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第356号 名古屋市栄で「ケーブルテレビフェスタ2010」開催」
[2010.10.18号]
10月6日に、事務局をしている「ケーブルテレビ経営者研究会」の研究会があって、講師には、(株)日本政策投資銀行 地域振興グループ 地域支援班 参事役の藻谷 浩介(もたに・こうすけ)氏をお招きした。藻谷さんは、NPO法人 コンパス地域経営支援ネットワークの理事長でもある。
わが国の様々な分野で「地域力」ということが問われだし、ケーブルテレビ業界でも、日本ケーブルテレビ連盟に「地域力」についての検討委員会が設置されている。
今回、藻谷さんに講師をお願いした経緯は、ケーブルテレビ経営者研究会の運営委員の方から、「日本政策投資銀行に日本各地を回られていて、地域力について独自な視点での意見をお持ちの藻谷さんという方がいらっしゃる。ぜひ講演をお願いしてみてはどうか」という提案があり、「それは面白い」ということになり、ご提案いただいた委員の身近なルートでコンタクトをお願いしたという次第だ。年間400回ほどの講演をしている、という話だったので、うまくスケジュールが合うかどうか、心配だったが、OKをいただくことができた。
そして、この超多忙の合間をぬって、今年6月半ばに、本を出されているということだった。近くの書店のレジで、著者名をいって在庫を尋ねると、50半ばの男性(おそらく)正社員の方は、「もたに、もたに」とつぶやくと、パソコンに向かって入力を始めた。それを見ていた20才前後のアルバイトの女性は、ピンときたらしく、小走りに売場に行くと、「これですか?」と藻谷さんの本を持って帰ってきた。
書名は、『デフレの正体―経済は「人口の波」で動く』(角川書店)というものだった。「ああ、それそれ」というと、女の子は、レジを打ち始めた。後ろの男性は、本があったことを見届けると、視線を他所に移した。
アルバイトの女の子は、お客が欲しがっていた本が見つかって、うれしそうである。ただ単に、笑顔がかわいいだけかもしれないが。
女の子に、「この手の本は、どの棚にあるの?」と聞くと、「この辺りになります」と案内してくれた。藻谷さんの本は、何冊か、棚ざしになっていたのかもしれないが、そこまでは確認しなかった。おそらく、1冊売れれば、裏の倉庫から持ってきて補充するという仕組みだろう。書店で露出スペースを確保するには、たいへんな競争を勝ち抜かなくてはならない。平積みになるには、相当の売れ筋の商品ということになる。値段は、税込み760円と手頃な価格であった。
著者略歴をみると、「1964年、山口県生まれ。株式会社日本政策投資銀行地域企画部地域振興グループ参事役。88年東京大学法学部卒、同年日本開発銀行(現、日本政策投資銀行)入行。米国コロンビア大学ビジネススクール留学、日本経済研究所出向などを経ながら、2000年頃より地域振興の各分野で精力的に研究・著作・講演を行う。平成合併前の約3200市町村の99.9%、海外59ケ国を概ね私費で訪問した経験を持つ。その現場での実見に、人口などの各種統計数字、郷土史を照合して、地域特性を多面的かつ詳細に把握している。09年度には、シンガポール出向の機会を得、地域・日本・世界の将来を複眼的に考察した。10年度より現職。政府関係の公職多数。著書に、『実測!ニッポンの地域力』(日本経済新聞出版社)」とある。
筆者は、けっこう、鉄道に乗るのが好きで、出張の合間に、時間を作っては、ローカル線に乗っているが、それでもまだまだ、乗っていない区間がたくさんある。それを考えると、この「3200市町村の99.9%に足を運んでいる」がいかに驚異的か圧倒させられた。早速、その日のうちに読み、研究会当日には、資料として、この新刊『デフレの正体』を参加者に配布しようと思った。
それが7月の下旬。多くても80部くらいだから、まあ、1週間前に版元に頼めば十分だろうと、考えていた。しかし、9月の声を聞き、いろいろな人に「次の研究会は、藻谷さんが来るので、ぜひ参加して下さいよ」と話しているうちに、半ばを過ぎた頃、「売り切れで本が手に入らない」という情報を小耳にはさんだ。
〈これはいけない〉と版元に慌てて電話すると、「10月10日以降でないと本が入ってこない」という。そこで、粘り強く、「藻谷さんの講演会で資料として配布したい。80部なんとかなりませんか」と事情を説明すると、電話の女性が、「ちょっと待って下さい。確認して折り返し電話します」ということで、いったん電話を切った。10分ほどで電話があり、「80部なら用意できます」ということで、事なきを得た。
ある意味、コピーでもしたように、80部がわいて出てきた。話を聞いてみると、9月末が棚おろしで、バタバタしている最中だが、まとまった数だったので、かき集めてくれたようだ。研究会当日、藻谷さんの話では、初版2万部が、3ヶ月で10万部になっているという。これからも、伸びそうな勢いである。
研究会は、通常、九段下の九段会館で行っている。その日、たまたま高知県のN市の高等学校の修学旅行生が九段会館に泊まっていた。ロビーで、売店をのぞきこむ男子生徒の身体は、みな引き締まり、女子生徒は、毬のように笑顔も身体も弾んでいた。(い)
【目次】
◆1.東海地区で「ケーブルテレビフェスタ2010」開催
◆2.日本ケーブルテレビ連盟東海支部が番組コンテストを創設
◆3.イッツコム、便利で高品質なサービスを、よりお得な料金で提供!
パッケージ商品『お得パック』10 月提供開始
◆4.イッツコム、“集合住宅向け付加価値サービス”「イッツコム アパートメント」に新プラン追加
~160Mbps インターネット、ハードディスク内蔵STB を入居者が無料で利用可能に~
◆5.イッツコム、 いつでも、どこでも、いろいろな機器でつながるインターネット
「かっとびモバイル(EM)」10 月21 日より提供開始
◆6.JCN、劇場映画『ラブコメ』公開直後にコミュニティチャンネルで無料放送
◆7.「日本酒の祭典:2010酒まつり」全国生中継
-湯崎広島県知事も特別出演-
◆8.株式会社ドリームウェーブ静岡の株式取得に係る基本合意書締結に関するお知らせ
◆9.東海ビデオシステムがデータ放送・デジタルコンテンツ活用支援サービス
「tconnect(ティーコネクト)」サービスを開始
~知多半島ケーブルネットワーク(CCNC)にて行政・緊急・お悔やみ情報の配信を一元化~
◆10.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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