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第227号 「デジタルTVになるのはいいけれどリモコン操作に四苦八苦」

[2005.04.25号]

 4月25日。窓から見える桜は、すっかり散ってしまっている。
1月下旬から、『オールケーブルネットワークの構築を目指すケーブルテレビ業界の動向と市場展望――都道府県別ケーブルテレビの整備状況と競争環境 2005年度版』という長いタイトルの報告書作りに取り掛かっていた。ようやく4月22日の夜中に出来上がり、本日、印刷所に入れた。ページ数は、約300ページ。価格は、税込で94,500円。パンフレットは、今から作りますが、ご関心のある方は、ぜひお買い求めください。よろしくお願いします。
 作業はまず、これから地上デジタル放送の普及にケーブルテレビがどのように貢献をしていくのか、ケーブルテレビとIP放送事業者の競争はどのように展開されるのだろうか、ということを考え、各都道府県別にケーブルテレビのある地域を塗りつぶした。難儀だったのは、市町村合併。あちこちで合併が進み、名前が変わり、ケーブルテレビが建設され、ネットワーク化も進展している。
 NTTの固定電話の契約数、FTTHアクセスサービスの契約数なども掲載した。3月末でFTTHはおそらく300万契約に達している。2006年3月末には、その倍の600万になるとの見方もある。
ケーブルテレビのある地域を塗りつぶすと、地上デジタル放送のなかなか届かない地域が浮かび上がる。こういう過疎地域に、どうやって地上デジタル放送を届けるのだろう、と思ってしまう。最後は、衛星かもしれないし、2010年くらいになると、<他に代替手段が無い場合には>という条件つきで、IPでの地上デジタル放送の再送信にNHKや民放も同意するようになるかも知れない。
 県庁所在地では、IP放送事業者がすでに乗り込んで営業展開していたり、これから乗り込んでくる事業者もいるから、とんでもない価格競争が起こってくるのだろうな、と想像できる。「多チャンネル放送、インターネット、電話」のトリプルプレーをいくらで提供できるか、という競争である。
 2000年頃だと思うが、「<1万円でおつりがくる時代>がやってくる」と本紙でも書いたし、ある雑誌にも書いた。しかし、あまり関心を持たれなかった。「そんなことはないだろう」と思う人が多かったのだろう。
 しかし、ジュピターテレコムやタイタスは電話事業を始めていたし、ケーブルインターネットも始まっていた。ADSLもサービスが始まっていた。携帯電話の競争も激しさを増してきていた。そして、家計における情報支出の割合が急速に高まりつつあった。だが、その高まる情報支出をカバーするような給料のアップは、もはや期待できない時代である。リストラもどんどん行なわれた。主婦は、パートに出る。しかし、51歳以上のパートの働き口はほとんどなかった。女子高校生も携帯電話の料金を払うためにバイトに精を出していた。
 大黒柱の亭主の給料が上がらないから、情報サービスの対価を十分に払っていける庶民の数は自ずと限られてくる。そうなると、マーケットが小さくなるから、囲い込みが始まる。囲い込みの手段として、(NHKの受信料と新聞代を除く)様々な情報サービスをまとめて1万円以内で提供した企業グループが生き残るのではなかろうか、と考えたのである。
 しかし、考えはしたが、本当にそういう時代がやって来るとはあまり思ってはいなかった。もし来るとしても、もう少し先かな、という感覚でいた。
 しかし、関西では、関西電力グループが、8500円程度でトリプルプレーサービスを提供している。NTT西日本や大阪ガスと連携して光ケーブルテレビというべき光パーフェクTV!のサービスを提供するオプティキャストも、8000円台の価格で勝負に出るようだ。
浦安に住むあるスタッフは、J:COMのトリプルプレーサービスを享受している。「テレビ、電話、ネットで1万円ちょっと。以前と比べると、半分近くになっている」という。「幸せなJ:COM生活」といったところだ。
 ところが、関西では、この価格をくぐる競争に一挙に行ってしまった。「1万円を切る時代は、もう少し先かな」と思っていたのは、段階を踏んで価格が下がっていくと考えていたからだ。それが、3段飛びみたいに下がった。儲かるのかどうかが心配だが、同じようなサービスがより安い価格で利用できるというのは、うらやましい限りだ。
せめてJ:COMエリアに引っ越そうか。(い)


【目次】

◆1.デジタルメディアの録画問題(その3)
  J:COMがHDD内蔵STBを年内に投入
  (1)STBでハイビジョン録画が可能 (2)HDD内蔵STBはオプションとして提供 
  (3)DVDに録画する機能は割愛  (4)3割程度の導入を期待している 
  (5)ハイビジョンとVODとDVRがデジタルサービスの柱
◆2.デジタルメディアの録画問題(その4)
  「好きな番組を録画して好きな時に見る」DVRという視聴スタイル
◆3.地上デジタル放送対応STBの出荷台数が累計で100万台突破
◆4.JC-HITS利用でCSデジタル多チャンネル放送をサービス
◆5.デジタルハイビジョンでコミュニティ放送――ミクスネットワーク
◆6.ヒットポップスがコンテンツ配信・アグリゲーション事業で新展開
  マイクロソフトの新サービス「MSNビデオ」へのコンテンツ供給を開始!

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