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第320号「有線のケーブルテレビが無線のケーブルサービスに進出」

[2009.03.18号]

 HDD内臓STBの「かんたん予約」で、『つい予約』の日々である。
 3月16日午前1時を回った。テレビの上のSTBのハードディスクはもういっぱいである。見ていないものを消して、5時からのWBCのキューバ戦の録画スペースを作らなければいけない。
 2月28日に放送された白洲次郎のドラマには、八代目春風亭柳橋が登場するというメールが高校の同級生から、放送日の2日ほど前に回ってきた。八代目は、栃木高校の同級生なのである。その夜は、出掛ける用事があったので、録画した。メールをくれた同級生には、録画する旨を伝え、何分頃に登場したかをあとで教えてくれるよう返信メールに記した。翌日、45分頃と返事が来ていた。その後、バタバタしていて、見ていなかった。そして、昨晩、意を決して、再生ボタンを押し、けっきょく全部見て1時間半が過ぎた。そして泣く泣く消した。
 しかし、まだ録画スペースに不安があるので、続けて、ためしてガッテンのスロートレーニング、カロリー、メタボを取り上げた番組を見た。その他にも、もういいか、という番組を何本か消した。
北京の女子ソフトボール決勝は消せない番組のひとつ。途中雨の中断があったので、2時間半くらいある。

 2年前の夏、HDD内臓STBがわが家にやってきてから、テレビ視聴はすっかりタイムシフト視聴になった。それまでは、家人がシャープのテレビデオでミステリチャンネルなどをビデオ録画して、時間のある時に見ていた。筆者自身は、録画にも録画視聴にも、あまり積極的な参加はしていなかった。
 しかし、「かんたん予約」が出来るようになってからは、ミステリと落語、大相撲ダイジェストなどのスポーツものを中心に録画を行うことがわが家の日常になった。
 面白いことに、友人知人と飲む際に、タイムシフト視聴の話を持ち出すと、同じようにHDD内臓STBを導入している人がけっこういて、「ウチではこんな具合である」とこの話題で、小一時間くらいは話が弾んでしまう。弾む分だけ、飲みも進む。
 結論からいえば、「『親が録画する家族は子も録画する』から、いつもディスクがいっぱいになり、どれを消すかで、もめている。あるいは、録画しておいたものをまだ見ていないのに消してしまった、といって争いになることが多い」ということである。特に、ハイビジョン番組が増加しているので、自ずと録画可能な時間が短くなり、番組の収容キャパは、減っていく。
 この間もどなたかと話をしていて、ウチでは、「女房と(お互いが録画したものを)1週間見なかったら消していい」というルールを作っている、という方がおられた。しかし、1週間はけっこう短い。出張などに出掛けていたら、あっという間に視聴期限がやってきてしまうだろう。

 わが家のSTBは250GBである。翌年には、パナソニックから500GBのSTBが登場してきた。STBの毎月の利用料は、ケーブルテレビ局によって異なるが、250GBで、800円から1000円。500GBになると、1260円から1500円くらいになるようだ。
 250GBのSTBがやってきた時、〈HD番組を録画すると、録画可能時間がけっこう短いので、そのうち外付けの録画機器(要は、DIGA)を買わなければならないな〉と思っていた。そうはいっても、安い買い物ではないし、ダビング10の問題もあったので、いつ頃のタイミングで、どの商品を買えば、ベターか、パナソニックのあるケーブル関係者に聞くと、「買いたいと思った時が買い時ですよ」とはぐらかされていた。そのうち、500GBのSTBが出てきて、〈もう少し待っていて、500GBにすれば良かったのかな〉と思ったが、もう後戻りはできない。
 独立系のケーブルテレビ局では、タイミング良く、最初から500GBのSTBを投入した局もある。そのうち、J:COMが500GBのSTBを市場投入した。JCNも4月から投入するという。投入されるというので、500GBにバージョンアップしようかな、と思った時に、〈ここに記録されている映像は、ムーブして保存できるのだろうか。パソコンのデータのバックアップのようなサービスはあるのだろうか。ケータイのデータも機種交換の時に、移動してくれるではないか。2500円くらいなら払ってもいいから、ぜひともコピー保存してほしい〉という願いがこみ上げてきた。

 それはそうである。もともとのコンテンツの権利は、そもそもあるわけではないが、繰り返し見たいから、あるいはぜひとも録画しておきたいから、録画したせっかくの『マイコンテンツ』なのである。
 アマチュアが制作したコンテンツは、CGMと呼ばれるが、家庭で録画したコンテンツは、CRM(コンシューマー・レコーデッド・メディア)として、それなりに何か敬意を払ってもらいたいものである。
 少なくとも、簡単に、「それは、こちらでは対応できませんので、お客様が録画機器をお買い求めになって、ダビングしてください」とはいわれたくない。値段が安いものであれば、〈それはその通り〉と思うが、外付けの録画機器は、それなりにけっこうな値段がするのである。ましてや、このご時勢。そう簡単にホイホイと買い物ができるわけではない。デジタルTVだって、買わなければいけない。
 ある朝、〈バージョンアップするから、録画機器を持ってきて、DVDやブルーレイなどの記録メディアに焼いてくれ!〉と叫びながら、目が覚めた。
 タバコやお酒と同じように、娯楽は嗜好品なのである。人によってジャンルや興味は違うが、楽しかったり、心が安らいだり、癒されたりするものだろう。それが、250GBから500GBへのバージョンアップの際に、ムーブできないとすると、それは哀しい現実との直面ということでしかない。
「フォゲット・イット!(忘れろ!)」。そもそも録画したことを忘れろということか。

 まあ、ケーブルテレビ局としては、「大切なものが録画されているのですよね」という同情の気持ちを表しておくほうが、よいだろう。そこで切り返して、「でもお客様、お客様はこれからも、録画をされると思いますので、一度この機会に、ブルーレイ再生機能のついたハードディスクの購入を検討されてはいかがでしょうか」などと薦めた方がよいだろう。そうでないと、録画問題は、ずっとつきまとう。お客だって、薦められると、なんとなく、〈確かにそうだ、この機会に外付け機器の購入を検討してみるか〉という気持ちにもなってこよう。
 でも、やはりやってほしいサービスがある。買ってきたブルーレイ付のHDDとSTBやテレビとの接続、ならびに最初に250GBのSTBに入っている映像の「ムーブ」を「こうやるんです」とやってもらいたいのである。失敗すると面倒なことになるから、やりたがらない、あるいはやらないというのが、一般的なのだろうが、「失敗したら、あきらめるから」という条件付でやってもらいたい、と思う。暮れに、税理士の先生と話をしていて、やはり、「HDD内臓STBはやめられない」という話になった。「しかし、すぐにいっぱいになる。だから、外付けのハードディスクを買ってきたんだけれど、ケーブルテレビ局の人に接続をお願いしたら、してくれなかったので、どうにか自分で接続した」といっていた。
 筆者でも、どうにかすれば、接続はできるだろうが、ああいう機器の背面をみると、クラクラ感を持つ身としては、3000円くらいお金を払ってでも接続をやってほしい。うまくできるだろうかというストレスにさらされるよりはずっとよい。だいたい慣れが違うのだから、手際の良さにはアートを感じることもある。「ムーブ」のボタンは、最終的に自分で押すとしても、接続だけは、お願いしたいところだ。それよりも、パナソニックのSTBには、パナソニックの外付け機器を接続しなければ繋がらないという情報提供をすることも重要だろう。他社メーカーでは、繋がらないという話を聞いた。他社製品を購入した加入者に、局に「繋がらない」と駆け込まれてもどうにもならない。

 3月14日、関西系の大型スーパーイズミヤの家電売場を覗くと、250GBのDIGAが8万円を切る値段で売られていた。展示品だったかもしれないが、だいぶ安くなっている。
 その日、義理のメイの娘の高校の卒業と大学の合格祝いの食事会で、錦糸町に出掛けた。約束の時間まで、時間があったので、駅に隣接するヨドバシカメラの家電売場を覗いた。大型量販店であるから、イズミヤよりも品数や種類も多く、比較表もしっかりしている。
 錦糸町へ向かう総武線の中で、250GBのSTBを500GBにバージョンアップしなくても、外付けのブルーレイDIGAを購入すれば、録画問題は解決するだろう、と結論にいたった。そういう目で比較表を眺める。しかし、それなりの機能を備えたものはやっぱりそれなりの値段がついている。500GBは、14万円近い。この間、購入したデルのパソコン2台に匹敵する。
 デジタルTVもそろそろ買わなければとは思っている。しかし、この録画問題も解決しなければならない。両方いっぺんにとなると、10万円くらいのそれほど大きくないデジタルTVにしても、あわせて25万円くらいになる。しかし、予算は限られている。結局、もう少し、検討を続けることにして、食事会の会場に向かった。11月くらいには、ブルーレイ付のSTBが登場するというから、それまで待ってもいいのかもしれない、と思ったからだ。

 メイの娘は、近くのヤマト運輸で引越しの梱包のバイトを始めていた。それで、先日のある話を思い出した。HDD内臓のSTBがケーブルテレビ局に返ってこないという話である。
 HDD内臓のSTBには、ケーブルテレビ局のコミュニティ放送で放送された自分の子供が映っている映像が録画されていることが多い。そういう世帯で、引越しの際に、引越しの荷物と一緒にSTBを梱包して持っていってしまうというケースが出てきているというのである。

 「気持ちはわかる。気持ちはわかるけど、それ(STB)は、リースの商品であなたのものではないんです」というベクトルと、「でも、映っているのは私の子供(あるいは私の録画したもの)」というベクトルのぶつかり合いは、『消えるSTB』という現象を増加させているという。
 3、4、5は、「さしご」といって、引越しの時期。「消えるSTB」現象は、全国各地でさらに増大するかもしれない。
 その日、何人かのケーブルテレビ局の経営者の輪の片隅で話を聞いていた。「やっぱり、売り切りか~」という声に、「だから、売り切りだっていったでしょ」という声が返ってきた。い)


【目次】

◆1.CACがWiMAX基地局の免許を取得。愛知県内で初。
◆2.(社)日本ケーブルテレビ連盟・運営委員会が、ケーブルテレビの『中期的業界戦略の策定』の
    最終答申―第32回通常総会唐沢俊二郎理事長挨拶より
◆3.ティーモバイル、ファーウェイ・テクノロジーズのインテリジェント・パケット・ネットワークを導入
    ー次世代モバイル・ブロードバンド・ネットワークの導入に向けた重要な一歩に
◆4.ファーウェイ・テクノロジーズ、HSPA+対応スライド式
    USBスティック型端末の最新モデル「E182E」を発表
◆5.ファーウェイ・テクノロジーズ、CeBIT 2009において世界初となるハーフサイズの
    HSUPA対応モジュール「EM775」を発表
◆6.日本最大級のデジタルサイネージ「福岡街メディア」と日本最大級の口コミグルメサイト
    「食べログ」が連携~日本初!ディスプレー別にグルメ情報を配信!!~
◆7.講談社ジャーナル・ラボとソフトバンクグループのCOMELが福岡街メディアにて
    次世代メディア「瞬刊誌」の実験を開始
    ~デジタルサイネージで「瞬刊フライデー」と「瞬刊現代」を雑誌発売前日に配信~
◆8.オンラインペット育成コミュニティ「meromero park(メロメロパーク)」
    モバイルサービス「メロパーモバイル」を開始 
◆9.国内最大規模のファッションコミュニティサービス「プーペガール」
    仮想プレゼントを贈ることが出来る「ギフトフロア」をオープン
◆10.世界のマーケット(データリソース社ニュースリリースより)
    ①2008年の企業向け電話市場はCiscoが首位、2008年第4四半期は
      Alcatel-LucentとShoretelだけが増収
    ②2008年第4四半期のモバイルWiMAX市場ではCiscoとHuaweiが首位を競う
    ③固定とモバイルの統合の将来展望
    ④2013年までにFTTx加入者数が1億4500万と予測するものの、
      オペレータのファイバー成功への道は困難
    ⑤2009年の携帯電話産業は難局
    ⑥モバイルテレビ視聴者と加入者は2013年に5億へ
    ⑦ケーブルブロードバンドの最高の年、2009年にCSIS3.0世帯の65%を越えるComcast
    ⑧モバイルと固定の統合サービスに関心のある3Gサービス加入者が20億と予測
      ―音声とデータの統合アプリケーションは、解約を抑えオペレータのARPUを増強
    ⑨加入者データ管理市場は2008年に21%上昇、不況下でも上昇
    ⑩次世代の家電市場:変貌する家電業界
      デバイス + インターネット接続 + コンテンツ配信サービス
◆11.ひまわりネットワークが、ケーブルプラス電話3ヵ年目標の30,000件達成

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