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第314・315号合併号 「ネットの普及で国境を超えるコンテンツが当り前の時代に」
[2008.12.30号]
暮れも押し詰まった24日。そろそろ年賀状の準備をしなければ、と住所録などを保管してあるPCを立ち上げようとしたが、立ち上がらない。ただ、ピーピー音を繰り返すだけで、その後復活するような兆しが感じられない。〈う~ん。ここに来て立ち上がらないか〉と頭の中に、白煙が渦を巻いてくる。しかたがないので、ITホームヘルパーをしてくれているオフィスコーヒー屋さんにメールを送る。彼は、もともと大阪の出身。今は、大阪の本社と千葉の営業所を往復して、オフィスコーヒーの販売の仕事をメインにしている。
その一方、パソコンに詳しいという彼の長所をお客さんのために最大限に生かしている。大企業は別にして、中小の企業では、パソコンがめちゃめちゃ詳しいというような人材はそうそうは見当たらない。オフィスコーヒーを販売しているうちにいろいろな相談を受けるようになり、パソコンの調達・調整から、ネットワーク環境の整備、ホームページの作成などなど、さまざまなオフィスコーヒーの販売以外の仕事も増えているようだ。
月に1度くらい、真空パックのコーヒーを届けにきてくれる時に、パソコンの調子も見てもらって、便利な機能があったら教えてもらい、不具合があれば、調整をしてもらう。そんな時でも、彼のケータイにはけっこうひっきりなしに電話が掛かってくる。
パソコンやネットワークは、いつどんなことで、調子が悪くなるとも限らないから、いつもケアをしておくことが必要だ。しかもネットワークに繋がっているから、いつどんな悪さをしでかすかもわからない。外部からの侵入にも気を付けているようでも、本当にパソコンやネットワークのコワサを知っているジャーナリストの先輩は、ネットワークに繋がっていないしっかりとしたパソコンに重要なデータはしまってあるといっていた。そうかやっぱり、ネットワークに繋がっていないしっかりしたパソコンも最終的には必要なのか、とは思ったもののまだそこまでの環境にはなっていない。
大阪の彼から、メールの返事が来て、どうもトラブルのようだから、29日に来てくれる、ということになった。他のPCには年賀状ソフトをインストールしていなかったので、年賀状ソフトを新たに購入することにして、彼がお薦めの「筆王」というソフトを買ってくることにした。
とはいっても24日の週はバタバタしており、いつもいく有楽町のビックカメラに寄る時間が作れなかった。いつも有楽町のビックカメラにしているのは、もともと「そごう」が入っていたので、売場の作りが広々としているからだ。秋葉原の量販店も活気があっていいのだろうが、売場が狭いので、どうも窮屈で落ち着けない。そこにいくと、有楽町のビックカメラは、落ち着けるのだ。スローライフに入ったオジサン向きなのかもしれない。
28日午後1時。ビックカメラは日曜日にしては、ちょっと人の入りが少ない感じがした。やはり、景気後退の影響なのだろうか。それとも午後の1時というのは、まだ混雑のピークにはなっていないのだろうか。
4階に行って、平積みになった年賀状ソフトのワゴンの前に立つ。筆王を始めとするさまざまな年賀状ソフトが積まれている。ワゴンの反対側で、ちょっと宝塚の男装の麗人っぽい若い女性が、男性客の相手をしていた。筆王のパッケージの文言に目を落として、ふと目を上げると、ワゴンの向こうにもう男性はいなかった。
その瞬間、男装の麗人っぽい若い女性が、筆者の右肩後方から、30センチメートルの内側にすっと顔を出し、「ご説明しましょうか?」と声を掛けてきた。ゴルゴ13ではないが、背後にはけっこう気を付けているのだが、彼女は、気配を感じさせずに、筆者の背中を回って、右側から声を掛けてきた。
思わず、ドキッとして、「パソコンが急に立ち上がらなくなって、年賀状ソフトを買いに来た。この筆王がいいと聞いてきたのだが、エクセルデータの住所録を読み込みできますか?」と、いうと心臓がドキドキしてきた。彼女は、パソコンの機種を聞き、「このソフトで問題ありません」といってニコリと笑った。〈う~。心臓が苦しい~〉思わず、ちょっと電話で確認してみますと、ポケットからケータイを取り出し、いかにも電話をしにいくという格好で、その場を離れ、エレベーターホールに出た。
長電話もおかしいので、呼吸を整え、すぐにワゴンの前に行って、筆王をつかみ、「これでOK」という視線を送ると、彼女は、再びニコリと微笑んだ。
ネームプレートには、名前はなく「販売員」とあったので、おそらくメーカーから来ている営業担当の女性なのだろう。会計を済ませて、後をふり振り向くと、もう彼女は、男性客の相談に乗っていた。
そういう季節は季節である。したがって、客が買いに来ているのも事実である。しかし、こうもポコポコ売れるものなのか、と思った。彼女が、男性を包み込むようにステップを踏み、声を掛けると、その瞬間、もう商品を手にしている、という感じだ。(サラリーマンNEOの見過ぎか?)
しかし、筆者がそういう彼女を遠目に観察できてしまうということは、客の入りが悪いということであろう。あるいは、年賀状ソフトの販売のピークは12月前半で、とうに過ぎてしまっているのかもしれない。
1階に下りると、テレビ売場もそれほどの混みようではなかった。
フレッツテレビ、アクトビラの宣伝文字が目に入ってくる。プラズマと液晶の大型ディスプレイを並べて「さて、あなたならどっちを選びますか?」という比較展示も行われていた。
テレビがネットワークにつながる環境も次第次第に普及していく気配を見せてきている。(い)
【目次】
◆1.2009年始動!!“イノベーションは止められない”
―慶應義塾大学「SFC Open Research Forum 2008」より
◆2.メタボ対策もテレビ番組も一緒にスケジューリング!
スケジュール管理ツール「@myカレンダー」に便利な新機能を追加
「体重体組成計連携」「TV番組情報連携」
◆3.@ネット、ジェイコムテクノロジー新社名「株式会社テクノロジーネット
ワークス」に
◆4.JCN、テプコケーブルテレビの新設子会社、川越ケーブルビジョンの
株式取得
◆5.ケーブルプラス電話の契約者数が50万を突破
◆6.KDDI、テレビ朝日、朝日新聞社による連携ビジネスを推進
◆7.東京フィルハーモニー交響楽団第43回オペラシティ定期演奏会、
別会場で、“あたかも”バーチャル体験 ~演奏会場の音場を忠実に
再現する技術を開発~
◆8.デジタルサイネージ(電子看板)の配信管理システムのフィールド実験を
開始 ~京浜急行3駅と丸の内ビルディングで実施~
◆9.家族を“つなぐ”次世代コミュニケーションサービス-家族SNS「ファミナ
ビ」提供開始
◆10.Q&Aサイト「Sooda!(ソーダ)」が「かごの屋」と「ナチュラルローソン」
で国産の間伐材で作った割り箸によるプロモーションを実施‐吉野の森の活性化
・森林経営を支援
◆11.meromero park、「ビンゴ」と「きせかえリボンマーク」を開始-
ユーザーアクティブ率の向上を促進
◆12.「Amebaモバイル」へ仮想アイテムプレゼントサービスAmebaプレゼント」
を導入
◆13.2012年にピークを迎えるセットトップボックスの出荷台数
◆14.HDとオンデマンドによって通信会社のテレビ放送向け
ビデオヘッドエンド市場は成長
◆15.米国のマルチスクリーンビデオサービスは着実に成長
◆16.NHK放送研修センター研修―「災害にどう対処するのか」
~ケーブルテレビの災害緊急放送~
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