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第263号・264号合併号 「動画、Douga、ドウガ。ネットは「どうが」の花盛り」

[2006.10.24号]

 10月12日、夜8時、渋谷センター街の突き当り、宇田川町交番を東急本店の方に左折して50メートルほどのところのT字路に面したオープンテラスの「Hiki-Cafe」という店の中に一人で座っていた。テラスは、男女のカップルで占められていた。

 Cafeといっても、この時間にまさか、アイスコーヒーを頼むわけにはいかない。エビスの黒を冷えたグラスに注いでチビリチビリとやっていた。テラス越しに、道行く人を眺めながら時間を潰せる。キャッチセールスではないが、飲食店の店員がメニューを持って、道行く人に声を掛ける。これだけ積極的な行動をとるというのは店の入りが悪いのだろう。

 こんな時間に、一人でビールをチビリチビリ飲りながら時間を潰すなんて、普通ならありえないことである。しかし、どうしても1時間、時間を潰さなければならないのだ。なぜなら、今夜のお目当てのバーは、午後の9時から12時までの営業だからだ。少し、早めに着き過ぎたが、なにしろ初めて行くのと、センター街の地理にも詳しくないわけではないが、なにしろ久しぶりなので、迷う可能性もある。早めに行って、店の場所を確認して、それでしばらく時間を潰そうと決めていた。

 この日、午前中、なにげなくKNN(カンダニューズネットワーク)のHPを開いた。
(KNNのHP http://knn.typepad.com/
 KNNの神田敏晶さんは、「Web2.0でビジネスが変わる」という本を今年の6月に上梓したあの神田さんで、10年ほど前からの知り合いだ。彼がビデオカメラを担いで世界で初めてのインターネット放送局を始めて、それこそ世界中を取材に走り回りだした頃、知り合って、「イザワさんもやろうよ」と誘われたが、どうしても、川を渡ってネットの世界に行くことはできなかった。

 その後、ガリレオの赤木順彦さんにも、ネットの世界へのいざないを受けたが、守旧派の筆者は、ネットの世界にドバドバっと体ごと浸かることはできなかった。川のこちら側に残ってしまった。
(ガリレオHP http://www.galileo.co.jp/
 今でも、ネットの世界には、おっかなびっくり足を踏み入れて、転ばないように用心しながらつま先立ちで歩いているような状況だ。

 しかし、その日、なにげなくKNNのHPを開いたのである。本に出ていたので、神田さんが渋谷で、バーを開いているのは知っていた。そのうち行ってみようと思っていた。
 HPを読むと、「永らくご愛顧をいただいたdotBARですが、10月12日(木)を持ちまして閉店とさせていただきます」とある。
<10月12日…、今日ではないか!>ということで、その夜は、渋谷に出かけることにした。しかし、SNSでやっているバーだから、住所も電話番号も書かれていない。昔の電話帳はなくしてしまっている。しかたがないので、独立した時からお世話になっていて、神田さんとも非常に近い関係にある神宮前のKさんに電話をして、神田さんのケータイの番号を聞いた。

 その日の午後は竹橋で仕事があり、夕方には暇になる。神田さんは、HPによるとどうやらアキバのネットTVに生出演をするらしい。6時過ぎに電話をすればつかまるだろうということで、時間つぶしに、八重洲ブックセンターに足を運んだ。中村伊知哉さん監修のWeb2.0の本が高く積まれていた。(本の名前を忘れてしまいました。記憶力がどんどんなくなって…)
(伊知哉さんHP http://www.ichiya.org/

 いよいよ世の中、(テレ朝金曜夜のナイトドラマ「アンナさんのおまめ」に出ている)ベッキー風にいえば、「Web2.0みたいなあ~」という時代になってきた。

 日本人は、ある方向性に走り出すとコワイ。ためしに、Web2.0に関する書籍を検索してみたらもうかなり出版されている。みんなこれで走るのだろうなあ。でも成功する人もいれば、うまくいかない人もある。それは、「Web2.0のせい」ではないことも多いだろう。
 あと数年して、「Web2.0バブルは何だったのか?」なんて本が出るようなことがなければいいが。

 6時過ぎに、八重洲ブックセンターの(久しぶりに使う)公衆電話から神田さんに電話して、繋がり、場所を聞いた。そして、ゆっくりと渋谷に移動して、9時の開店時間を待つことになったのである。

 9時になり、Cafeを出て、1階の入り口に風俗店の看板があるとあるビルの4階に階段で上がった。「シャッターが下りているお店」と神田さんはいっていたが、よくわからない。そこへエレベーターで上がってきた若者が3人ほど、鉄の扉を開けて元気良く入っていく。<なるほどここか>と後に続く。

 まだそれほど混んではいなかった。カウンターの若い女性に「dotBARのシステム」を聞く。まず3000円で10枚のチケットを購入する。プリペイドだ。これならいちいち現金のやりとりがないからいい。ビールやワインの飲み物は、チケットを2枚渡す。他には簡単な乾き物。
 あとは、それぞれが、勝手に話を始める。近くにいる人同士で、「こんにちは」と名刺を交換。そんな輪が広がる。

 打合せを終えた神田さんが、やってきた。ご無沙汰の挨拶をして、閉店の理由を尋ねると、「10時まで待って」という。そのうちどんどん人が溢れてきた。肩のぶつかる人と話していくと、けっこう初めてきたという人も多い。もちろん常連もいる。
「メールでやりとりして、そして渋谷のバーで会う」というコミュニティが出来上がっている。まあ、これも神田さんのキャラクター故のことかもしれませんが。

 10時になっていよいよ店はギュウギュウ詰めになってきた。暑い。神田さんの神戸時代からの古い友人という方と隣になった。そういえば、昔、やはりどこかのパーティーで会ったことのある方だ。年代も近いので話が通りやすい。「もしかすると、パチンコ屋の新装開店ではないですかね?」と尋ねると、古い友人は、「オレもなんとなくそんな気がするんだよね。彼が考えそうなことだからなあ」という。

 そして、発表。やはり、新装開店であった。10月12日に、「dotBAR」を閉店。11月1日から、新たにお店をオープンするという。工事期間中もお店は開いている。工事の進捗状況をネットでレポートするというのだ。そして、新装開店するお店の名前には会場がドッと沸いた。

 新しいお店の名前は「BarTube」。ご存知、米国の「YouTube」をもじったものだ。「YouTube」は、3日前の9日にグーグルに買収されているから、「名前が変わったらどうしようとあせった」そうだが、名前は変わらなかった。

 ということで、渋谷に誕生するのが「BarTube」。何をするのかというと、お店のお客さんが、ネットTVに生で出演する、という「世界初」の試みを行なうのだ。あいかわらず、世界初が好きな男である。そして、それが似合うから不思議なキャラクターだ。とても真似のできるものではない。
 さらに、映像制作のアドバイザーには、あの映像評論家の麻倉怜士さんを引っ張ってきたというから、本格的な入れ込みようである。

 ということで、11月に入ったら、また渋谷に行ってみるつもりです。(い)


【目次】

◆1.【CRIセミナー講演抄録】日本初の個人動画投稿サービス――パンドラTV
 ■ 日本国内初の「個人放送局」を主とした動画サービス
 ■ ユーザーのインターネット利用動向
 ■ 情報の流れは、「企業」⇒「個人」から、「個人」⇔「個人」に ■ 動画マーケットの状況 
 ■ パンドラTVは動画の配信エンジンを持つ「プラットフォームビジネス」
 ■ 日本からも200万人以上が訪れるYouTube  ■ 動画投稿ニーズが広がっている
 ■ 今後の事業展開  ■ CATV業界とのコラボレーション
◆2.【講演抄録】「freep」「のぞみ電話」などエニーユーザー(株)のIPサービス事業の展開
 ■ 日進月歩で進化するIPサービス     ■ パソコン電話サービスフリープ(freep)
 ■ 毎年10%~20%の伸びを示すIP電話市場  ■ エニーユーザーの事業目標
 ■ Skypeとfreepの違い      ■ 中小企業向けのエニテル(Anytell)サービス
 ■ 新サービス「のぞみ電話」  ■ エニーユーザーの目指すIPサービス
 ■ CATV業界とのコラボレーション

◆3. キャッチネットワーク、KDDIとの提携により固定電話サービス開始
◆4. JCN「ジョン・レノン音楽祭2006」へ協力~JCNグループの加入者をコンサートに招待
◆5. 須高ケーブルテレビ、「第8回信州岩波講座」を全国CATV局向けに番組配信
  ――地域コンテンツの全国流通の可能性を探る
◆6. JC-HITS、8 チャンネルの追加配信を決定!~来春より73 チャンネル配信開始へ~
◆7. 『4th MEDIA(フォースメディア)サービス』に『キッズステーション』が登場!
◆8. ICTを活用して独居高齢者の安心生活を見守る安否確認サービス開始
◆9. 松下電器、OFDMチューナ内蔵・双方向サービス対応モデル
     CATVデジタルセットトップボックス TZ-DCH1800を11月より発売
◆10. 第23回 国際コミュニケーション・フォーラム「通信と放送が生み出す未来」
◆11. 第50回CRIフォーラム開催~家電メーカ等6社による、TV(動画+ネット)ポータルサービス
    「アクトビラ」新生Tナビ)の新戦略

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