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第340号「「地産地消型エネルギーグリッドと情報グリッドの統合」時代へ」
[2010.02.28号]
2月17日から18日に日付が変わった頃、ケーブルネットワーク千葉(JCN千葉)のコミュニティ放送を収録したDVDをノートパソコンで見始めた。3月から、番組審議委員をさせていただくことになって、その委員会の開催前に、最近のコミュニティ放送の番組のいくつかを事前視聴しておくためのDVDが週末の米沢出張中に送られてきていた。
ノートパソコンに、薄いDVDを挿入して、画面をクリックするだけで、映像が流れてくる。便利になったものである。もうVHSのビデオテープの時代は、遥かかなたに遠ざかった。βマックスは、さらにその昔。「VHSとβの戦いがあった」なんて話は、もうすっかり歴史の1ページである。身の回りに在る記録媒体の変化は実に目覚しい。取材の際の録音だって、カセットデッキなんてもう恥ずかしくて使えない。ICレコーダーの記録容量が大きくなって、すっかり手放せなくなり、容量が大きくなるたびに買い求めて、使わなくなったものも入れると、もう4つ、5つになるだろう。
いまだに映りが良くて手放せないシャープのテレビデオの上に載っている3年ほど前にやってきたパナソニックの250GのHDD内蔵STBも、商品のラインナップとしては、500Gになり、さらにDVDがついて、いまやブルーレイ付が普及し始めている。もう何十年かすると、こうした記録媒体も「昔はこんなものを使っていたんだ」と思われるようになるのかもしれない。問題は、そういった時代が、この地球上にはたしてやってくるのか、ということであろう。
JCN千葉のDVDの中には、地域のエコ活動を紹介する「月刊エコ専」という番組も収録されていた。〈匠とは、こういう人たちのことをいうんだ〉と納得させられる「職人魂」や地域散策番組「街角探検 駅からマップ」は、普段VODでも視聴している番組である。オンエアーされた番組が、VODで視聴できるようになっているのである。やはり平日は、テレビの前に座ってその番組が始まるのを待つ、という余裕はない。「自分の空いた時間に見たいコンテンツを見たい」というのが当然の欲求で、それをある程度満足させる(全ての見たいコンテンツがVODに収録されているわけではないので)VODというシステムが今この時代にあって良かった、と改めて思う。(もっともここまで来るのに、30年くらい掛っているし、幾多の実験に多大な投資が行われてきた、その結果でもある。そういった、幾多のチャレンジに感謝するばかりだ)
おそらく全国各地のケーブルテレビ局のコミュニティ放送の中には、必ずといってよいほどお店紹介番組があり、視聴者は、「こんなお店があったのか」と気が付かされる。個人の情報を記録するものとして「ライフログ」というものがあるが、呼吸する人々の集団である地域も呼吸している。普段、何気なく見ている神社・仏閣、名所・旧跡にしろ、様々な祭りやイベントにしろ、必ずいわれがあるわけで、ケーブルテレビには、他のメディアでは代替できない、客観的な映像情報を利用した「シティ・ログ」「タウン・ログ」「コミュニティ・ログ」というような役割があるだろうと思う。
すべての人々が、その瞬間、その瞬間、その場にいることはできないから、時間差で、繰り返し、繰り返し、何度でも、地域で何があったのかを知ることができるケーブルテレビのVODシステムは、(映画・ドラマ・アニメと並行して)地域の情報を地域に流通させる手段として、どうにか定着してほしいものである。
その先にあるのが、モバイルとの連携で、仕事でどこかに出掛けた際に、〈あれっ、このあたりに確か、おいしい漬物屋さんがあったよな。VODでやってたぞ〉といって、ケータイで、検索して、買い物ができる、というようなことが当たり前になってくるのだろう。それを誰が、どの範囲で(地域のみ、ある地方のみ、全国を対象に)やるかである。ケータイのキャリアなのか、連携なのか。
人が、あるところに移動した際に、「こんなものありますよ」と気付かせること、「あそこにいったら、あれをしよう」「明日は、これをしよう」と思っていたことを『その場で』思い出させるリマインド機能は、人々の経済活動を活発化させる上で、けっこう重要だろうと思う。そういう形での情報提供が可能になってきているだけに、余計である。
例えば、スーパーの食品売り場にいる時に、子供が「あれ買って、これ買って」というように、「卵が2個しか残っていません。昆布つゆが、残り少なくなっています」と気付かされたら、持ち合わせがあれば買うだろう。
まあ、「人に余計に金を使わせる」ことがある意味、経済活動を活発化させることだが、そのうち「今月は、使い過ぎですから、スーパーに買い物に行くのはやめましょう」という情報提供もしてくれるかもしれない。
18日午前3時。DVDを見終わって、テレビをつけると、バンクーバーオリンピックの女子カーリングの日本対カナダ戦が行われていた。ライブである。カーリングというスポーツがあるということは知ってはいたが、それまであまり見たことはなかった。しかし、日本選手を始め、プレーする選手の真剣な表情についつい引き込まれて、テレビの前に、どっかと座り込んでしまった。結果は、惜敗。しかし、途中の第5エンドから第10エンド終了の5時まで見ているうちに、ルールがだんだんわかってくると、このスポーツは奥が深いなと思わされた。
加えて、あのアップである。他の種目は、競技時間が短かったり、顔を覆っていたりするので、選手の微妙な表情が見えない。しかし、カーリングは、選手に近づいて、表情を数秒間アップで追う。テレビ広告費が減少している今、「テロップ広告」でも流したくなるような視聴者の視線が釘付けになる瞬間だ。さらに、ピンマイクから流れてくる選手の声が、臨場感を盛り上げる。残念ながら、予選リーグ敗退が決まってしまったが、今回、カーリングは、あちこちの集まりで、話題として外れない。それだけ、多くの人が見ているということだ。夜中の2時からのライブは、微妙に見てしまう時間帯なのだろうか。彼女たちには、テレビCMの話が舞い込むことになるのではないだろうか。全国では、にわかカーリング場を作って一儲けしようと計画する人も出てくるかも。(い)
【目次】
◆1.SIM-Drive電気自動車の「先行開発事業第1号」を発表
◆2.「クラウドコンピューティング」の新たな技術を発掘する特別企画がInterop Tokyo 2010に登場
『クラウドコンピューティングコンペティション』
~グランプリ賞金30万円を賭けて新進気鋭のエンジニアがアイデアを競い合う~
作品応募受付を開始
◆3.中部大学 超伝導・持続可能エネルギー研究センターが、世界初となる200メートルの
超伝導直流送電の実験に成功
◆4.品質と信頼性で選ぶならイッツコム!
ブロードバンドアワード2009「最優秀回線事業者」受賞~ 計6 部門獲得 ~
◆5.イッツコム、「環境貢献型ECO 自動販売機」設置の取り組みを開始
~私たちが、地域のためにできること~
◆6.イッツコムで観光・物産振興メディアミックスプロモーション
福島県相双地域の観光・物産情報をイッツコムエリアに発信
~第一弾!横浜(港北東急)で開催「福島そうそう春の観光物産展」のPR~
◆7.「YCVチャンネル」(地上デジタル)のスクランブル放送を開始
◆8.2010年1月末 J:COM総加入世帯数は328万700世帯
- デジタルサービス加入率は91% -
◆9.J:COM、神奈川県秦野市、伊勢原市にサービスエリア拡大
秦野市に新局を開設 2010年夏頃より順次サービスをスタート
◆10.香川テレビ放送網、KDDIとの提携により固定電話サービス開始
◆11.JWAY、KDDIとの提携により固定電話サービス開始株式会社JWAY
◆12.ケーブルテレビジョン東京、自治体と連携した地域防災情報の提供サービスを開始
◆13.ジャパンケーブルネット、3月より「KNテレビジョン」放送開始
◆14.塩釜ケーブルテレビ株式会社とNTT東日本との協業について
~地域に根ざした放送・通信の提供に向けて~
◆15.VOD初登場!!
「ひかりTV」で、国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』を、見放題にて提供開始!
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