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第388号 日本でも、タブレット視聴時代がそこまでやってきた

[2012.02.18号]

 このところドコモ、KDDIで、スマホやケータイのトラブルが続いている。トラブルは困るが、スマホの予想以上の売れ行きと、想定以上のトラフィックの増加が、その背景にあるのだろう。

 昨年の5月頃の新聞報道で、「消費者センターなどに、『スマホが使えない』という苦情が増えている」という記事を読み、「それだけ売れているからだ」と本欄に記述したことがある。
 それを裏付ける「(昨年)3月の最終週に、1週間のスマホの売れ行きが、初めてケータイを超えた」(その後、毎週超えているわけでもないのだろうが、詳しいデータは資料を購入すればわかるだろう)というジーエフケー マーケティングサービス ジャパン 株式会社(GfK Marketing Services Japan Ltd.)のニュースリリースを紹介し、さらに昨年11月に同社が発表したスマホやタブレットの売れ行き動向に関する調査のニュースリリースは本文で紹介している。
          http://www.gfkrt.com/japan/about_us/index.jp.html
 昨年6月中旬にシカゴで行われた「NCTA2012」を取材し、その後、ニューヨークのヴェライゾン、ケーブルビジョンなどを訪問して話を聞き、スマホやタブレットの大きな流れを目の当たりにし、「この波は、やがて程なく日本にやってくる。そして、日本に来ると爆発的な普及をする可能性がある」と感じて帰国した。
 その後、ジャーナリストの神尾寿氏が9月30日に、「スマホストレスラボ」を立ち上げ、その記者会見の際に、「(キャリア側の市場投入が遅れただけで)実は、日本では、スマホやタブレットを受け入れる市場はすでに出来上がっていた」という話をした。その話を聞き、「普及に加速が掛かる」ことを確信し、日頃利用しているJR京葉線の中で、乗客が時間をつぶしているモバイル端末機器の変化に注目し、昨年秋には、何度か本欄でも、「スマホの割合が増えて来ている」と報告した。
 その頃、電車の出入り口の両サイドを中心に出されていた広告が、「スマホのみなさん!飛んでます。FLET’S 光 WiFi」というNTT東日本の広告である。広告に起用されている男性タレントの名前は分からないが、「家の中のWi-Fi化が進むのか」と思いながら見ていた。

 年明けの386号の本欄では、「有楽町のビックカメラのテレビ売場の一部が、スマホやタブレットのアクセサリー売場に様変わりしていた」と報告した。2月に入った現状では、JR京葉線の車内でモバイル端末を利用する人の8割ほどがスマホに変わってきている。時間帯にもよるだろうが、それでも7割はスマホに変わっているだろう。
 スマホのアプリケーションの話題が、職場の新しいコミュニケーション関係を創出している話もここで紹介した。(キャリア関係者でもない限り)夜の商談でも、まずあたりさわりのない話題は、スマホやタブレットの話題である。その後、二次会で、クラブに行っても、やはりスマホの話はあたりさわりがない。

 つい昨年までは、冠婚葬祭の際に、あたりさわりのない最大公約数的な話題のひとつは、「地デジ化」であった。あるいは、テレビを買い替えたか。プラズマにしたか、液晶にしたか。価格がどれくらいだったか。そんな話題を出しておけば、みんながだいたい参加できた。
 おそらく今は、スマホ(タブレット)、WiMAX+Wi-Fi、facebookあたりを出しておけば、話題が尽きることはないだろう。特に、スマホを出しておけば、「私も替えた」というおばさんがいたり、「私は、ケータイで十分」というおばさんがいたりするだろうが、それ以上、その話題でケンカになることもないだろう。

 8日に、事務局を仰せつかっている「ケーブルテレビ経営者研究会」の研究会を東京ドームホテルで開催した。当日、JR京葉線の検見川浜から電車に乗り込み、受付を頼んだ女性スタッフと並んで座っていたが、久しぶりに電車に乗るという彼女の口からは、「もうみんなスマホよね。そろそろ取り替えないと時代に取り残されるんだろうけど、最近はあまり外出もしないし、使う機会がないから、どうかなあって思ってしまうのよね。だって、ケータイだけで日常生活は、事足りるし、毎月2,000円ちょっと。スマホに替えると最低でも5000円は超えるんじゃないの~」と、「もうちょっと安ければ、替えるのに」という気持ちはありありである。
 娘と息子は結婚して、それぞれ別の家庭を持ち、定年したご主人と2人暮らしの彼女だが、「それほど使わないかもしれないけれど、スマホは使ってみたい」という気持ちは明確に持っているのである。
 『ご主人と2人で入ったら、安い』『(しばり期間は少し長いが)使用料にあわせて、支払いができる』というような(無茶苦茶なネーミングだが)「銀婚式を終えて、金婚式に向かうお二人のさらなる豊かなコミュニケーションのための『ゴールデンシルバーコース』」みたいなパックを作ると、新たな需要を掘り起こすのではないか、などと思った。
 もう一人の女性スタッフは、去年の夏前から、スマホに替えたくて替えたくて仕方がないのだが、ハードメーカーに勤める娘さんから、「おかあさんに教えるのが、私の仕事になってしまうからダメ」といって、同意が得られないまま、「スマホに替えたい」という思いの火は消えず、ますます燃え盛ってきているようだ。もうそろそろ、「替えちゃった」という彼女の声が聞こえてくるような気がする。

 実は、こういう思いを持った人は多いのだろう。今でも、パソコン教室をやっているケーブルテレビ局も多いが、ケーブルテレビ局でも、スマホやタブレットの操作方法を教えます、というような、取り組みがちらほら見えてきている。「誰が、顧客ニーズを満足させてあげられるか」なのだろう。
 ケータイショップなどでは、契約を締結するのにそれなりに時間が掛かる。混んでいれば、待ち時間もかなりなものになる。
 購入し、実際に操作してみて、「あれあれ」と思うことは誰にでもあるだろう。そんな時、操作方法を教えてもらうのに、1時間以上も並んで待つというのも、ちょっとできない、という状況もあるだろう。そういう人に対して、『あなたの毎日の生活に必要なスマホの基本的な操作、徹底して教えます』というような少し割高なコースだって需要はあるのではないだろうか。

 昨年の10月上旬に名古屋で行われた「ケーブルテレビフェスタ」の公式行事としての懇親会の後の、錦で行われた有志による自由参加懇親会の際に、スマホにダウンロードしたfacebookのアプリケーションで、別なお店で自由参加懇親会を開催している友人とコミュニケーションをしているIさんを羨ましいと思っていた筆者だが、昨年の12月24日にPCでfacebookに登録した。しかし、その後、スマホとどう連動させるのか、理解できなく、また誰かに聞くのも何かとっても恥ずかしいことなのではないか、などと臆していたが、結局、1月19日の東海地域の賀詞交歓会の際に、顔を合わせたIさんに事情を話すと、「ここをこうしてこうすれば、今、ダウンロード中。パスワード覚えてる?」「いや、急には思い出せない。なんだったけなあ~」「あとで、思い出したら、ここに入れれば大丈夫」ということで、その夜、メルパルク名古屋のホテルの部屋で、考えられるパスワードを何回かトライしているうちに思い出し、無事、スマホでfacebookが利用できるようになった。

 その後、2月4日、高校の同級生で大学も同じ学部だった友人から、10数年ぶりにfacebookにメールが入っていた。今月末あたりに、どこかで一杯飲ることになっている。

 また、その翌日の5日は、大学を出て、すぐに働いたインターカルト日本語学校時代に、アメリカのカリフォルニアから、日本語を勉強しに来ていて、よく一緒に飲んだ友人の男性から、「伊澤ひでゆきさんを探しています。……」というメールが届いていた。
 実に、30数年ぶりである。3つ4つ下だった彼も、すでに50ほどになっており、沖縄出身の女性と結婚して、息子と娘をもうけていた。
すぐに友達リクエストを彼と奥さんに送ったが、若い時、「またきっと会うこともあるだろう」と、何の別れの挨拶もないまま別れてしまった友人から、「探しています」メールが届いた現実には、たいへん、驚いた。
最後のバスに乗り遅れまいと登録した「facebookの価値」は、私にとって、想像以上のものであった。きっと、そういう再会が世界中でたくさん起こっているのだろう。(い)


【目次】

◆1.《特別インタビュー:ひろしまケーブルテレビ》
   データ放送で市民に広がる「使うテレビ」
   ―11月21日の広島県北部地震の緊急地震速報も文字スーパーで瞬時に配信

◆2.入間ケーブルグループの4局、地域密着のデータ放送を開始
   ―共有システムを一元管理して導入・運用コストを削減。全配信地域共通コンテ
    ンツと地域独自コンテンツを組み合わせ、効率的に配信

◆3.SCNが入間ケーブルテレビ グループ4 局の
   データ放送向けに情報配信サービスを開始

◆4.ジャパンケーブルネット、全社キャラクターに松平健さんを起用

◆5.浦安市とJ:COM 浦安が連携
   「J:COM緊急地震速報」に防災行政用無線を配信 2月15日より提供開始

◆6.ジェイコム九州とJAハウジングセンター(福岡市東部農業協同組合)
   賃貸集合住宅に関する業務提携契約を締結
   ~インターネットとケーブルテレビサービスの普及促進で合意~

◆7.横浜市南区とJ:COM 横浜が「災害時における緊急情報等の放送に関する協
   定」を締結―J:COMチャンネルで緊急時の災害情報等を提供

◆8.キャッチネットワーク、家庭向け超高速光ファイバーサービス
   「キャッチ ネクスト」の提供開始
   ~4月よりFTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)サービスを順次拡大~

◆9.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内

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