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第355号 モバイル向けリアルタイム「ライブ実験配信」が本格化

[2010.09.22号]

 今年の夏は、本当に暑かった。7月の中旬あたりまでは、クーラーのない部屋で仕事をしていても、〈それなりに汗をかいて痩せるかもしれない〉と高を括っていたが、7月の下旬あたりから、〈今年の夏は本当に暑くなるな〉と思い始めた。涼しいうちに一仕事済ませておこうと、柄にもなく早起きをして、朝の8時前から、パソコンに向かっているのに、汗が滲み出してきて、やがてそれがポタポタと落ち始め、そのうち雨どいを伝って落ちる雨のようになる。元々汗かきなのであるが、タオルハンカチで何度汗を拭っても、次から次へと汗が噴出す。まるで、50mダッシュを2本くらい繰り返したようだ。
 息は上がらないのだが、息苦しさも感じた。窓を開けていても風が入ってこないので、熱くよどんだ空気がそれほど広くない部屋に滞留し、二酸化炭素濃度が自ずと濃くなるようで、何かこう気が遠くなるような心持ちになってくるのである。
〈あっ、いけない〉と思いながらも、原稿の切りのいいところまで粘って、隣の冷房の入ったリビングにいくと別天地の心持ちである。水分の補給には、例によって好物のスイカを小刻みに口にした。

 7月25日に、福岡県柳川市の川下りに行った時も暑かった。ジリジリと照りつける太陽の下、貸し笠をかぶろうかとも思ったが、まあ普段太陽にあたっていない分、こういう時にあたっておいた方がいいかもしれない、とかぶらなかった。
 川面は、さほど暑くはなかった。どんこ舟は、のんびりと水面を走る。ガイドを兼ねる船頭の語り口が、眠気を誘うが、居眠りをするわけにはいかない。
 12の橋をくぐるのだが、2、3日前に降った雨の影響で、水かさがかなり増しており、橋の下をくぐるには、身体全体を舟の中に沈めるようにしなければ、頭をぶつけてしまうのである。
 お堀の中に入っていくと、川下りの客に、冷たい飲み物や氷水、アイスクリームを売るお店があって、40前後の女性が注文を聞いて、その娘らしい小学校6年生くらいの女の子が、カウンターの中で、飲み物などを作っていた。
 夏休みに入ったばかりの日曜日であるから、友達とどこか遊びにでも行きたい年頃だろうに、せっせと家のお手伝いをする女の子が、新鮮だった。土日は、平日よりも多くの観光客が期待でき、稼ぎ時なので、かりだされたのかもしれない。それが、生計の足しになることをよくわかっているのだろう。

 堀に面した家々には、水路に降りる階段が付いていた。昔はそこで、炊事、洗濯などもしたのだという。また昔は、それぞれの家々に、舟があって、堀の水路を行き来したということだ。
 たまに、水面から、カメが顔を出す。堀の脇の石の上で、甲羅干しをするカメもいる。
「どうしてカメが甲羅干しをするかわかりますか?」と船頭が尋ねると、小学校5年生くらいの男の子が、「甲羅についたばい菌なんかを落とすため」と大きな声で答えていた。「まあ、だいたい正解ですが、体温を上げるということもあるんだそうです」と笑って答えていた。たまたま舟に乗り合わせた者同士、赤の他人ではあるが、こうした子供の入った会話には、場が和む。
 野球やテニスの強豪校として、全国的に有名な柳川高校のテニスグラウンドが左手に見えた。同校出身で、社会に出て活躍している卒業生の名前が書かれた看板が、水路に向かって張り出されている。松岡修造さんも在籍したことがある。現在、セントラルリーグで、首位を争っている阪神タイガースの真弓明信監督も、同校の出身である。

 うなぎのセイロ蒸しで有名な柳川には、うなぎの供養碑がある。年間120万匹を食するというから、すごい量である。このうなぎの供養碑のとなりにも川下りの客に飲み物や簡単なスナックを売る店があった。
 午後のきつい日差しを浴びて、遠目にも気だるそうにしていた、こちらは女子高生と思われる娘さんが、舟が近づくとやおら立ち上がり、アイスクリンの暖簾をなびかせて、「いかがですか~」と声を掛けたが、ほとんどの乗客が先ほどの売場で飲み物を買っていたので、誰も買わずに、通り過ぎることになった。彼女の午後の気だるさは、さらに増したかもしれない。
 川下りの終点には、たくさんのうなぎ屋さんがひしめいていた。そして、たくさんの観光客が、それぞれの店の軒先で、日陰を探し、セイロ蒸しを目当てに、列を作っていた。1時間待ちの札が下がった店もある。
「柳川に行ったら、うなぎのセイロ蒸しを食べなきゃいかんね」と大牟田出身のスタッフWさんにいわれていた。しかし、この炎天下、1時間も待ってはいられない。次の目的地もある。うなぎは次の機会に譲って、川下りの会社のマイクロバスで西鉄柳川駅に戻ることにした。
 川下りの途中で、船頭さんが、いろいろと柳川の歴史を語ってくれたが、ようやく涼しくなってきた頭に、遠くからその声が甦ってきた。(い)


【目次】

◆1.《巻頭言》3スクリーン世代のケーブルテレビ接触率をどう高めるか

◆2.JDS、「岸和田だんじり祭り」のモバイル向けリアルタイムライブ実験配信

◆3.JDS、衛星ネットワークでCSデジタル放送配信サービス 新たに4事業者

◆4.ジュピターテレコム、2010年8月末 総加入世帯数は336万4,900世帯
    - デジタルサービス加入率は99% -

◆5.イッツコム、「共同購入型前売りチケット」販売ウェブサイトと連動した新番組
    東急沿線のお得で魅力的な情報番組『ポニッツ-PONiTS』12 月1 日スタート。
    CATV 業界初!

◆6.JCN、「ジャパネットたかた × JCNコラボ番組」JCNのコミュニティチャンネルで
    オンエア開始!

◆7.NTT、「インターネット利用における不安に関する国際比較調査」により
    “安心”と“安全”の乖離を実証
    ~安全でも、不安を感じる日本人の特徴が明らかに~

◆8.NTTソフトウェア、OpenID方式での属性交換に対応したアイデンティティ連携ソリューション
    「TrustBind/Federation Manager Version1.4」を9月15日より販売開始
    ~Webサイト間の会員登録連携やポイント連携を実現~

◆9.NTTドコモ子会社、独ネット・モバイル
    フランスでマンガコンテンツ配信事業開始

◆10.WOWOW、IPTVサービス「ひかりTV(ティービー)」での放送開始

◆11.テレビ画面上で簡単ショッピング
    『ひかりTVショッピング』サービス提供開始

◆12.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修案内》

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