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第341号「新聞は抜いたものの伸張のなかったインターネット広告費」

[2010.03.08号]

 1週間ほど前に、ネットを開くと「パチンコ攻略必勝法の被害拡大」という記事が載っていた。(記事の全文は読まずに)頭出しだけを読んだが、〈あっ、あれだな〉と思った。筆者のメルアドにも、半年前くらいから何度も繰り返しメールが来ていた。実写映画が製作されるという話もある「あしたのジョー」も、「パチンコあしたのジョー」や「パチスロあしたのジョー」となってホールに登場しているようだ。若い頃に、パチンコはやったことがあるが、今は、すっかりご無沙汰している。したがって、メールが届いても、ゴミ箱に直行しているが、中には開く方もいて、「どうしても勝ちたい!」という欲求(この欲求は分からないでもない。あのジャラジャラと玉が出てくる瞬間の興奮はなんともいえない。つい回りに「見て見て!」と言いたくなってしまう気持ちを隠して、1個でも落とすまいと玉を箱に入れている自分がいる)から、「攻略必勝法」の手ほどきを受けたいと、お金を振り込んだということだろう。しかし、何も届かなかった、と。届いたとしても、たいしたものではなかった、と。昔、たぶん、戦前、あるいは、戦後なのだろうか、見世物小屋みたいなところで、「中にイタチがいる」という触れ込みで、客から金を取って、中に入ってみると、大きな板っきれに赤いペンキが塗ってあって、『板血』という見世物があったとか。どこに、お金をなくしてしまう落とし穴が潜んでいるか、わからない。

 SOHO事務所で、仕事をしていて掛ってくる電話というのは、ほとんどが営業の電話である。すでにNTTのひかり電話になっているが、「インターネットをOCNから○×に替えませんか?ひかり電話との組み合わせで安くなります」というような電話が多い。「乗り換え手数料」で儲ける商売である。
 1月の下旬に掛ってきた電話は、「お宅にビジネスフォンを売ったNTTの代理店が昨年11月末に倒産した。倒産した会社から、業務を引き継いだのだが、電話機の利用の状況を確認に行きたい」というものだった。要は、「電話はリース物件であるので、利用されている現場を確認したい」ということだった。
 電話を掛けてきたのは、名前ももう忘れてしまったが千葉の会社で、「業務を引き継いだS県の会社の依頼で、アポイントを入れている。千葉の地元の工事や修理を担当する会社の者が訪問してチェックしたいので時間をくれ」ということだった。ちょうど銀行から帰ったばかりで、原稿仕事にまだ取り掛かっていなかったので、「今からならいい」というと、1時間程で、体格のいい男がやってきた。近くの中学校の卒業で、今も近くに住んでいるという。

 彼がやってくる前に、ビジネスフォンを販売した東京都立川市の会社の名前をインターネットに入力してみると、ホームページは出てきたが、電話をすると電話は使われていなかった。倒産は、本当のようである。「ビジネスフォンを購入した時の書類を見せてくれ」というので見せると、「あっ、これ保守契約していないですね」という。
 1年半ほど前に、《どうせいつかはひかり電話にしなければいけないのだから》とひかり電話のセールスに来たNTTの代理店の男性の話に乗って、ひかり電話のビジネスフォンに替えた。(その前のシステムがどのようなものであったのかは、もう思い出せない。年を取るというのは、こういうことか、と思うくらい、最近、しらふで記憶が無くなる)
 ビジネスフォンは、総額50万円ほどで、7年リースである。毎月6,500円ほどだが、前よりは安い、ということであった。その男性が帰った後、契約書類の項目をチェックしてみると、保守の契約がなされていないので、慌てて電話をすると、「何かあったらウチの方で面倒をみますから大丈夫ですよ」ということであった。

 今、目の前にいる男は、その点を衝いてきているのである。覆い被せるように、「代理店さんによっては、こういういい加減なところがあるんですよね」と畳み掛ける。「どうすればいいんですか?」というと、「遡って保守の契約をすることは出来ないので、この契約はいったん切って、新しい機械で再度リースを組むことになる」という。
「保守の金額はいくらくらいなの?」と聞くと、値段表を見ながら、「2,900円」だという。《リース料6,500円の電話の保守の料金が2,900円???ほとんど、1万円ではないか》
「冗談じゃない。これまでの契約だって、まだ5年半分のリース料が残っているし、新たに機械を入れて保守契約までしたら、毎月1万6,500円くらい払うことになる。《まだ35万円くらいのリース料が残っているし、新たに機械を替えると、同じくらいはするだろうから、総額85万円のリースを背負い込むことになる》あなたに文句を言ってもしょうがないのかもしれないが、そんなに払えるわけないじゃない。それで、もう一つの選択肢は、保守契約をしていないこの電話が、壊れるまで使うということね」というと、「そうなりますね」と答えた。「ただ、壊れた時には、出張料などかかりますから、かなりお高くなるかなと。最低3万円くらいは、かかりますね」とまたNTTの料金表だという書類を見て答える。
「それで、この電話が壊れるということはよくあるの?」と聞くと、「それはお客さん、電話機は機械ですから、絶対に壊れないということはありませんからね」とにこやかに答える。それはそうである。しかし、そうはいっても、新たにリースを組むなんてできるわけがない。「いいたいことはわかりましたから、今日のところは『壊れるまで使う』ということで、お引取り下さい」ということで帰ってもらった。

 その後は、原稿を書くどころではない。いつもの居酒屋に行くと、NTT千葉の知り合いがいた。横に座り、今日のいきさつを話すと、NTT東西は、回線部分について担当しているが、ビジネスフォンは(NTTも扱っていないわけではないが)代理店などが販売しているという。したがって、そこら辺の現場の事情はよく分からない、ということだった。保守料金の2,900円が高いのか安いのかについては、突っ込んで質問するのを忘れた。
 翌日、目が覚めてもなんとなく腑に落ちない。そもそも販売した代理店が倒産したという情報は、誰かが顧客に連絡をすべきものだろう。他のケースでは、管財人あたりから封書で連絡が来たりする。その誰かは、業務を引き継いだという会社か、あるいは、リース物件の所有者であるリース会社であろう。
 
 そこで、最初に電話を掛けてきた千葉の会社に電話をして、冒頭に述べた「私どもは、S県の会社から依頼を受けてアポイントを取る業務を提供している会社で、それ以上のことはわからない」という話をもう一度聞いた。電話を掛けてきた会社とS県の会社の社名をインターネットで検索してみたが、両社ともホームページはないようだった。
 そして、次に、大手メーカー系のリース会社に電話を入れた。コールセンターの冷静沈着でクールな感じのする女性に契約番号をいうと、すぐにこちらが確認された。
 そこで、「○×社が倒産したということですが、何ていう会社が業務を引き継いでいるんですか?」と尋ねると、『S県の会社』とは、似ても似つかぬ会社名が彼女の口からスラスラと流れ出てきた。(後で、ネットで調べると、NTTの正規代理店として登録されていた)そこで、まずびっくりした。《なんだあ?ということは、昨日電話を掛けてきて、しかも現場チェックにまで現れたヤツラは、いったいなんなんだあ~!?》

「昨日、○×社から業務を引き継いだ、という会社筋のところから電話が掛ってきて、現場の状況を見たいと事務所まで来て行ったんですが、その会社の人たちは、正規に業務を引き継いだ方じゃないんですか?こうした問い合わせの電話は他に掛って来ていませんか?」と尋ねると、「1本掛って来ていて、お客様で2本目です」という。
「普通、倒産したという情報は、どこからか顧客に提供されるべきだと思うんですが、そちらでは連絡してくれないんですか?」と尋ねたところで、「ちょっとお待ち下さい」と男性の上司に代わった。
 上司に電話の問い合わせの内容を短く伝えるのに、1分ほど掛った。何かのボタンを押して、担当の男性が飛んできて、女性は、その場で立ち上がって、手短に、問い合わせの内容を伝えた。男性は、近くの自席に戻って電話を取った、というような雰囲気が伝わってくる。

 まず、「○×社が倒産したという連絡は、どこかがすべきなのではないですか?」と尋ねると、「それは本来○×社がすべきなんですが……」という。「そんなことは、わかっています。しかし、すでに倒産してしまっているのであるから、いまさらそんなことを言っても仕方がない。おたくでは、○×社が、倒産したという段階で、自社が所有するリース物件が、何らかの予期せぬ自体に遭遇することは長年の経験から容易に予見できるはずですから、リース会社が、顧客に連絡を入れるということはしないのですか?」と突っ込むと、「倒産した会社も顧客。その顧客の倒産情報をリース会社から出すということは、リース会社がそこまでするのか、ということにもなりかねないから出来ない」という。
「しかし、今回、私は、契約をしませんでしたが、事務所にやってきた会社の人間の話を真に受けて、新たにリース契約を結ぶと、たぶんおたくの所有物である電話機は、『こちらで処分しておきましょう』ということで、持って行く。そうすると、私は勝手におたくの所有物件を廃棄してしまったことになる。そうなると、おたくは私を訴えるんではないんですか?おたくに毎月リース料を払っている、おたくの顧客の私は、極めて、危険な状況に追い込まれることになるのではないんですか?」

「いや、そういう場合、よほど性質の悪いところでなければ、回収ルートに乗って戻ってくるんで、その心配はいらないんですが……」《とは言っても、性質が悪かったら、どうなるんだろう???》
「ああ、そうなんですか。じゃあ、もう一つ教えて欲しいんですが、電話機の保守料金が、2,900円というのは、そんなものなのですか?」
「いやあ、それはなんともいえないですね~。さまざまですから……」
「そうはいったって、6,500円のリース料で、2,900円の保守料金が高いのか安いのかくらいはわかるでしょう!?」
「え~、それがなんともいえないんですが、ただ一ついえるのは、電話機に保守っていうのはあまりつけないですね」
《えっ~!!!『電話機に、保守は、あまり、つけない~!?』コイツ~、最後になってようやく一番大事な情報を出してきた。何が、なんともいえないだ。それを最初に言えってんだ。こちらが事情を説明している中で、「保守契約をしていないと突っ込まれた」と話しているだろう!そこで、気がついているんではないのか!こちらが、しつこく聞かなければ、いうつもりはなかったのか!?》

 契約内容は、商品やサービスを販売する会社と顧客の自由意志によるものである。だから、販売者が何かの物件に保守契約を勧めて、それを顧客が納得すれば、その件に関して、そもそもリース会社がとやかく口を挟む余地は無い(のだろう)。顧客の口座から、毎月リース料の引き落としができれば、それでいいのであろう。
 しかし、今回、毎月リース料を払っているcba社が、こういう話があったと相談をしているのに、最後まで、「電話に保守はあまりつけない」という情報を出さないというのは、どういう立ち位置なのかと思う。顧客が来社した人の話を真に受けて、再リース契約をすれば、リース会社が別のところであっても、それはそれでリース市場の拡大、ということでかまわない、ということなのだろうか。まあ、最後であろうと、情報を出してくれたことに感謝をすべきなのかもしれない。
 全体の流れに関しては、腑に落ちた。結局、倒産時に、顧客情報が流出し、再リース営業が行われる、ということのようである。あまり長引かせてもいけないので、そこら辺で電話を切ることにしたが、しかし、やはりリース物件の所有者であるのだから、○×社の倒産を認知した段階で何らかの情報を提供すべきであろうと思う。自社で出来ないのであれば、事業を引き継いだ会社から、私どもが事業を引き継いだので、故障などの際は私どもが修理を行う旨の封書を出させるべきだろう。顧客がトラブルに巻き込まれる危険性を予見できたのに何もしなかったとすれば、それこそ何かあったら「不作為」を問われかねない。「リースの、その次へ」を標榜するのであれば、そこら辺も検討して欲しいものだ。
 昼間掛ってくる電話は、ちょっと恐ろしい。家にいても、消費者は、いつも危険に晒されているということになろうか。

 ある日、隣の駅の銀行に行った帰り、駅下のスーパーを覗いた。なめこがおいしそうだった。冷蔵庫には、山形のそばがあったので、なめこおろしそばにしようと、2袋を取り、レジに並んだ。前の40代半ばの女性はカゴいっぱいの買い物をして、財布を開けてお金を払う準備をしている。
 筆者のなめこ2袋は、すぐにバーコード課金された。そのまま課金担当のオネエさんがなめこを小袋に入れて、テーブルの上に置く。お金を払おうとしていた女性は、それを見て、小袋を無造作に掴み、自分のカゴの中に入れた。
《えっ!》と驚くと、課金のオネエさんが、それに気付き、「こちらは次のお客さんの品物です」といって、取り戻してくれた。前の女性は、「あっ、すみません」もいわず、無言で立ち去ると、袋に商品を詰め始めた。
 ぼけっとしてられない。あやうく、なめこおろしそばが、ただのもりそばになるところだった。(い)

*3月6日夜、本稿を書き終えて、ポストを覗くと、封書が来ていた。くだんのS県の会社である。開けて見ると、「重要なお知らせ」とあって、『最近、○×社の業務を引き継いだという営業が行われている様ですのでお気をつけください』と書かれている。『私どもは、メーカーや取扱店の依頼により、メンテや故障時の対応をお受けしている』とも。こちらの方が小回りはきいている。


【目次】

◆1.2009 年の日本の広告費は5 兆9,222 億円、前年比11.5%減
    ―2年連続で減少、インターネット、衛星メディア関連以外の各媒体が減少―

◆2.J:COMにまるごとおまかせ「J:COM トリプル プレミアム」
    最上位のサービスラインナップと専用のカスタマーサポート体制 

◆3.J:COM が「SHOPオンデマンド」をスタート
    ライブ放送からシームレスにアーカイブ視聴が可能
    ~ J:COM TV デジタルの双方向機能を活用したショッピングサービス ~

◆4.J:COM グループ 新ブランドスローガンを策定
    「感動を生む。想いをつなぐ。The Entertainmedia Company」
    新TVCMを3月4日から放映

◆5.ベイ・コミュニケーションズ、KDDIが提供する地域WiMAX(ワイマックス) ソリューションを採用

◆6.FOXの番組で“遊べる”携帯電話ポイントサイト「FOXACTIVE」スタート
    ~ 第一弾は、人気番組「アメリカン・アイドル」の出演者人気投票! ~

◆7.マスプロ電工がエリア限定型ワンセグ*の実証実験に参加
    羽田空港と福岡空港でエリアを限定したワンセグ技術によるマルチメディアサービス

◆8.「ひかりTV」テレビサービスにおける、
    チャンネルラインナップのリニューアルについて
    ~ 時代劇専門チャンネル、AXNミステリーなど人気チャンネルが新登場! ~

◆9.映像配信サービス「ひかりTV」における、
    地上デジタル放送IP再送信の提供エリア拡大について

◆10.世界のICT関連市場動向(データリソース社報道資料より http://www.dri.co.jp/)

  ①モバイルデバイスのセキュリティ:スマートフォンを防御するソフトウェア、サービス、ハードウエア
  ②世界の衛星測位ナビゲーションソリューション:
    GPS、Galileo、GLONASS、Beidouの市場とアプリケーション
  ③据置型燃料電池の収益は、2013年に倍増の7億1600万ドルに
  ④モバイルブロードバンド対応家電の市場:モバイルゲーム、PMP、パーソナルナビゲーションデ
   バイス、デジタルカメラ、デジタルカムコーダ、Eブックのモバイルブロードバンド
  ⑤世界のスマートグリッド投資は2015年までに累計2000億ドルへ達するだろう
  ⑥国際電話のトラフィックの成長は減速するものの、Skype(スカイプ)は急成長
  ⑦タッチスクリーンディスプレイによる収益は2014年に34億ドル
  ⑧有機LED材料の販売額は2015年に229億ドル
  ⑨3Dテレビのデビューを彩る「アバター」などの3D映画
  ⑩インターネット対応家電によって、インターネットビデオとアプリケーションをテレビで
  ⑪次世代セットトップボックス市場:ネットワークSTB(HomePNA、MoCA、電力線、Wi-Fi)
   とハイブリッドセットトップボックス

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