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第402号「世界で広がる、ネットが広げるマルチスクリーン市場」
[2012.09.24号]
今年5月半ば、ニューヨーク州に隣接するニュージャージー州のヴェライゾン社を視察し、FiOSTV(ファイオスTV)の説明を受けた際に、「2015年あたりになると、アメリカの平均的な家庭では、通信機能を搭載したデバイスが、一世帯に、少なくとも7つはあるだろう」という話があった。テレビ(スマートTV)、PC、ノートPC、スマートフォン、タブレット、ゲーム機器、ビデオ録画機、デジタルカメラ、デジタルビデオ等々。一瞬、《アメリカではそんなに増えてしまうのか》と思って、今日まで来たが、本稿を書くにあたって、よくよく考えてみると、それは日本の家庭でも同じことがいえるだろう。(アプリケーションの利用の仕方は違うかもしれないが)筆者のデスク回りを見渡しても、PC、ノートPC、デジタルTV、これまでのケータイ(ガラ携帯2台)、スマートフォン(2台)、デジタルカメラ(3台)とかなりの数になる。WiMAXを搭載したノートPCは、旅先で立ち上げるとすぐにインターネットにつながり、メールをチェックしたり、原稿を書きながら調べ物をするのに非常に役に立つので、何かと取材用リュックに入れて持ち歩いている。
9月2日から10日まで、ドイツ・ベルリンで行われた世界最大の家電ショー「IFA2012」(8月31日~9月5日)、アムステルダムの欧州放送機器展「IBC2012」(9月7日~11日)の2つのショーの取材に出掛けたが、欧州ではWiMAXは使えないというビックカメラの説明員の話を聞いていたので、持って行かなかった。かわりに、スマートフォンを使って、現地の様子をfacebookに上げようと思って出掛けたのだが、これはうまく回線がつながらず、どうにもかなわなかった。IFAのプレスセンターでWi-Fiが準備されていたので、トライしてみたが、パスワードの打ち間違えだろうと思うが、機械オンチの筆者には、こちらもうまくネットの世界に入っていけなかった。
というわけで、しばらく通信環境から離れた状況に置かれていたが、ドイツのベルリンでも、アムステルダムでも、現地の人はもちろんのこと、スマートフォンを持った旅行者が、サクサク地図を検索している様子がうかがえたので、来年は、事前に現地の通信環境を調べて、せっかく持っているスマートフォンを活用したいと思った。写真やビデオを撮る以外に。
アムステルダムを経由して、ベルリンのテーゲル空港についてすぐに、通信環境の外に置かれた状態であることに気がつかされた。これは、昨年6月、《米国のシカゴに着いて、ローミングをすると、すぐに現地の出会い系の迷惑メールが届いていた》という経験があったので、けっこうショックだった。しかし、手立てがないので、気を取り直し、初めてのベルリンの写真を撮りまくろうと思った。
空港に客を拾いに来るタクシーは、みんなベンツだった。トランクにスーツケースを積み込み、後部座席に座ると、腰は深く沈んだ。さすがベンツ。ルーフは開いている。運転手は、好きな音楽をかけ、まだ日の高い19時過ぎの、車の少ない日曜の夕方の市内をかなりアクセルを踏み込んで飛ばしている。どこの何通りを走っているのかは全くわからないが、中心街では、ビルの壁面一面に広がるサムソンの大きな(布製の)屋外広告が目に入って来た。(後で、ポツダム広場駅の交差点とわかる)いきなり、「世界のサムソン」の勢いを感じさせられた。近くには、SONYのベルリン支社があり、そこにも同じように布製の屋外広告があったが、サムソンほどの大きさはなかった。
やがて車は、静かな路地を入り、小さなホテルの前に止まった。路地には、家の2階くらいの高さのところに青いパイプが、張り巡らされていて、ここは昔、東ドイツのエリアだったのではないだろうか、と思わせた。バウチャーを出して、チェックインをする。5階の部屋だったが、こちらでは、「2階を1階」と数えるため、実質は6階になる。
エレベーターは、「開ける」の絵文字はあったが、「閉める」の絵文字はなかった。自動で、ドアが閉まるまで、数秒待たなければならない。ゆっくりとエレベーターは上昇し、5階に着く。部屋番号を探すと、ガラスドアを2回くぐった廊下の突き当たりの一番奧の部屋であった。バスルームをのぞくと、シャワーだけで、バスタブはなかった。(あとで、旅の本を開くと、《ホテルの部屋は、シャワーだけのところもあるので、バスタブがあるかどうかを確認する必要がある》とあった)冷蔵庫はもちろんない。空港からホテルまでの道すがら、看板はあったが、ネオンサインらしきものは目に入らなかった。セブンイレブンはもちろんのこと、マクドナルドも、ケンタッキーも目に入らなかった。街角には、飲み物のベンディングマシーンもない。コンビニエンスストアは、あるにはあるんだろうが、日曜日は、早じまいするようで、それらしきお店は見あたらなかった。
腹は減ってきているので、とにかく何か腹に入れて、シャワーを浴びて、寝てしまおうと、ホテルを出た。出た目の前に、パブのような店があったが、もう少し探してみようと歩いて行くと、交差点の角、地下鉄の入り口のところに、まだ人気のあるレストランが開いていたので飛び込んだ。50過ぎくらいの女性が出てきて、「いらっしゃいませ」は、もちろんないが、「2人」と指で示すと、テーブルを示してくれたので、いわれるままに座った。
欧米に出掛け、横文字のメニューが出される度に、日本の写真入りのメニューや店頭に並ぶ料理のサンプルはすごいなと思うが、いっこうに取り入れられる気配はない。これは、文化だから、絶対に変わらないのだろう。
まずビールを頼み、よくイメージはわかないが、スープとサラダとメインディシュを頼んだ。21時が近づき、あたりはとっぷりと日が暮れてきた。口に運んだ黒ビールがうまかった。(い)
【目次】
◆1.欧州家電ショー「IFA2012」フォトレポート
◆2.イッツコム、次世代高速モバイル通信LTE に対応!
「かっとびモバイル(EM)」 LTE プラン提供開始
◆3.イッツコムのテレビサービス“iTSCOM TV”
ハイビジョン(HD)チャンネルラインナップをさらに拡充
◆4.JCNグループケーブルテレビ局14局が社名変更
◆5.ジャパンケーブルネットが北ケーブルネットワークの株式追加取得
◆6.全関西ケーブルテレビジョン 緊急情報システムを導入
◆7.石ノ森萬画館の再開を記念して、キッズステーションのアニソンライブ番組「アニぱら音館」の公 開収録ライブ開催!
◆8.デュアルバンド無線LAN対応 DOCSIS3.0 準拠ケーブルモデムを新発売
◆9.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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