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第405号「テレビでリーチできないターゲットにネットで動画広告配信」
[2012.11.12号]
9月6日、午後2時過ぎ。オランダ最大の空港、アムステルダムのスキポール空港は、明日から始まる「IBC2012」の関係者が多数訪れていることもあってだろう、たいへんに混雑していた。荷物を持ってタクシーを待つ行列に、すでに100人ほどが並んでいる。その最後尾に並んで順番を待つ。
タクシーの運転手にとっては、稼ぎ時である。次から次へとタクシーがやってきて、大きな荷物をトランクに積み込み、客を乗せて、足早に走り出す。20分ほどして、順番がやってきたが、小型の車で、どうにも荷物が入りきれない。運転手があきらめ、タクシーの仕切りをしている係員に、別の客を寄越せ、といっている。
仕方なく、次の車に乗ったが、こちらは大型のベンツだった。アムステルダム中央駅近くのホテルの名前の入ったペーパーを渡すと、ナビに入力して、走り出した。
30歳になったかならないか、くらいの男性運転手は、きちんと、スーツで、ネクタイも着用していた。会社のきまりなのか、と尋ねると、うちの会社は厳しいので、きちんとした服装をしないと仕事をさせてもらえないといっていた。
道々、つたない英語で話をしたが、友人が日本の大学で勉強しているとか。レストランに行って漢字のメニューが読めなくて苦労していると、メールが来た、という。それに応えて、突っ込んで話をする英語力があれば、話も弾むのであろうが、なかなかそうもいかない。
それでも、なんだかんだ話をしているうちに、「マリファナは吸うか?」と尋ねられたのには、びっくりした。合法であることは知っていたが、《日常会話で普通に出て来るんだ》と思った。もちろん、「吸わない」と答えたが、「簡単に手に入るのか?」と尋ねると、「合法だからね」とあっさり答えた。ちょっとしたカフェで普通に売っているらしい。
オランダは、国土が狭いので、土地はたいへん価値がある。海面より低い土地がたくさんあるというが、スキポール空港も海面より低い土地にあるそうだ。
タクシーは、アムステルダム市内に入ったが、トラム(路面電車)の走る道路は、いたるところ一方通行で、さらに交通渋滞がかさなり、車はなかなか目的地に着かない。
運河をたくさんの観光船が走っている。自転車も車の脇をスイスイと走り去っていく。ベルリンもそうだったが、ここアムステルダムも、自転車王国のようだ。欧州で、自転車競技が盛んな理由がわかったような気がした。
タクシーからふと横のカフェを見ると、「Wi-Fi」と書いた看板が木の幹に結わえてある。おそらく運河沿いのカフェやレストランの多くで、Wi-Fiが利用できるのだろう。
アムステルダムの家々は、間口は狭く、上は、4、5階まである。地盤がやわらかく、それ以上高い建築物が建てられない。ほとんどの家が、4、5階で、家と家の隙間がほとんどなく、お互いにもたれあうようにして建っている。傾いている家というのは、当たり前のようだ。
土地が低く、浸水しやすいので、大切なものは、自ずと家の高い階に収納することになる。そのために、どの家も、重いものを上の階まで持ち上げる滑車が家の屋根の下についている。家の中の階段は狭いので、その滑車で、外から家の高い階に荷物を持ち上げ、窓から荷物を入れるのだ。「オランダの名物のひとつだ」とタクシーの運転手はいっていた。
タクシーは、一方通行の同じ道を二度回った。ホテルに行く道を探しているようだが、最終的にわかったのは、ホテルの近くでトラムの路線変更の工事をしているため、ホテルの前までは、車が入れない、ということだった。しかたなく近くで降りて、ガラガラとトランクを引きずり、目的のホテルにようやく辿り着く。
バウチャーを渡す際に、「バスタブのある部屋はあるか?」と尋ねたが、そのホテルの系列は、みんなシャワーのみの部屋なのだそうだ。来年は、ぜひバスタブのあるホテルに泊まりたいものだ。ただ、ホテルの位置関係は、絶好の立地である。
アムステルダム中央駅にも近く、ホテルの脇には、世界各地のバックパッカーに人気だというパブもあった。夜になると、店の中に入りきれない客が脇道にあふれかえっていた。ちょうど原宿の裏通りに、人気の居酒屋などがあるのと似ている。
もう1本脇道を抜けると、すぐに大通りで、その向こうに運河があり、その先にはグラスホッパーというレストランが、グリーンのネオンに輝いている。
地図を見ると、どうやら、グラスホッパーの向こうがアムステルダムで有名な飾り窓の地区である。グラスホッパーで食事はしたが、それ止まりで、足を踏み入れることはしなかった。
日本に帰ってから、しばらくして、家人が、知り合いの母娘の話を仕入れてきた。ちょうど、筆者が、アムステルダムに入る何日か前に、アムステルダムを母娘で訪れたそうである。
その母娘は、飾り窓を「有名な建築物」と思い込んでいたようで、飾り窓地区に足を運び、一生懸命、飾り窓を探したのだそうだが、裸の女の人がたくさんいるばかりで、飾り窓がみつからなかった、と帰ってきたという。なんとも、貴重な体験をされたことか。
ホテルの窓から見える家々の屋根には、パラボラアンテナがついていた。コンバーターがいくつもあり、複数の衛星の番組を視聴しているのだろう。
街中のメインストリート沿いには、チーズの専門店はいくつもあるが、大型電器店のようなものは見あたらなかった。ギフトショップで買い物ついでに、若い女性店員に、テレビを売っている電器店があるかと尋ねると、中央駅の近くの、新しくできたヒルトンホテルの隣に「Saturn(サターン)」という大型電器店があるという。
のぞいてはみなかったが、ベルリンにもあった大型電器店である。足を運んでみると、やはりテレビ売場は、サムソンの牙城であった。フロアーのシェアでいうと、サムソンが4割、LGが3割、あとはPhilips、ソニー、Panasonicが1割ずつ、といったところである。
フロアーの壁面には100台くらいの薄型テレビが飾ってある。そのすべてが、サムソンではないだろうが、ベルリンの大型電器店「メディアマーケット」にしろ、ここアムステルダムのサターンにしろ、壁面には、これでもかこれでもかと、テレビが飾られている。節電などとは無縁の世界だ。
もうひとつ無縁なものがあった。音である。大型電器店の売り場なのに、図書館のように静かなのである。日本の大型電器店のようにお店の名前の連呼や、何がいくら安い、といったような店内アナウンスが一切ないのである。
日本では、絶対に、実現されないことだろうが、家電製品を静かに選んでみたいものだ。(い)
【目次】
◆1.「ケーブルフェスタ2012」開催
―日本ケーブルテレビ連盟東海支部
◆2.~全国ケーブルテレビ共同番組制作企画 第3弾~
『けーぶるにっぽん-輝ける なでしこ-』2013年1月より放送スタート!!
◆3.CTYが、来春「CTY光」サービスを開始
既設インターネットサービスを超高速化
◆4.日本初!CTYが組み合わせ自由の放送サービス「自分専門プラン」を提供開始
◆5.企業7社が大阪市夢洲でメガソーラー共同事業『大阪ひかりの森プロジェクト』を開始
◆6.J:COMがマンション向け電力提供サービスを開始
◆7.東京スカイツリータウンRにJ:COMのスペシャルクリスマスツリーが登場!
「J:COM×TOKYO SKY TREE TOWN Present ざっくぅChristmas Illumination」
◆8.WOWOW FILMS最新作『四十九日のレシピ』2013年公開決定!
◆9.法人向けに特別な月額商品(VOD)の提供を開始
2012年11月10日から、パナソニックが販売するビエラ購入者向けに
◆10.CMerTV、動画DSP を提供開始!広告主・広告会社が動画広告を“セルフ配信”する時代の幕開け。
テレビでリーチできないターゲットにネット上で動画広告を配信
◆11.ブロードネットマックス、デュアルバンド無線LAN対応ケーブルモデムを発売
◆12.(株)上田ケーブルビジョン 代表取締役会長
母袋(もたい)恭二様お別れの会
◆13.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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