろう。スマホやタブレットPCが家庭に普及するようになると、「使い方を教えて欲しい」というニーズは、さらに大きくなるだろう。
10月27日に行われたJ:COMの記者会見でも、森修一社長が、今後の戦略を話した中のひとつに、「インターネット関連のサービスも、これまではお客様のパソコンに触ると、データがなくなった、あるいは壊れたなどの問題が起きるといけないので、責任分岐点のモデムまでしか担当してこなかったが、やはりこれからはその先のサービスにも取り組んでいかないといけないと思っている」と話されたが、家庭内のIT化が進展し、ホームネットワークが徐々に現実のものになるに連れて、お客さんからは、いろいろ新しいサービスの需要が生まれてくるだろう。
夏前だったと思うが、NTTコミュニケーションズが個人や法人向けに、『スマホの使い方を教えます』というサービスを開始していたが、せっかく買ったスマホを思う存分使いこなしたい、という気持ちは、誰しも持つだろうから、『IT機器を使いこなすためのサービス』需要は、今後も増大するだろう。
家族同士だと、息子や娘から「マニュアルをきちんと読めばいいじゃない」と言下に切り捨てられてしまうようなこともあるようだから、そのうち、中年から年配の奥様方が、ホテルランチを楽しみながら、『スマホの熟練者に、初心者が教えを乞うている』というようなシーンもあちこちで見掛けるようになるだろう。
90年代後半、ケータイ電話が普及しだした時も、そうした光景は何度か見掛けたし、ソフトバンクがADSLを普及させるためにモデムの入った赤い袋を配った時にも、食事する奥様方の話題のひとつに、ソフトバンクの赤い袋から始まって、「入った、まだ入ってない」の延長上に、「ネットにつないでスカイプにすると電話がタダよ」「スカイプって何?」というような会話が交わされているのを耳にしたこともある。
「一億総中流」といわれた時代からみると、上流階級に上った人、下流に下った人など、かつての中流のその後はさまざまだが、それでも日本は、まだまだ分厚い中流層を抱えている市場ということができよう。
市場に出回っているケータイ電話の8割ほどが、数年(日本の市場は加速するとスピードが早いから2年かからないかも)でスマホに替わる、といわれているが、もう加速の段階に入ったと思う。
京葉線の電車の中で、利用されている端末も、ぱっとみで、ケータイ4割、スマホ3割、ゲーム機2割、タブレットPC1割くらいになってきた。
意外と、年齢の高い人には、タブレットPCが、思った以上に普及するかもしれない。
年齢の高い層に、喜ばれるアプリケーションとしてどのようなものが出てくるのだろうか。買い物支援は、もうすべての高齢者に必要なサービスとなろうとしている。
IT技術は、そして誰が、その需要と期待に、どのように応えるのだろうか。(い)
【目次】
◆1.より良いスマートフォンの登場、よりユーザーにとって使いやすいモバイル通信インフラの
発展のために『スマホストレスラボ』が誕生
◆2.イッツコム主催の落語会を“たまプラーザ テラス”で開催!
三遊亭円楽、柳家三三による『イッツコム特撰落語会』
~共同購入チケットウェブサイト「ポニッツ」にて優待価格で販売!~
◆3.イッツコム、お得な共同購入チケットがリモコンで買える、『リモコンで!ポニッツ』11 月開始。
~テレビで購入ができる、「ポニッツ」がもっと手軽に
◆4.Nコム、次世代光通信技術を日米間海底ケーブル「PC-1」へ商用導入決定
~PC-1の通信容量を最大10Tbpsへ拡張~
◆5.Nコム、東京第6データセンターの建設開始。クラウドサービスの主要基盤の
ひとつとなる都内最大規模のデータセンター
◆6.NTTラーニング、オンライン英会話サービス「バーチャル英会話教室」と
英語学習サービス「iKnow! R(アイノウ)」と連携
◆7.NTTラーニング、新たな学習スタイルを創り出すコンテンツマーケット
『Manavino(マナビノ)』のサービス提供開始
◆8.NTTドコモが「中期ビジョン2015-スマートライフの実現に向けて-」を策定
◆9.秋田ケーブルテレビ(CNA)が緊急情報の放送を開始
◆10.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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