1. クリエイティブ・ビジネス・エージェンシーTOP > 
  2. cbaニュース > 
  3. 第413号 「あなたはテレビの進化をどこまで楽しめるか」

cbaニュース

第413号 「あなたはテレビの進化をどこまで楽しめるか」

[2013.03.14号]

 3月2日。そろそろ19時になろうとしていた。腹が減って、昼間作ったスパゲティの残りを平らげ、仕事の続きをしようとリビングに行くと、テレビでは、WBCの初戦、日本対ブラジルの開始前のセレモニーの映像が流れていた。
 こうした国際的なスポーツイベントは、どうしても国の威信を賭けてという雰囲気が漂う。まあ、多かれ少なかれ、団体競技にしろ個人競技にしろ、スポーツ競技には、「威信を賭けて」というマインドはあるものだ。幼子が、健気に走る幼稚園の競走にしても、意識はしていないだろうが、「威信を賭けて」というような潜在的な想いがあるのではなかろうか。
 日本国歌が流れ、ブラジル国歌が流れ、そうこうしているうちに、王貞治氏が始球式を行い、試合開始となった。
 それまでに、スパゲティやら、メンチカツやら、テーブルの上にあった3日が賞味期限のいちごパンを牛乳で流し込み、空腹を満たすと《頭3回くらいは、食休みで、見てみようか》という気持ちになっていた。
 ホームの日本が後攻と勝手に思い込んでいたので、《先発田中の調子をみて、いけそうだったら、仕事部屋にこもろう》と思っていたが、日本が先攻、ブラジルが守備についた。あっという間に、日本の1回表の攻撃が終わり、1回裏。緊張気味の田中の表情がアップになる。解説の工藤公康氏が、「これまでにない田中を感じさせる」と、こちらはやや興奮気味である。まるで、自分がマウンドに立っているようだ。「調子は悪くない」とも。しかし、先頭打者は、田中の何球目かの速球をとらえ、ライトに抜けんばかりの一二塁間のゴロ。これに追いついた鳥谷が間に合わない一塁に悪送球して、いきなりノーアウト二塁のピンチである。ワンアウトを取るものの、三番打者に、三遊間をゴロで抜かれ、ものの見事な先制攻撃で、1点を失うことになった。
 《これは、どっちに転ぶかわからないな》と思うと、だんだん《初戦だし、勝負の行方が決まるまでは見てみようか》という気持ちになってきた。 早めの継投で田中から杉内にスイッチし、日本が追いつき、勝ち越しの1点をもぎ取るが、この杉内も1点を失い、2対2の同点に追いつかれる。《これは、ひょっとするとひょっとするんじゃないの》と思うと、だんだん腰が重くなる。遂に、3番手で出てきた摂津が1点を失い、3対2に。《このままいっちゃうかもしれない》という雰囲気が球場全体に漂い、解説陣は何となく神頼み状態。
 アナウンサーだけが、何とかテンションを高く持ち、盛り上げようとする。8回表の1死二塁のチャンスに、井端が代打で出て来ると、普段冷静な古田敦也氏が、「井端、頼むぞ!」とまるっきり地の声になっていたから、こちらも思わず引き込まれる。期待に応え、井端が右前に同点タイムリーを放ち、ようやく追いつくと、解説陣の会話や声のトーンが、《ほとんどベンチの中にいるのと同じ状況だろう》と思うくらいの感情剥き出し状態に。
 1死満塁のチャンスに代打で出てきた阿部が初球を打ち、センター前に抜けるかという当たりに二塁手が飛びついたが、グラブに当てるのが精一杯。三塁から井端が生還し、ようやく4対3と勝ち越した。続く松田が、中前に弾き返して、5対3とリードを広げ、勝利を手にした。
 結局、4時間あまり、リビングのテーブルの前に陣取り、トイレにもいかず、チャンネルを替えることもなく、ずっとテレビを見続けてしまった。はっきりとした自分の意志で、4時間も、生放送を見続ける、というのは、昨年のロンドンオリンピックのなでしこのサッカーをセレモニーから見て以来かもしれない。(年末に、紅白の裏番組を6時間くらい見たことはあるが、これはまあ、何となくまわりのメンバーとのお付き合い)
 この間、いったい何本のテレビCMを見たことか。野球というスポーツは、非常に、テレビCMと親和性の高いスポーツだ。イニングの前後に必ずCMを挟むことができる。イニングの途中で、ピッチャーが交代すれば、その間にもCMを挟むことができる。テレビ局にとっては、非常にありがたい番組ということになるだろう。景気が良くなったせいなのか、あるいは春が近いからなのか、かなりのCMが入っていたと思う。4時間も見ていると、どのCMを覚えているかと聞かれても、記憶があいまいだが、《あっ、この商品、どこかで見たことがある》という程度には、(最近、記憶力がおぼつかなくなってきているとはいえ)記憶の奥底に残っているだろう。

 先日、近所に住むテレビ制作会社の方と少し言葉を交わす機会があった。最近は、テレビの受像器で、テレビ番組を見ることはほとんどない、という。「おやじは、液晶で見ているけれど、ボクは、ほとんどiPadですね。家の中なら、どこに居ても見られるので、Wi-Fiで飛ばしている。疲れて、長風呂がしたいなという時には、ちょっとコワイが、iPadを風呂の中に持ち込んで1時間くらいは普通に見ている」という。そういう人も増えているんだろうな、と思う。iPadを包む防水グッズもあるから、けっこう風呂好きにはいいのかも。
 風呂ばかりでなく、プールサイドやビーチで、タブレットを持って、映像を見たり、読書を楽しんだりするのが、ごく一般的な風景になるのかもしれない。(い)


【目次】

◆1.菊池桃子さん、“カートゥーン ニト親善大使”に就任!

◆2.JCNくまもとが「JCNスマートテレビ」の提供を開始
   ~熊本県で初めてAndroid?4.0搭載STB「Smart TV Box」を提供~

◆3.JCN中野が公衆Wi-Fiアクセスポイントを中野区の小中学校に導入

◆4.JCNの「防災行政無線に関するプラットフォームの自治体への提供状況」

◆5.2013年3月16日、東急東横線・東京メトロ副都心線の相互直通運転特別番組「渋谷、つながる。~相互直通運転スタート~」生放送

◆6.みなとみらい線全駅で公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスを開始
   -主要携帯電話事業者3社を含むWi-Fiサービスが快適に利用可能

◆7.株式会社ジェイコムイースト 横浜テレビ局、馬車道の新オフィスに移転
   ~2013 年3 月15 日に開所式:撮影スタジオ&ショールームもお披露目~

◆8.~須高ケーブルテレビ株式会社 開局25周年記念特別事業~
   映像とエピソードで綴る「私が選ぶ 須坂百景」をスタート

◆9.TDNが「タブレットTV」の共同開発・サービスを展開
   ~設置済STBとタブレットの連携によるマルチスクリーン・セカンドスクリーンサービスの提供~

◆10.<ヒストリーチャンネル>「第1回ヒストリーアワード~地方の歴史から日本を紐解く~」グランプリ・準グランプリが決定!
   グランプリ:「語り継ぐあの時代~延岡市出身の特攻隊長 黒木國雄とその父へ~」
   準グランプリ:「焔の男 石井十次~日本初の孤児院は岡山で生まれた~」

◆11.アクトビラの「マイチャンネル」で㈱日本測量の「不動産TV」スタート
   法人向けコラボレーションプログラム「マイチャンネル」サービスとして登場!

◆12.DMM.comがTVサービス開始 マルチスクリーンサービス本格スタート
   アクトビラと「マイチャンネル」サービスでコラボレーション

◆13.スカパーJSAT、4K映像のライブ伝送実験を実施
   ~衛星を使用した4K映像のJリーグ生中継~

◆14.ソフトバンクモバイル、「SoftBank SmartTV」提供開始

◆15.Avid 顧客、2013年アカデミー賞を独占

◆16.BNMUX、RF信号を光ファイバーで伝送する「RFoGシステム」提供開始

◆17.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内

cbaニュース一覧

有限会社
クリエイティブ・ビジネス・エージェンシー

〒261-0012
千葉県千葉市美浜区磯辺5-12-2-303


cbaニュースのご購読の申し込みは、電話かFAX、メールにてお願いいたします。 (担当:伊澤)

TOPcbaニュース視察ツアーセミナー・研究会出版物のご案内事業実績会社概要PHOTOSお知らせお問い合わせサイトマップ

Copyright (C) Creative Business Agency
PAGE TOP