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第399号 「佐野ケーブルテレビが、開局20周年イベント開催」
[2012.08.08号]
MVPD(Multichannel video programming distributor)は、米国の多チャンネル流通事業者を現す法律用語だという。http://www.ncta.com/Stats/TopMSOs.aspx
米国の多チャンネル流通事業者のトップは、ケーブルテレビ業界を代表するコムキャストで、3月末現在で、2,294.4万の加入者を抱えている。
その後に続くのは、衛星系のディレクTVで、1,996.6万。続いて、ディッシュネットワークが、1,407.1万で続いている。
その下に、タイムワーナーケーブルが、1,265.3万で続き、5番目のCox Communications,になると、476.5万になり、だいぶ数字が小さくなる。
とはいっても、日本と比較すれば、日本には、400万を越えるMSOは存在しないし、米国のMSOの巨大さは計り知れないものがある。日本の国土がすっぽりカリフォルニア州に入ってしまうわけで、全体の国土は日本の約26倍もあり、その広さがある国のビデオコンテンツの流通の在り方には、日本人には、体感的に理解できないものがあるだろう。
Coxに続き、全米第6位に進出したVerizon Communicationsは、今のところ全米の16州のみの事業展開となっている。各州によりフランチャイズ展開の条件が違い、またその条件をクリアするのも難しいので、これ以上の事業エリアの拡大は今のところ考えられないといわれているが、400万を超える加入者を獲得していても、投資に見合うだけの加入者数を獲得できていない、ということもあるようだ。伸びが鈍化しているといわれるAT&T, Inc. は、それでも399.1万で、第8位の地位を確保している。
ニューヨーク周辺の4つのエリアで事業展開するCablevision Systems Corporation は、325.7万で第9位につけている。このあたりで、数字的には、日本のジュピターテレコムが匹敵する。狭い日本のエリアで、その営業エリアの広さと影響力は、大きなものがある。
第10位のBright House Networks LLCは、207.9万、そこからぐっと下って、第24位のGeneral Communications になると14.2万で、第25位のBuckeye CableSystemは、13.3万とここらへんになると、だいぶ日本の単独局の数字にも近くなる。
国土の広い米国、全国にはいろいろなコミュニティ(地域)が存在するわけで、この下には、MSOの範疇には入らないようなケーブルシステムがたくさんあるのだそうである。
人が居住するそうした地域でも、ブロードバンドインフラの整備ということでは、おそらく盛り上がりをみせているのではないかと想像するが、米国全体のマーケットを見ると、インターネットビデオ視聴という流れは確実に広まりつつあるという。これに「モバイル・ファースト」というビジネスモデルが加わって、競争が激化している。
ここで紹介したランキングには、「ケーブルテレビ」、「衛星事業者」に新鋭の「大手通信事業者」の3つのプレーヤーしかいない。しかし、にわかに、ここに「インターネットビデオ視聴の流通事業者」を加えるかどうか議論がされ始めているという。
なんでも「バーチャルMSO」と呼ばれるとか。そうした視聴をサポートするのが、「Roku」という機器で、日本でもその存在が広く知られるようになってきた。こういう機器が日本にも公式に上陸するのかどうか。http://www.roku.com/roku-products
しかし、本稿を書いていて、はたと気付いたのだが、トップのコムキャストが、2011年12月末から、5万ほど加入者を減らし、ディレクTVは、8万ほど伸ばしている。まだ、300万ほどの差があり、300万はひとっ飛びで超えられる数字ではないが、衛星系のディレクTVが、ブロードバンド戦略やモバイル戦略で、新たな連携軸を求めると、コムキャストのトップの座も危うくなる展開が今後起こることがあるのだろうか、と興味津々になってくる。
そんなことはないだろうとは思うのだが。(い)
【目次】
◆1.佐野ケーブルテレビ開局20th記念大感謝祭イオンモール佐野新都市で開催
◆2.ケーブルコンベンション2012、ケーブル技術ショー2012開催
◆3.「ケーブルテレビ・アワード2012」結果発表
◆4.「第11回CATV技術選奨」の発表
◆5.「JCNプレミアコンサート2012ウィーン・フーゴ・ヴォルフ三重奏団」開催
~JCNサービス契約者 1,000組2,000名を無料で招待~
◆6.ジャパンケーブルネット、次世代STB「Smart TV Box」の事業者トライアル実施
◆7.電波技術協会、エリア放送用ネットワーク識別の管理・運用業務を開始
◆8.「アクトビラ・プラットフォーム※1」が「放送連携タイプ2規格※2」に対応NHK
(日本放送協会)よりオリンピック中継などの対応番組を順次配信
◆9.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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