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第403号「世界で広がる、ネットが広げるマルチスクリーン市場」

[2012.10.05号]

 ベルリンでの2日目、翌朝(9月3日)は、月曜だった。ホテルの小窓のカーテンの隙間からは、まぶしい陽光が差し込んでくる。
 ガラガラと外で音がするので、カーテンを開けて眼下を見下ろすと、業者が車の荷台から、品物を降ろして、手押し車でホテルの裏口に運び込んでいた。毎朝の行事で、3日間、この音に慣れ親しんだ。目覚ましがわりにちょうどよかったのだ。
 歯を磨いて、顔を洗うと、昨晩、夜中の9時過ぎに、晩飯を食べているはずなのに、たいへんな空腹を覚えた。日頃、日本では、朝飯を食べる習慣がないのに、食欲があるのである。「閉じる」のボタンがないゆっくりと動くエレベーターに乗り込み、地下の食堂に行くと、たいへんな人の数であった。
 ホテル全体では、何人くらい収容するのかは、わからないが、テーブル席が80人分ほどはあり、7割くらいが、埋まっていた。ビュッフェ形式で、一番奥の部屋に、廊下を挟んで、右手に料理のコーナーがあり、左手にドリンクコーナーがある。
 老若男女が、食べたいものを皿に盛っては、自分の席に置き、今度は飲み物を取りに行き、また自分の席に戻る。もう少し食べたかったり、飲みたかったりすれば、また取りに行く。この繰り返しをみんなが行うから、通路はたいへんに混み合っているのだ。
 もちろん、大人であるから、お互いゆずり譲り合って、何事もなく、無言で進む。この合間を縫って、食事が終わったテーブルの皿を片付け、きれいにするウェイターが、あちこち行ったり来たりする。

 ハムとチーズは、たくさんの種類があった。それぞれ10種類ほどはあったろう。パンの種類も10種類くらい。パンにつけるバターも氷をひいた器にどっさりと盛られていた。日本でメーカー品のバターを買うと、かまぼこ型で400円位するが、少なくともその10個分くらいが、縦横3センチ、高さ1センチくらいに切り分けられて、ぜいたくに盛られている。《これ、余ったら、捨てちゃうんだろうか。もったいないな。エノキバターにしたら美味しいのに》と思った。卵料理も3種類ほどがあり、どっと盛り付けてあるから、けっこう日頃日常的に食されるものなのだろう。
 ドリンクコーナーにも、定番のオレンジジュースやグレープフルーツジュースの他に、いろいろな種類のジュースがあったが、不思議なことに、どこにも「ミルク」、いわゆる牛乳がないのである。まわりを見渡しても、誰も飲んでいない。バターやチーズがあるから、普段の栄養は、それで十分なのかもしれないと思い、ウェイターに聞いてみることはしなかった。
 (3日目の朝に、メッセベルリン会場近くの地下鉄のKIOSKで、「牛乳はあるか」と聞くと、水やいろいろな種類のジュースが、冷蔵庫に入っているなかで、奧の棚に(本当にタダの)1本が、常温の状態であったが、冷蔵庫に入っていないので、買わなかった。夕方、ホテル近くのスーパーをのぞくと、2、3種類の牛乳があったが、それほどの本数は、置いていなかった。これは、アムステルダムも同じで、中央駅の地下のKIOSKには、牛乳は置いてあったが、それほどの種類はなく、また本数も少ない。街中に、チーズの専門店はたくさん見受けられたが。)

 メッセベルリンの会場に向かうため、ホテルを出ると、陽光は厳しいが、それほどの暑さではなかった。むしろさわやかで、日陰に入ると涼しいくらいだった。日本を発つ時とは、ずいぶん違う環境にきたことをはっきりと体が理解する。
 会場には、地下鉄や屋外を走る鉄道も利用して行けるが、初めての町の初めて乗る地下鉄や鉄道で、切符を買って乗るのに右往左往し、どこで降りるのかに、注意を払っているのでは、会場入りする前に、疲れてしまうので、タクシーで行くことにした。ベルリン市内の町並みを見ることも楽しみの一つである。
 しばらくして、頼んで置いたタクシーがやってきた。もちろんベンツ。運転手は、中年の女性であった。アクセルを深く踏み込み、発車すると、大通りに出て、いったん東に向かい、交差点を大きくUターンして、西に向かった。
 夕べ食事をしたレストランの上は、15階建てくらいのアパートで、屋上には、相当古い、夜でもネオンの点かないコカコーラの看板が立っていた。
 途中の町並みは、古い、石づくりの建物が多く、戦火に遭わなかったのだろうか、と素朴な疑問がわいてくる。語学ができれば、運転手に話し掛けることもできるだろうに、と思う。英語が話せれば、彼らは、けっこう英語を話すので、いろいろ話を聞ける。

 自己紹介や自分の生まれた町のことくらい英語で紹介できる英会話力は、子供の頃から勉強しておけば、身について、一生の宝物になるのではないかと思う。
 日本には、四季がある。ケーブルテレビ局が、現役を引退した『英語が話せる』英語の先生などの協力を得て、それぞれの地域のそれぞれの四季の風物を紹介する『模範英会話文』を作って放送する5分ほどの番組を作り、かつその番組をネットに上げておくことで、子供たちが繰り返し、発音を聞くことができ、いつのまにやらすっかり覚えてしまうということも期待できるだろう。
 小学校に上がる頃には、文法を意識することなく文法が身についているかもしれない。
大人だって、5分番組を録画して、記録媒体にためておけば、出先で時間のある時に、スマートフォンで視聴でき、英会話の学習になる。

 韓国の高校生は、カナダやアメリカに留学する人が多いという。500人いたら9割が男性とも。日本は、その逆で、9割が女性と、カナダで留学生の受け入れの仕事をしている女性の友人から15年ほど前に聞いたことがある。留学した韓国の高校生の語学力は当然のことながら、コミュニケーション力もアップし、友人も多数増えるだろう。それが長く続けば、大きな国力、企業力になる。

 タクシーが、会場に近づくと、遠くからLG電子の幟旗が風にはためいているのが目に飛び込んできた。韓国には、サムソンだけではない、LGもあったと、2社の勢いを感じた。筆者は、見なかったが、サムソンの幟旗もあったようだ。「韓国でも、経済状況は良くなく、いいのはこの2社だけ」という話もあるが、勢いのいい会社がある、ということは、多くの国民にとって誇りになるだろう。
 街中のレストランのウェイターに、「コーリア?」と聞かれ、違うというと、「チャイナ?」と聞かれた。ジャパンが出てこない。
 それが、世界の中で、現在の日本の置かれた状況を現す一つの指標だろうと思った。(い)


【目次】

◆1.欧州放送機器展「IBC2012」フォトレポート

◆2.「信州須坂ふるさとフェアin 東京」開催
   ~平成24 年度 信州須坂プロモーション事業~

◆3.CableGateサービスのおすすめ番組情報
   ケーブルテレビ事業者向けテレビポータルサービスへ提供開始

◆4.国内最大手のケーブルテレビ局 J:COMへ
   「コミネット」サービス提供開始

◆5.JCN武蔵野三鷹が、「むさしのFM」と災害時等における緊急放送連携

◆6.須坂市内小中学生特別講演会 「宇宙への夢を語ろう」
   ~須高ケーブルテレビ株式会社 開局24 周年記念~

◆7.「第12回多摩シニアオープンオノフカップ」をケーブルテレビ局8社で共同制作
   ―杉本英世・安田春雄ら往年の名プレーヤーと羽川豊・渡辺司などのシニアツアー活躍中のプロが一堂に

◆8.中部ケーブルネットワークが光ファイバーによる新サービス
   「CCNet光」を提供開始

◆9.シンクレイヤ、FTTH用屋外型光端末器を新発売

◆10.平成24年度情報化促進貢献個人等表彰

◆11.2013年CATVエキスパート資格講習試験日程の発表

◆12.AJC-CMS (全国ケーブルテレビ コンテンツ流通システム)が本格稼働

◆13.【書籍紹介】『ナビゲーション「位置情報」が世界を変える』

◆14.「第2回デジタルえほんアワード」開催および募集開始のお知らせ

◆15.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内

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