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第342号 「あの手この手で、第4コーナーを回った地デジ完全移行」

[2010.03.16号]

 ある日、いつもの居酒屋で、インド料理のお店を経営するTさんにあった。60才を過ぎた彼は、根っからのミュージシャンで、「生涯現役でギターを弾き続ける」といっている。だから、彼のお店でも、月に何回かはライブが行われる。
 そこで、「千葉には、ライブが行えるお店はどれくらいあるんですか?」と尋ねると、「専門でやっているライブハウスってのは、○○と××の2軒くらいかな」
(カタカナの店の名前を早口でいったので、頭に残らなかった。聞き返すのも、話の腰を折るのでやめた)
「ウチも今、3軒やっているんだけど、たまにライブをやってるよ」という。
 3年ほど前に、2軒目のお店を開いたのは知っていたが、お店が3軒になったのは知らなかった。
《この景気だけど、儲かっているのかな~?》と思って、「今は、インド人のコックは何人くらいいるんですか?」と尋ねると、笑いながら、「5人。暇で、遊んじゃってるよ」という。
《まあ、どこに行っても景気は悪いし、外食は厳しいだろうな~》とは思うが、彼はそれほど悲観した様子はない。何か、超えてしまっているのかもしれない。
 
 そんなことを思っていると、突然彼が、「My Spaceって知ってる?」と聞く。急な質問で、すぐに頭に浮かんだのは、《My place,or your place?》だったが、《これは、My placeだから、違うか》と、答えに窮していると、「ほら、あのYouTubeとか、いろいろな映像をアップするサイトがあるじゃない」といったところで、「ああ、そっちのMy Spaceね」と答えて、話が同じステージに上った。しかし、今度質問するのは私の番である。
《彼は、なぜYouTubeを出さないで、My Spaceといったのか?》日本では、YouTubeといった方が、一般的には、『画像投稿・共有サイト』として通りがよい。
 そこで、「何で、YouTubeといわないで、My Spaceといったんですか?」と尋ねると、「オレの知り合いがさぁ、My Spaceに自分たちのライブの映像をアップしててさぁ、その映像が、フランスのレーベルの目にとまって、去年の暮れ、フランスから6人くらいの撮影隊が来てさ、ドキュメンタリー映像の撮影してったんだよ。今度、3月中にCDが出るんで、フランスに行くんだけど、彼女たち、そのままヨーロッパツアーなんだよ。自分たちの楽曲の映像をネットに上げておいたら、いきなり、フランスから連絡があって、CDデビューしないかって。そういう時代なんだよね」
「え~!すごいじゃないですか。何というユニットなんですか?」
「Puffyshoes(パフィーシューズ)って、いうんだけどさぁ、まあ、かわいい子たちだよね」
「一緒に、写真撮ってます?」
「撮ってるよ。何枚も。一緒にライブやったりするからさぁ。楽屋で何枚も一緒に撮ってるよ」
 本稿を書くために、「Puffyshoes」で検索してみると、明治学院大学の音楽サークル「現代音楽研究会」の掲示板(12月20日付)に、「OGの○○です。今度、フランスからデビューすることになりました」とあり、「来週、フランスの撮影隊がやってくるので、ライブを見に来てください」とあった。撮影日は、12月27日となっていたが、同じ学び舎で音楽を楽しんでいた先輩が、いきなりフランスからデビューするとなったら、それはすごい、驚きと感動もので、なおかつ、「世界デビューのチャンスは、すぐ横に転がっている(可能性がある)。それを可能にしたのは、画像投稿サイト」ということで、「オレも私も、とりあえず投稿してみよう!」ということになったのではないだろうか。
 
 (1)世界をターゲットにした映像投稿共有のプラットフォームサイトがそこにあり、(2)インターネットに繋がったパソコンや携帯電話、その他のモバイル端末で、投稿された映像を視聴することができる環境があり、(3)ぜひとも映像コンテンツを世界の人たちに見てもらいたいとコンテンツを発信する人たちがいると、『千葉市内のライブハウスで演奏し歌うことを楽しんでいたごく普通のギターとドラムの女の子ユニットが、フランスからCDデビューし、ヨーロッパツアーを行う』という夢のようなことが現実に起こるのである。彼女たちが、ネットに映像をアップしていなかったら、彼女たちの人生は、ごく普通の音楽好きの女の子のままだったかもしれない。

 Tさんに「今からでも遅くはないですから、アップしたらどうですか?それから、そろそろ『自伝本』の準備もしておいた方がいいですね」というと大笑いをしていた。しかし、Tさんは、「アップはしてみたいとは思うんだけど、よくやりかたがわからなくてさぁ」とフランスのレーベルの目にとまるかどうかは別にして、意欲は満々なのである。
 音楽を愛し、演奏する人たちは、たいへんに多い。ライブハウスを借りて、自分たちの演奏を聴いて欲しい、という人たちも多いという。そういう人たちの中には、My SpaceやYouTubeにまではアップしなくても、ライブハウスに来られない人たちにもぜひ聴いて欲しいという思いがあるのではなかろうか。
 地元のケーブルテレビ局が、ライブハウスやそうした音楽愛好家のみなさんと協働して、音楽番組を制作し、コミュニティチャンネルで放送し、それをVODコンテンツにして、より多くの人たちに見て聴いて楽しんでもらうというのは、ありなのではないだろうか、とTさんの話を聞いて思った。(い)


【目次】

◆1.3月11日、地デジ難視対策衛星放送が放送開始
   -国の支援(暫定的難視聴対策事業)による円滑なデジタル放送への移行の取組-

◆2.ビル陰やアパート等のデジタル化加速に向けた
    「共聴施設デジタル化加速プログラム」の公表

◆3.「地上デジタル放送のみの再送信サービス」の早期導入に向けた
    有線テレビジョン放送事業者等への再要請

◆4.ケーブルプラス電話が100社100万回線目前に

◆5.WOWOW、「連続ドラマW」で、「パンドラ2」を4月から7話連続で展開

◆6. 迷惑メール対策強化とWebフォトアルバムサービス「@myフォト」提供を開始

◆7.オリンパス、デジタルサイネージソフト「SignageCreator(サイネージクリエーター)」発売。
    画像提供サービス”OADIS(オアディス)”の素材約7万点が自由に使える

◆8.アーティストのハワード・ジョーンズとナショジオがアースデーのメッセージを込めたミュージック
    ビデオを制作

◆9.「ドバイワールドカップデー2010」
     今年もグリーンチャンネルで、衛星中継

◆10.NHK放送研修センター「ケーブルテレビ」研修案内

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