cbaニュース
第389号 Oniビジョンが防犯・見守りライブカメラサービスを開始
[2012.02.29号]
ある勉強会で、1月に米国のラスベガスで行われた2012CESの会場で紹介されていたスマートTVの話題が出てきて、質疑応答の時間に、会場にいた通信系の会社の方から、「スマートTVは、本当に売れると思いますか?」という質問が出た。講師は、「まあ、売りたい人がいる、ということはいえますね」と答えていた。
テレビメーカーの方は、「今後のテレビの在り方について、率直なご意見を伺いたい」と質問していた。日々、これからのテレビの在り方を追求するのが仕事のプロ中のプロだけに、切迫感に満ちあふれていた。
勉強会の後の懇親会でその方と話をしたが、「テレビでは儲けが出ない」のだという。「極端な話、スマホよりも安い価格で売られている。スマホだと、5万円とか6万円。それでもメーカーのほぼ納入価格。メーカーにしてみれば、10万円近い値段で売ってくれ、というのが、通常の感覚。キャリアさんは、後々、通信料で利益を回収できるから、原価に近い価格で出せている。そのスマホよりも安い価格でテレビが売られている、というのは、メーカーの立場で言わせてもらうと、あまりにもテレビが安く売られすぎている」という。
「テレビの価格が下がっている」という話は聞いていたが、最近は有楽町のビックカメラに行っても、スマホ回りを見て時間を費やしてしまうことが多いので、テレビの価格はあまり気にしていなかった。だから、「3年ほど前、32型を買った時には、10万円ちょっとした」と話すと、「今は、量販店に行けば、3万円台で出てますよ。32型はお買い得。かえって20型の方が高かったりする」という。通信系の会社の方も会話に参加して、「2台目、3台目を買うのにはいいチャンスじゃないんですかね」という。
《そんなに安いのか》と思ったが、ということは、《デジアナ変換サービスの利用世帯を多く抱えているケーブルテレビ局は、テレビの安いいまこそ、『アナログTVからデジタルTV』への買い替えを促進するいいチャンスなのではないか》と思った。
本稿を書くのに、ビックカメラのサイトを確認してみると、たしかに20型のテレビは、32型より、高めだった。しかし、22型は、32型より安め、37型は、20型より高めな傾向にあった。疑っていたわけではないが、「32型がお買い得」というメーカーの方の話は本当だった。
講師の話の中には、ハリウッドのウインドウシステム(映画などのコンテンツを流通させる順番)が、
これまでの「劇場→DVD/BL→ペイTV(ケーブルテレビ)→地上波」から
「劇場→『ウルトラバイオレット』→ネット配信(ネットフリックスなど)→地上波」
に変わってくるだろう、という指摘があった。
『ウルトラバイオレット』は初耳だったので、回りを見渡すと、参加者のほとんどはどうも知っている様子。メーカー系の人も多いので当然かとは思ったが、要は、DVDやBLの次に来る規格のようである。質問して確認すると、現在進められている「クラウド時代の記録メディア」のようである。Appleやディズニーはまだ参加していないが、「やがて参加することになるのではないか」ということであった。自ら記録媒体を持たなくても、ネット上にというか、クラウドで所有して、そこに好きな映画やドラマのコンテンツが保存される、というようなものなのだそうだ。
ついこの間、DVDからBLになったと思ったら、もう次の規格が進んでいる。翌日、ネットに『ウルトラバイオレット』と打ち込んでみると、米国在住のジャーナリスト小池良次氏の記事が出てきて、昨年のNCTA2011の初日のゼネラルセッションで、タイムワーナー社のジェフリー・ビュークス会長が、取り上げて話をしていたようである。「クラウドDRM」というそうだ。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/15849
昨年シカゴで行われたNCTA2011には、2日目から参加したので、初日のそのセッションは、聞いていなかった。やはり、初日は、いろいろ話題性の高い話が多い。今年、5月20日からボストンで行われるNCTA2012には、5月20日の日曜日に、新しく就航したJALの直行便で成田を出発して、20日の夕方にボストンに入る。月曜日の朝一から、初日のゼネラルセッションが聞ける。英語が堪能であったら、と思うが、とりあえず、キーワードを聞き漏らさないようにしようと思う。あとは、通訳さんに頑張ってもらおう。
しかし、アメリカでは、次から次へと新しいものが生まれてくる。《そういえば、facebookの次にも何か生まれているのだろうか》と思って、そちらの方面に詳しい通信会社の方に、質問すると、「写真でコミュニケーションをする○○○○というのがあるよ」という。 カタカナ文字を聞いた時は、覚えたつもりだったが、すっかり忘れてしまった。やっぱりメモをこまめにしないといけない歳になっている。
何でも、写真を投稿しあって、感じるコミュニケーションをするのだそうである。今度お会いした時に、また詳しく聞いてみよう。(い)
【目次】
◆1.《特別インタビュー:Oniビジョン(岡山ネットワーク)》
月額997円を打ち出したOniビジョンの防犯・見守り
ライブカメラサービス「Cable-Eye」(ケーブルアイ)
◆2.メディアキャスト、データ放送コンテンツ動作検証システム
「ShotMUX Complete」を半額以下に値下げし提供開始
―PC 1台で放送環境を疑似構築し、実際に視聴者が使う各種受信環境で検
証が可能
地方局、CATV局、エリアワンセグなどの低コストニーズに応える
◆3.「iTSCOM TV」、話題の新チャンネルを提供開始
~映画・ドラマ専門チャンネル『IMAGICA BS』など3月放送スタート~
◆4.ジャパンケーブルネット、「この春、JCNテレビがパワーアップ」
◆5.公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」のスポット数が7万を突破
◆6.JC-HITS、2012 年4 月に追加する全HDチャンネルを決定
◆7.スカパーJSATが、「DBJ 防災格付」融資の格付取得~放送・通信事業者と
しては国内初~
◆8.シンディ・ローパー × WOWOW 被災地支援イベント
3月11日のライブを全国の劇場でODS同時生中継・東北3県では無料
◆9.エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ、電子書籍業界初! ソーシャルメディア
の声を反映させる新しいマンガ、みんなでモテオヤジに育てる育成型コミック
「桃色煩悩男子」をリリース
◆10.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
次号へ | cbaニュース一覧 | 前号へ |