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第434号「あなたは録画派、それともVOD派?」

[2013.12.25号]

 あっという間に年末がやってきた。10月くらいから、年末進行に気持ちを切り替えて、仕事を進め、今年こそは年末に大掃除をしようと決意をしていたのだが、どうにもこうにも、大掃除をする時間は取れそうにない。
 10月の半ば頃、「早めの大掃除」と部屋の中の古い資料などをだいぶ片付け、「今年は、順調な大掃除の滑り出し」と、若干《これで終わってしまいはしないだろうか》との危惧を持ちながらも、《そんなことはないだろう》と高をくくっていたが、最近話題になった言葉を使わせていただくと「慢心」であった。
 やっぱり、その危惧の通り、大掃除の時間は取れなくなった。その分、毎日、きれいに整理整頓しているかというと、そんなことがあるはずもなく、取材先でいただいた資料など、一応、紙袋などにまとめて入ってはいるものの、そうした袋が、たくさんあるから、仕事部屋はおろか、リビングや布団を敷く部屋のあちこちにも、そうした袋、特に、BNMUXでいただいた2012年バージョンのトートバッグ(グリーン)は、そこかしこにあって、部屋の緑化に貢献してくれている。

 今年も、あちこちのケーブルテレビ局を訪れた。行こうと思っていて、なかなか行けていない局もある。何度目かの訪問の局もある。行けるか、行けないかは、その時々のタイミングであったりするわけだが、また来年も、できるだけ、いろいろ各地のケーブルテレビ局を取材に回ってみたい。
 思えば、1990年前後から、本格的にケーブルテレビ局の取材に回り始めた。全国のあちこちに、それこそ雨後の竹の子のごとく、ケーブルテレビの設立計画が持ち上がったからだ。当時は、450MHz帯のツリー状の伝送路が主流で、双方向とはいっても家庭のSTBまで双方向のいわゆる「完全双方向」というケーブルテレビ局は、あったとしても数える程しかなかったと思う。あったように思うのだが、もう遠い記憶になって思い出せない。それから、もう何年か後になると、米国からHFC方式の伝送路設計の考え方が日本に紹介された。局舎から、住居地域の近くまで、光ファイバーを引き、ノードから下を同軸の伝送路で分岐する、というシステムだ。将来的に、ノードから下にぶら下がる世帯数を小さくしていけば、双方向のトラフィックにも十分対応できるというメリットがある。米国のケーブルテレビは、基本的に、今でもHFCが主流である。
 当然、当時の日本には、FTTHという考え方はあった。しかし、「今、そこまで必要か!?」という意見もあった。噴出した、という方が正しいかもしれない。投資コストが高いし、そのコストを回収できるか、リスクが大きかったからである。しかし、「いつかは、FTTHだよね」という合意点は、多くの人が同様に内包していたと思う。ただ、その「いつ」かは、その人によって多少のズレはあったかもしれない。
 しかし、最近のケーブルテレビ業界の動向をみると、「いつかは、FTTHだよね」のその『いつか』がやってきたんだろう、と思う。もちろん、早いところは、21世紀に入ると、早々に取り組んでいる。その後も、平成の大合併の際に、FTTH方式で整備された地域も多い。独自資本で、FTTH化を行ったケーブルテレビ局も毎年何社かあった。

 ここにきて、「FTTH化の先進事例の見学」の話が、けっこう耳に入ってくるようになった。《ああ、あそこもFTTH化を行うのか》と思うことが多くなったのである。20年前の「いつかは、FHHTだよね」のその時が来たんだろう、と思えてきた。この投資に見合うサービスを提供し、投資コストを回収する、という新たな挑戦の時代を迎えるのだろう。そのためには、ケーブル業界全体で、視聴者にメリットを提供できるようなサービス開発が必要なのだろう。そして、そのためには、ケーブル業界全体でプラットフォームを共有することが必要なのだろう。しかも、それは、IPベースになっていくのだろう。

 米国のインフラ事情は少し違う。やはり、基本は、HFCである。しかし、IPに主軸が移行中であることは言を待たない。2011年のNCTAツアーの際の企業訪問で、NY郊外のケーブルビジョンを訪れた際、参加者がFTTHに関する質問をしたが、「日本のケーブルテレビは、電話会社がFTTHにしているので、対抗上FTTHにしている」と認識している、という答えが返ってきた。「FTTHにした分のコスト見合いの利益を上げているとも思えない」とも。    2012年のNCTAツアーの際も、ケーブルビジョンを訪れた。
参加者には、FTTHに関する質問は避けるよう、うながしていたつもりであったが、やはり、先方の口から考え方を聞きたいのだろう、参加者の一人が、「なぜアメリカのケーブルテレビはFTTHにしないのか?」という質問をした。答えたのは、最近、社長として就任したばかりの女性だった。彼女の答えは、「あなたは、FTTHにすれば、世界が平和になるとでも思っているの!?」だった。女性通訳は、淡々と、彼女の言葉を日本語に置き換えた。
 事情通に聞くと、「米国でも、FTTHに関する実験等は終わっている。しかし、いかんせん、コストが合わない」ということだった。FTTHといわれるヴェライゾンでさえ、宅内は、しっかり同軸を中心にシステムが組まれている。これも、コストである。米国の国土は、とてつもなく広い。
 狭い日本で、ケーブルFTTHが、どのような花を咲かせるのか、大いに期待したい。(い)


【目次】

◆1.テレビをネットに繋ぐ時代がやってきた

◆2.JCN、「Smart TV Box」に無線で接続できるキーボードおよびマウスの販売開始

◆3.須高ケーブルテレビ、総務省 平成24年度 地域公共ネットワーク等強じん化事業
   「地域ケーブルテレビネットワーク整備事業」無線IP映像伝送システム完工

◆4.ケーブルメディアワイワイが地元自治体(日向市・門川町)と災害放送に関する協定締結

◆5.イッツコム、緊急時、自動的にテレビの電源を「ON」にしてお知らせする
   『プッシュ型テレビ向け生活情報配信サービス』の実証実験を開始

◆6.イッツコムのテレビサービス“iTSCOM TV”がハイビジョン(HD)チャンネルラインナップを拡充

◆7.J:COM オン デマンドで初配信!人気コミックを声優の声で楽しめる動画
   「モーションコミック」が12月9日よりスタート!

◆8.和歌山市観光協会×J:COM和歌山コラボ企画
   ジモト大好き応援企画 和歌山ええとこいらっSai!

◆9.「LINE」にケーブルインターネットZAQのキャラクター
   「ざっくぅ」オリジナルスタンプ第2弾が登場!
   全16種類を12月31日から無料配信開始

◆10.「ゆめのランチボックス」~イラスト大募集!キャンペーン~
   番組出演のチャンスや応募者全員プレゼントも!!

◆11.第26回「ケーブルマン・オブ・ザ・イヤー2013」贈呈式開催

◆12.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内

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